九州地区で活躍する交直流近郊形電車415系。JR東日本から移ってきた編成で残っていた2本のうち、鋼製車500番台のFo520編成が4月25日に廃車回送。ステンレス車1500番台トップナンバーのFo1501編成が名実とも最後の1本になりました。JR九州の鉄道ファン向けキャンペーンの乗車対象にも選ばれていて、再び注目を集めています。

 

 

併結の8両編成で走る415系1500番台Fo1501編成=陣原—折尾

 

 

 

JR東日本からJR九州に移籍した415系は、常磐線で活躍していた500番台の4両編成2本と1500番台の4両編成1本(勝田車両センター所属)で、2009年に九州での活躍を始めました。

 

その後3編成は鹿児島本線などで活躍しましたが、22年にFo507編成が引退。同年には鋼製車が一斉に運用離脱し、門司に疎開していたFo520編成は今年4月に廃車回送されました。その結果、1500番台Fo1501編成が唯一の旧JR東日本編成となりました。

 

 

鹿児島本線を行くFo1501編成(前寄りの4両)。写真では分かりにくいですが側面の行き先表示器横の車端部の青帯が省略されているなど、他の編成との違いが見られます=東郷—東福間

 

 

 

Fo1501編成は一時運用離脱していて引退もささやかれていましたが、23年12月に復帰。最近は下関—小倉の「関門シャトル運用」はもちろん、他の編成と併結して鹿児島本線でもよく見かけます。

 

 

関門トンネルを抜けて下関駅に到着したFo1501編成。関門間では個人的にもよく遭遇します

 

 

 

今年2月からは、鉄道ファン向けチェックインラリー「JR九州からの挑戦状」の「特定編成乗車チャレンジ」の対象にも選ばれています。

 

これは同社の面白い経歴を持った編成に乗車し、車内に掲示されたキーワードを集めるもので、Fo1501編成のほか、特急形電車783系Cm35編成など5車種が対象になっています(7月31日まで)。

 

鉄道好き社員の考案によるキャンペーンとはいえ、415系1500番台のトップナンバーでもあるFo1501編成の価値が認められているようで、ファンとしてはうれしく思います。

 

 

「JR九州からの挑戦状」の特定編成乗車チャレンジの対象になっているFo1501編成。車内のある場所にキーワードが掲示されています

 

 

 

移籍から十数年たち、すっかり九州の車両たちに溶け込んだトップナンバー編成。乗客から見ればただの同じ「銀色の電車」ですが、鉄道ファンとしては国鉄時代の広域転配のようなその経歴から、「1501」の表記を見かけると意識してしまいます。

 

JR東日本から移籍したラスト1本として、少しでも長く現役で走っていてほしい思いです。

 

 

 

※Fo1501編成の車内などの特徴は次の記事にまとめています