京成編成も松戸線に乗り入れが期待できるか、再考してみました
朝日新聞、2025年3月30日付け「新京成電鉄、78年の歴史に幕 4月から『京成松戸線』に」の記事を拝読しました。
記事の中から、新京成電鉄が吸収合併されるに至った経緯と、今後の展望について話を聞いた一部分を引用させていただきます。
(以下引用)
合併のメリットに、鉄道の利便性向上を挙げる。合併により、京成線と新京成線の2路線間で始発や終電への接続が円滑になる上、互いの車両が乗り入れることで、乗り換えなしで行ける範囲が広がる。毎秋のダイヤ改定に合わせてこうした取り組みを進める方針で・・・・・(以下略)。
(以上引用)
「互いの車両が乗り入れる」とは、京成本線車両も松戸線に入るということ?
「互いの車両が乗り入れ」とありますが、これまでの新京成・京成の乗り入れは、松戸-千葉中央間において、新京成(現:京成松戸線)の車両が京成千葉線への「片」乗り入れの形で行ないながら、現在に至ります。
その逆の、京成本線の車両が松戸線へ乗り入れる「相互乗り入れ」は、まだ実現していません。
そうした中で、「互いの車両が乗り入れる」とは、京成本線の編成、3200形や3000形等が松戸線にも入るという受けとめ方でよいでしょうか。
よいとすれば、松戸駅まで3200形や3000形が顔を出すことになり、松戸線にとって画期的な変貌です。
松戸線、千葉線への今後に夢や期待を描きます。
京成本線の車両が松戸線へ乗り入れるか?
京成車両の松戸線乗り入れを期待したいとは思いますが、さて実際にそうなるのだろうかというと、筆者はひねくれ者ゆえ、はたしてどうだろうかと感じます。
これまでも何回か拙ブログで触れてきましたが、筆者の考え方は以下のとおりです。
過去内容と一部重複の点はご了承ください。
〇 3200形新製投入は、京成線全体から見て、3500形置き換えが最優先であること。
〇 3500形に続き、3400形・3600形の置き換えも控えていること。
〇 老朽化した松戸線8800形を3200形新製車で置き換えるにあたって、3200形は松戸線用に新製した意味合いではなく、京成本線用の位置づけであること。
〇 現在の松戸線車両の千葉線「片」乗り入れに加えて、京成本線用3200形等も千葉線を通して松戸線に直通することもあるという趣旨で、「互いの車両が乗り入れる」表現になったと思われること。
〇 京成編成が松戸線に乗り入れるとすれば、3000形と思われること。
京成本線は走らない8800形と、千葉線さえも乗り入れない8900形・80000形を抱える松戸線車両の実情
筆者は京成本線車両の松戸線乗り入れ、互いに乗り入れること自体があまり期待できないと思っています。
松戸線にはリニューアルした8800形が9編成(8802・8803・8806・8807・8810・8812・8813・8814・8816)あり、まだ当面走り続けると見込まれます。
8800形は京成本線走行は対象外の形式であり、また8806・8809の2編成は千葉線乗り入れ自体が非対応です。
8900形、全3編成は千葉線乗り入れさえもできない、松戸線専用運用の形式です。
最新の80000形、全5編成は千葉線乗り入れをしようと思えばできる機能を持ちながら、当初から千葉線乗り入れ非対応のままです。
こうした反面、日中以降の京成松戸線のみを走る運用に必要な編成数は6編成にとどまります。
松戸線しか走れない編成が全26編成中、計10編成ありながら、日中は6編成のみの運用のため、京成松戸線しか走行できない10編成は運用を持て余し気味です。
これは千葉線乗り入れ対応の残16編成が、松戸線のみの運用にも入れるためです。
その結果、日々元気に活躍するN800形に比べ、最新80000形にくぬぎ山車庫での仮眠が多いのは非効率な話です。
その非効率な松戸線専用編成が多い中で、松戸線に3200形や3000形が入ってくる場合、松戸線での日中増発があれば別ですが、8900形・80000形は一層余剰の結果を招くことになります。
京成仕様のN800形・80000形が京成本線でも活躍ということになれば、話は別です。
N800・80000形は京成本線でも活躍し、3200・3000形は松戸線乗り入れという夢がかなうか?
仮に、3200形6両編成が松戸線に入ってきたとすれば明るいニュースになります。
3000形であっても京成本線車両が松戸に来るという意味では、同じく嬉しい話です。
仮に3200形が松戸線に入る場合、新鎌ヶ谷で交差する東武野田線(アーバンパークライン)と交差しますが、野田線では全編成での1両減車で動き出している中、松戸線も今後ずっと6両固定編成という保証はないよという暗示かと考えるのは、あまりに悲観的な見方でしょうか。
暗い面ばかり考えずに、N800形・80000形が京成本線でも活躍し、3200形が松戸に来るかもしれないと明るく受けとめるのも時には必要かなと自己葛藤しつつ、今後の状況を見守りたいと思います。
(※ 筆記にあたり、朝日新聞、2025年3月30日付け「新京成電鉄、78年の歴史に幕 4月から『京成松戸線』に」の記事を一部引用及び参考にさせていただきました。)