
前回の続きとして、急行『花たび そうや号』の2025年初便である5月10日稚内行の後半を紹介します。






































天塩中川駅では他の駅より長い30分の停車時間が取られています。お陰でじっくり撮影に興じる事ができました。

当駅では中川町のキャラクター『じゅえる』がお出迎え。
ここで私とらんちゃん女史の昼食として事前注文しておいた「スタミナステーキ丼」(道の駅なかがわ謹製)を受け取ります。
花たびに乗る度に毎年リピートしていますが、柔らかお肉と行者ニンニク入りソーセージが絶品!
今年3月のダイヤ改正で雄信内と抜海の両駅が廃駅となったため、日本最北の旧来の木造駅舎となった天塩中川駅舎。
駅舎内では風呂吹き大根や天ぷらなどが提供されていました。
天塩中川駅停車中に、6064D特急サロベツ4号と交換します。
駅前のスーパー『Qマート』の前で配布されていたという「惜鉄(オシテツ)記念券」。同行のらんちゃん女史から戴きました。その節はありがとうございますm(__)m
長い停車時間を終えて天塩中川駅を発車。
ここで私たちはロングシートのフリースペースでスタミナステーキ丼を食します。
天塩中川~問寒別(旧・下中川~旧・歌内)の間では、4月8日に発生した盛り土崩壊による脱線事故のため音威子府~稚内が長期間不通となっていましたが、4月26日に無事復旧を果たしています。ブルーシートに覆われた崩壊跡が生々しい…。列車はこの区間を最徐行で通過します。

列車は上川管内から宗谷管内(幌延町)に入り、問寒別駅、そしてヨド物置の待合室で有名な糠南駅を通過します。

そして天塩川沿いの車窓のクライマックスである問平陸橋を渡ります。


天塩川の本流とお別れし、防災対策として掘られた宗谷本線唯一のトンネルである下平トンネルに入ります。

下平トンネルを抜けると3月ダイヤ改正で廃駅となった旧・雄信内駅(現信号場)を通過。
この木造駅舎の改修費を捻出できなかった事が廃駅の要因ですが、冬季の除雪作業員の詰所としては活用されると思われるだけに、駅舎の今後が気になります。

安牛、上幌延(写真)の廃駅跡を通過。両駅とも、車掌車改造駅舎が元の位置より後退した場所で保存されています。

途中徐行区間を通過したため、15:20の定時より3分程遅れて幌延駅に到着。下り列車でホームに降りられるのはここが最後です。当駅では20分の停車時間が設けられていたのですが、遅れを挽回するために発車時刻は定時になるとの事。



ここでは町のキャラクター『ホロベー』と『ブルピー』がお出迎え。『ブルピー』は今回初登場で、ブルーポピー(青いケシ)の花をモチーフにしたゆるキャラ。

町に存在するトナカイ観光牧場からホンモノのトナカイもお出迎え。

幌延駅に停車中の花たび編成。


駅舎内では特産品の販売が行われていました。尚、この時点でみどりの窓口は営業時間外。
幌延駅舎の外観。雨は止んでいましたが、相変わらずどんよりとした空模様。

出改札業務は営業時間外でしたが、改札口には『花たび そうや』の札が。

ホロベーとブルピーに見送られ、15:40に幌延駅を出発します。

幌延駅を出発後、1987年3月29日限りで廃線となった羽幌線の線路跡が分かれていきます。
この廃線跡の一部は、防雪林を活かして国道のバイパスとして活用されています。

列車はサロベツの牧草地の中を走行。

幌延駅発車後、車掌さんの手によって毎年恒例となった「全区間走破証」が配布されました。
今年は花たびのヘッドマークをあしらったデザインです。

兜沼駅の手前に広がる水芭蕉の群生地。そして同駅を通過し兜沼が見えてきます。


本来ならば利尻山がこの辺りに見えるのですが…。

旅も終盤になりましたが、スタッフの手によって飴のサービスがありました。航空機並みですね!

列車はいよいよ稚内駅に入り、勇知駅を通過後、3月ダイヤ改正で廃駅となった旧・抜海駅跡を通過します。
廃駅に先立って交換設備も廃止され、冬季のポイント除雪の必要もなくなった事からこの木造駅舎も近々消えてしまうのでしょう…。40年前のTVドラマ『少女に何が起ったか』のロケ地として登場した当駅ですが、同じ宗谷本線の塩狩駅のように存続を図る事ができなかったのは非常に寂しい限りです。

列車は抜海の丘を上り、サービス徐行をしながら日本海に浮かぶ利尻山(利尻富士)と礼文島を望む絶景スポットに差し掛かりますが、ご覧の通り残念ながらどんよりと雲に覆われて、その麗姿を望む事はできませんでした…(涙)。
翌週の5月17日はかろうじて、そしてそのまた翌週の24日はクッキリと眺められたとの事で、ひっじょ~にクヤシイ~!!(財津一郎調に)
もっとも、花たびのプロトタイプとなった列車『風っこそうや』に乗車した時は往復ともにクッキリと眺められたため、そこで運を使い果たしたのかも…?



残念ながら今回は利尻山を眺める事ができませんでしたが、「利尻富士車窓ポイント通過記念証」がスタッフの手によって配布されました。この記念証は各運転日によって異なるデザインで、運転初日であるこの日はキハ400系急行宗谷でした。

抜海の丘を下り、稚内市街地に入って南稚内駅で運転停車。ここが電子閉塞区間の終了となるためです。
普段旅客列車は駅舎側の1番線ホームに停車するのですが、花たび車両は通常使われない2番線ホームに停車していました。

相変わらずどんよりとした天気で、稚内公園にそびえ立つ「稚内百年記念塔」も霧の中…。

いよいよ、下り列車の終着駅へ!
日本最北の踏切を通過後、稚内駅構内を最徐行で進入。

16:41、旭川駅から宗谷本線を完走し、終着・稚内駅に到着!
ホームでは観光協会のスタッフらや駅長さん(管理駅である隣の南稚内駅長)がお出迎えしてくださいました。


稚内へ来たら撮らねばならぬ!と、例によってお約束のショット!

乗客を降ろした花たび編成は、律儀に(?)回送幕を掲出し稚内駅を後にします。



回送列車を見送った後は改札口へ向かいます。駅長さんと、稚内市のご当地キャラ『りんぞうくん』『出汁之介』もお出迎え。寒い中ありがとうございました!


改札口への通路では、観光協会スタッフによりノベルティとしてパンフレットその他が配布されました。






稚内駅舎の中も歓迎ムード一色。

稚内駅前広場にある『日本最北端の線路』モニュメントとその横にある電光掲示板は、花たび乗客らによる記念撮影でごった返していたのですが、落ち着いた処で私も撮影。この時点の気温は8.9℃と、5月中旬にしては肌寒かったです。それでも、稚内公園の桜は満開を迎えていたとの事で…。



撮影を済ませ、私たちはそれぞれの宿へ向かいます。
今回私が泊まったのは、駅から徒歩5分程度の場所にある『ホテル美雪』。


荷物を置いて身軽になった後、らんちゃん女史と一緒に市街地にあるお菓子屋さん『小鹿』に立ち寄ります。当店は銘菓『流氷まんじゅう』で有名なお店ですが、私は好物のシュークリーム(1個¥160)を購入。流氷まんじゅうより安くておいしいんですよ。


そして2人で夕食を食べにスープカレーのお店『プチGARAKU』に入りました。当店はらんちゃん女史お気に入りのお店ですが、昨年2月に原因不明の火災で全焼…。閉店を余儀なくされましたが、クラウドファンディングにより無事復活を果たしています。

私はいつもと同じ「とろとろ炙り角煮」(¥1550)を食しました。
『花たび そうや』下り列車初日(5月10日)の記事はここまで。
私とらんちゃん女史は翌日の旭川行にも乗車するのですが、そのオハナシは次回に紹介させて頂きます。
つづく