いろいろ楽しませてもらいました | あさかぜ1号 博多行
2025-04-17 08:00:18

いろいろ楽しませてもらいました

テーマ:鉄道ニュース

2010年3月に大糸線(南小谷ー糸魚川間での活躍を最後にJRでの営業運転を終えるも、翌年に千葉県の第三セクター鉄道いすみ鉄道で営業運転に復帰し、それ以来後に入線したキハ28 2346とコンビを組んで急行列車などに活躍し、いすみ鉄道を全国区の知名度と人気を得るローカル鉄道へと躍進させる立役者となったキハ52 125が、今月と来月に計3回大多喜駅で開催されるイベントを最後に営業運転を終了することがこのほど発表されました。
キハ52は、相棒のキハ28が営業運転から退いた後も単行運転で走り続け、昨年定期的な「キハ急行」などの運転がなくなった後も臨時列車での活躍が続きましたが、老朽化や交換部品の入手難、検査費用が高額なことからこのたびの引退が決まったようです。加えていすみ鉄道自体が昨年10月の列車脱線事故以来いまだに全線で運転再開の目途が立っていないことも今回の引退の判断に大きく影響したのかもしれません。
引退記念イベントは大多喜駅構内で4月27日と5月10・11日に開催され、エンジン駆動状態のキハ52の展示と乗車体験、過去のヘッドマークの展示やグッズ販売などが行われるようですが、上記のようにいすみ鉄道自体が運転再開できていないため、本線上を乗客を乗せてラストランすることができないのは何とも残念でなりません。

昨年2月にキハ52の定期運転終了についての記事を書いた時にも触れましたが、私は2012年1月に初めていすみ鉄道に移籍後のキハ52 125に乗車し、その後2年半ほどの短い間ながら数回にわたっていすみ鉄道を訪れるたびキハ28も含めた国鉄型キハコンビに乗車してきました。
その時のことは当時のこのブログでも書いてきましたが、今でもその時の記事を読み返すと当時のことがいろいろ思い出されて懐かしい気分になります。
今ではなかなか味わえなくなった窓を開けて外の風を感じながらのディーゼルカーの旅を久しぶりに楽しむこともできたし、乗りに行った日にたまたま房総半島では珍しい雪が降り、まるで北海道や東北のローカル線を旅しているような錯覚を楽しみながら写真を撮影できたりと、いろいろな形でキハ52には楽しませてもらいました。
また、私が住む埼玉からだと微妙な距離があってなかなか乗りに行く機会がなかったいすみ鉄道や小湊鐵道に乗るきっかけを作ってくれたのもキハ52ですし、いすみ鉄道国吉駅前の商店街で行われた町おこしイベント「みんなでしあわせになるまつり」や多数の貴重な鉄道車両が保存されている「ポッポの丘」の存在を知り実際に出かけてみることも、国鉄型キハが走っていなければもしかしたらなかったかもしれないわけで、その意味では私自身としてもキハ52には感謝したい気持ちになります。
ただ今にして思えば悔やまれるのが、キハ52やキハ28には乗車したり駅で撮影したりしたことはあっても、菜の花畑など沿線の素晴らしい景観の中で国鉄型キハを撮影する経験ができなかったことですが…

製造以来今年でちょうど60年となり、いわば2度目の現役引退となるキハ52 125。
いすみ鉄道には多大な貢献をしてきた同車だけに今後はキハ28 2346やキハ30とともに国吉駅構内で保存されることになるのでしょうが、ぜひともしっかりとした管理のもと美しい状態を保ちながら保存され、時々は社内の公開などのイベントが行われることも期待したいです。
そしていすみ鉄道には、まずは脱線事故の原因になったとも言われる軌道の整備不良などの問題を解決して一日も早く全線での運転を再開し、安全・安定輸送の体制が確立したらかつてのいすみ鉄道を思い出させるような新たな魅力にあふれた列車やイベントでぜひ長期運休からの復活をアピールしてほしいものです。

AD