(車両の写真は東津山駅にて2022年撮影)
今回の【駅】シリーズは、
岡山県北東部、美作地方の代表都市である津山市の、西寄り郊外の住宅地に位置する姫新線の駅ですが、列車本数が少なくて利便性が悪く、さらに車社会が浸透しているため乗降客が少なく、近くにはそれを象徴するようにロードサイド型の商業施設である「ウエストランド」がある駅、
院庄駅 (いんのしょうえき。Innosho Station) です。
駅名
院庄駅 (駅番号なし)
所在地
岡山県津山市
乗車可能路線
JR西日本:姫新線
隣の駅
姫路方……津山駅
新見方……美作千代駅
訪問・撮影時
2023年8月
駅概要
駅形態……………地平駅(1923年開業)。
駅舎………………開業当初からの古い木造駅舎を減築して使用。待合室機能のみ。
出入口……………北側のみ。南からは約280m東or約300m西の踏切を渡って北側へ。
バリアフリー……×(出入口~ホーム間は段差なしも、
車両(キハ120形)がステップ付きで非対応)。
点字ブロック……未設置。
駅前広場…………○(小さなロータリー有。バス停留所併設、タクシー乗り場無し)。
院庄駅は、駅の北側を東西に延びる国道179号線から230mほど南下した住宅地の中にあります。
小さな駅前広場があり、ロータリーが設けられています。
木造駅舎が現存しています。以前の駅舎はもっと横長でしたが、無人化後に左側の駅事務室や窓口が撤去され、小さくなりました。
南方向を望む。
駅前です。上写真は北を、下写真は東を望む。
周辺は古くからの住宅地が広がっています。
駅から見える範囲に商店はほとんどありませんが、約230m北を姫新線と並行する形で東西方向に延びている国道179号線沿いにはロードサイド店舗が多く、今では津山市の商業の中心地の一つになっています。ロードサイド店が多いのは、駅よりも駅の約950m西北西に中国自動車道の院庄インターチェンジの存在が影響していると思われます。
一方、駅裏の南側は民家が少なく、工場や田畑が見られます。直線距離で駅から約300m南を吉井川が西から東へ流れています。
駅から約200m北東の国道179号沿いには、商業施設「ウエストランド」があります。
核店舗はスーパーの「マルイ」で、ドラッグストア「ザグザグ」、100円ショップ「ダイソー」、中華「大阪王将」なども入居しています。大型の平面駐車場を有していて、車での買い物が便利ですが、院庄駅からも近いので、列車での訪問も可能です。
尚、「ウエストランド」と聞いてピンと来た方もいると思いますが、そうですw M-1チャンピオンのお笑いコンビ「ウエストランド」のコンビ名の由来がこの「ウエストランド」です。
駅舎内です。上写真は南を、下写真は西を望む。
国鉄時代の1985年に無人化されていて、現在の駅舎は待合室として機能しています。
駅員配置………なし(無人駅)。
自動改札機……なし(そのまま列車に乗車して、整理券を受け取って下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。
もしICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
幅広通路………○(中央の改札ラッチは撤去されています)。
窓口……………なし(駅舎減築の際に撤去されました)。
自動券売機……なし(きっぷ不所持の場合は車内で整理券を取り、下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………あり(ホーム姫路方にあります。多機能トイレ無し)。
その他設備……待合室(ベンチ有・空調なし)。
その他設備……きっぷ回収箱。
売店……………なし。
コンビニ………なし(最寄店舗は約800m西「セブン-イレブン」)。
向かって右側に扉がありますが、扉の奥は倉庫として使われているのでしょうか?
ちなみに撤去されたのは建物の左側で、窓口は左側にあったと思われます。
そして駅舎を通り抜けるとホームです。
ホームより駅舎を望む。
冬は冷え込むため、駅舎の駅外側出入口、ホーム側出入口とも扉が設けられています。
建植式駅名標です。非電照式ですが、反射材が使用されています。
JR西日本の標準デザインで、地方路線サイズです。
姫新線に駅ナンバリングは導入されていません。
また、下部はJR西日本のラインカラーである青色で、姫新線のラインカラーである朱色ではありません。兵庫県区間や、津山付近では津山線がラインカラー仕様の駅名標に変更されているのですが…。まぁ姫新線の岡山県内区間は輸送量が少ないですし、将来が心配です…。
こちらは駅舎側壁に設置されている駅名標です。非電照式です。
書体は建植式と同じです。
ちなみに、駅名・地名の「院庄」は由緒ありそうな名前ですが、ググってみると、
『「院庄」という地名の語源は「院の庄園」というところから来ているといわれています。 その「院」と呼ばれる人物は、後鳥羽院であるというのが定説です。 一方、近年の研究で、後白河院説も出てきています。 いずれにしても、その起源は平安時代末期ということになり、この地が古くから開けていたことの証です』
との事です。
駅構造……地平駅(東北東~西南西方向)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
のりば番号は設定されておらず、下り中国勝山・新見方面、上り津山・姫路方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違えないよう注意が必要です。
ホーム有効長……4両分。キハ120形は5両分。推測です。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭いです。
上屋(屋根)………駅舎に庇がありますが、線路際まで届いていません。
ホーム上設備……ベンチ(庇の下にあります)、トイレ(姫路方)。
ホームは線路側のみ嵩上げされていて、駅舎側とは高低差が生じていますが、特に柵なども無いため、転んだりしないよう注意が必要です。
写真は全て姫路方を望む。
新見方を望む。
手前にトイレが、奥に駅舎があります。
上写真左側には相対式ホームの南側ホーム跡が確認できます。
姫新線は交換設備が撤去された駅が多いです。そのため列車の増発が難しく、利便性の向上を妨げる形になっています。
ホーム姫路方にはトイレが設置されています。多機能トイレはありません。
男女別で、水洗式だったと記憶しています。
昨今は無人駅でのトイレ撤去が進んでいるため、今もあるかどうかは分かりませんが…。
姫路方を望む。
姫路方を望む。
南側ホーム跡がさらに先まで延びています。
また、線路は前方で不自然なカーブを描いていますが、交換可能駅時代の両開き分岐器が存在した名残です。
この先、郊外の住宅地の中を東北東~東へ走り、やがて大きく右へカーブして、今度は左へカーブしながら吉井川を渡ります。その後は郊外を東へ走りますが、やがて右へカーブして進路を東南東に変えると津山線が右から寄り添い、単線並列で走ります。そして左へカーブして進路を東に変え、右手に扇形庫(津山まなびの鉄道館)を見ながら市街地に入ると、津山駅へと至ります。姫新線の姫路方面、津山線、因美線は乗換です。
新見方を望む。
こちらも前方で両渡り分岐器の名残のカーブが見られます。
この先、沿線に田園が目立ってきて、のどかな風景の中を西南西へ走ります。その後は吉井川を渡ると右へカーブして田園風景の中を西へ走り、さらに右へカーブすると右側に中国自動車道が接近した状態で西北西へ走ると、左手に集落が現れて美作千代駅(みまさかせんだいえき)へと至ります。
あとがき
下車(乗車)時・・・ありません(自動車で訪問しました)。
単式ホーム1面1線の棒線駅ですが、かつては相対式ホーム2面2線でした。北側に減築された木造駅舎があります。駅前は郊外の住宅地で、駅北側を姫新線と並行する国道179号線沿いにはロードサイド店舗が林立しています。結果、空洞化した中心市街地より買い物が便利な地域になっていて、これらの店舗へ買い物に行く際に院庄駅は使えます。しかし、姫新線の本数が少ないのは痛すぎます…。
鉄路のみで(ルートは一例です)
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
東海道・山陽新幹線(岡山)津山線(津山)姫新線新見方面。
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
山陽新幹線(岡山)津山線(津山)姫新線新見方面。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (最寄店舗は約800m西「セブン-イレブン」)
飲食チェーン店・・・あり (大阪王将、マクドナルド、ガスト)
特に東京からの到達難易度が高いですが、姫新線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は院庄駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:さいきの駅舎訪問、れとろ駅舎、地理院地図、Google地図、Wikipedia)