「本物」のファンとしてはぜひ!
テーマ:鉄道ネタいろいろ本日のお題:今一番見てみたいもの
視覚障害者なので…というのはひとまず度外視していうなら、今一番間近で見たいのは…
それは、SL・EL牽引の客車列車や元関東・関西の大手私鉄の電車、さらには井川線のトロッコ列車などの運転でおなじみの静岡県の大井川鐡道が、先月末に塗装を「国鉄色」に変更して営業運転を開始した同社の電気機関車E31形4号機(以下、特記しない時はE34と記します)。
「国鉄色」というだけで国鉄型車両好きの私的には心惹かれるところですが、動機に再現されたのがかつてブルートレインの牽引に活躍した電気機関車EF65 500番台と同じ、いわゆる「ブルートレイン塗装」だというのだから、ブルートレインもEF65 500番台(以下、EF65Pと記します)も好きな私としてはぜひとも見てみたいのです。
このE34は主にSL列車の補機、またはEL牽引列車の牽引や補機などに使用されている機関車で、大井川にやってくる以前は西武鉄道で活躍していた機関車です。
では、国鉄・JRに在籍した経歴のないE34がなぜ「国鉄色」に塗装変更されたかについては、大井川鐡道の起点駅が国鉄・JRの東海道本線と接続する金谷駅であることが関係しています。
金谷駅を通る東海道本線にはかつて多数のブルートレインが走り、それらの全盛期と重なる1965年10月から1978年夏にかけて東海道本線を走るブルートレインのほとんどをけん引していたのが、今回E34の塗装変更のモチーフになったEF65Pでした。
大井川鐡道では、SLの現役時代をよく知る高齢者層や「SLトーマス号」が目的の家族連れだけでなく、その間の世代にもファン層を拡大したいとの狙いがあるようで、SLや旧型客車より世代が新しく、30~50歳代ぐらいの世代に「刺さる」車両としてブルートレインやEF65Pに着目したようです。
そして、この企画を立案したのが、現在大井川鐡道の社長を務める鳥塚亮氏と聞くと納得という感じです。鳥塚氏はこれまでにもいすみ鉄道のキハ52・28やえちごトキメキ鉄道の455・413系といった国鉄色の国鉄型車両をそれぞれの鉄道のシンボル的存在にしてきた実績があるので、ここ大井川でも同様の効果を期待してのことなのでしょう。
さて、このような経緯で登場したEF65P風の塗装のE34ですが、単に塗装をEF65Pと同じにしたというだけでなく、細かな部分にまでこだわったかなり完成度の高い際限がされているそうです。
ブルトレ機塗装の塗分けや色味を忠実に再現するだけでなく、例えば前面の車号標記を国鉄電機風の「ED31 4」としたり、その左右にはステンレス板の飾り帯を模した銀色の塗装を施したり、所属機関区を示す区名札など細かな標記類も再現するなど、遠目で見るとまるで本物のEF65Pが大井川鐡道を走っているかのように見えるくらいの完成度のようです。
これだけ見事にEF65Pっぽく変身したE34の姿を私には残念ながらみて確認することはできませんが、この塗装変更を取り上げたネットニュースの記事の中にかなり詳細に塗装変更後のE34の外観についての記述をしてくれているものがあったのと、西武時代のE31形は私も数えきれないくらい見ていた車両なので、それらをもとに脳内で塗装変更後の姿をかなりリアルに想像することができます。
私の好きなEF65Pの姿がたとえ全長の短い私鉄の電気機関車とはいえリアルに再現されたとなると、現実には目で見ることはできないとわかっていてもぜひ見に行ってみたい気持ちになります。
ぜひこのE34が、いまだに豪雨災害による一部区間不通の苦境が続く大井川鐡道の救世主になってほしいものです。