2025年4月1日、新京成電鉄が京成電鉄に吸収合併されました。
「ふーん、そうなんだ」と思ったあなた。
いやいや、これはただの企業統合ではなく、“魂の分岐点”の消失なんです。
だって、新京成って名前、まず名前からして3クセ。
「新」って言ったな?あれは嘘だ。
新京成、誕生は1946年。もうすぐ80歳。
もはや「新」じゃなくて「老京成」でしょ。
しかも、名前に「新」とつく鉄道って、だいたい派手に新しいことやってるけど、新京成は終始、控えめで地味。優等車両なしで運賃安い。駅間も短い。
それが良かった。地味なピンク色の車両、ふにゃっと曲がる線路、そして松戸と津田沼をひたすら結ぶ、そのブレなさ。
「京」とついても、東京には行かぬ。
新京成線、東京行きません。完全千葉ローカル。
千葉の誇る「関東のリトルインディーズ鉄道」と言ってもいい。
京がついても都心に媚びず、ひたすら松戸と津田沼。
まるで、「俺は俺の道を行くんだ」と言い続けてきた、
ちょっと尖った中堅ロックバンドのようだった。
「成」って言ったら…まさか成田空港?行かねえよ!
京成と言えば成田。でも新京成は?
空港?何それおいしいの?ってくらい行かない。
成田どころか、津田沼止まり。
「京成」と冠しておきながら、成田感ゼロの硬派さ。
そして、消えた“緩衝地帯”の悲劇
でも、新京成の真の役割は、その名前じゃなかった。
彼らは、千葉の京成帝国と、埼玉・北関東の東武連邦の間に存在する、**鉄道版“中立スイス”**だった。
鉄道業界のディープな事情を知らない方に説明しよう。
東武と京成。これはもう、古代から続く一触即発の関係。
まるで「関ヶ原」が鉄道になったような、ガチンコ。
その間を取り持っていたのが、新京成。
そして、それに付随する東武バスと京成バスの“お互い様運行”。
船橋で両者が隣り合ってるのは奇跡。いや、平和の象徴だった。
船橋よ、これからどうなるのか
新京成が消えた今、船橋は無法地帯と化すのか?
東武バス vs 京成バス、駅前ロータリーでの「仁義なきバス回し」が始まるのか?
バス停一つずれただけで、「これは我がテリトリーだ!」と
運転手さんがスタンガン取り出す未来、ちょっと怖い。
ごめん、盛り上げすぎたw 実際の運転手さんはみんなやさしいから誤解しないで。
それでも、新京成は僕らの中に生きている
駅名が変わっても、車両が塗り替えられても、
あの、ぬるっとカーブして走るあの感じ、
高根公団で急にローカル臭くなるあの空気、
五香駅で「ここが五香か…(しみじみ)」ってなるあの感覚。
全部、僕らの中に残る。
ありがとう、新京成。君の“クセ”が、僕らの日常を支えてくれていた。
名前詐欺だなんて言って、ごめん。君は、まぎれもなく唯一無二だった。
さて、次回予告:「津田沼駅、京成とJRと新京成(だったもの)の三つ巴、まだ続くバトルロワイヤル」