いささか古い話になるかと思いますが、大井川鐵道が、電気機関車E34の塗装を変更すると聞いた時には、「勘弁してくれよ、お願いだから変な色には塗らないでくれ」と思ったものでした。
この機関車、元西武鉄道のE31形の一員ですから、小生としても愛着ひとしおでして、ついつい「嫁に出した娘を心配する父親」みたいになってしまいます。しかしまあ、現在の所有者は大井川鐵道なわけで、それこそ、「煮て食おうが焼いて食おうが」勝手なんですけどね。
で、実物は国鉄のEF65Pを思わせる塗装で出場してきました。これが意外と似合うのです。こうなると、当初の懸念はどこへやら、すっかりこのE34改めED314(何だか伊那電出身の買収電機みたいなナンバーですが)のファンになってしまったのでした。
ちなみにこちらが旧伊那電のED31です。
改めましてこのED314を眺めてみますと、昔の16番ゲージによくあった、入門者向けの「電関」みたいです。入門者(多くは小学生)には本線物のスケールモデルは、価格、大きさ両面から少々無理があるということで、実物を短縮した「EB66」「ED58」といったフリーランスの電機が製品化されていたものです。読者の皆様の中にも、こうした模型で遊んだ方はいらっしゃるものと思います。
思えば西武のE31形という機関車自体が、F級機であるE851形の「ショーティー」みたいでしたね。(丸窓だけは再現せず、四角い窓にしていましたが)そしてこの2形式の前面は国鉄機によく似ていますので、国鉄風塗装には何の違和感もありません。(変な塗装にならなくてよかった)
こうなると、ED314の模型が欲しくなってきますね。西武E31形のNゲージ製品といえば、ワールド工芸とマイクロエースから製品化されています。ワールド工芸の方はもはや如何ともし難いですが、マイクロエースからは、お得意の「バリ展」の一環で発売になりそうな気がします。晴れて製品化された暁には、当鉄道でも購入することになりそうです。
ED314、実物はSL列車の補機や、各種イベント列車に使用されるものと思われますが、模型の世界では何を牽かせましょうか?かつての16番であれば客車にも「ショーティー」がいましたが、Nゲージでは、そういう訳にもいきません。いっそ20系ブルートレインから、マニ20+ナロ20+ナハ20+ナハフ20の4輛をチョイスして走らせるというのも一興でしょう。
本の表紙も飾った大井川鐡道のE31形。西武時代にはなかった客車牽引も板についています。