2025年4月2日、東京メトロ08系が試運転を実施し、私が把握しているだけでも2箇所の駅で撮り鉄が暴走した。
1本目は、東京メトロ半蔵門線の永田町駅だ。ホーム中ほどのカーブを曲がる様子を撮影しようとした撮り鉄が、ホームドアから身を乗り出し、駅員が慌てて引っ張っている様子が確認できる。動画撮影者の立ち位置にも駅員がおり、こちらは危険行為はなかったようだが、永田町駅は過去にも撮り鉄によって荒らされており、そのせいか駅員による撮影妨害が発生したようだ。
2本目は、東急田園都市線の宮崎台駅だ。この動画は撮影者もホームドアから乗り出しているため、再生しない方が良い。再生数を与えてしまえば、またどこかで同じようなことをやるのは目に見えている。宮崎台駅では、数十人規模の撮り鉄がホームドアから身を乗り出しており、非常警笛が10秒以上鳴動した。
何故撮り鉄は、そこまでして試運転を撮りたいのか。それは、試運転が希少性の高い列車であり、その撮影に成功して産物をSNSにアップすると、たくさんの反響をもらえる。また、写真を販売すると売れる確率が上がるのだ。
では、どうすれば試運転に命を懸けている撮り鉄"だけ"を駆除できるのだろうか。それは、試運転を回送等の表示にして走らせることだ。回送表示は珍しいようで珍しくない。鉄道は朝夕のラッシュ時間帯に本数が多く、早朝・日中・深夜は車庫で眠っている車両が多い。本数が変わるタイミングで必ず回送列車は発生しているし、初電と終電が入出庫する際ももちろん回送列車だ。試運転を回送表示にするだけで、随分と撮り鉄の暴走は抑えられているように見える。この取り組みを最初に始めたのは小田急電鉄であり、都営地下鉄や相模鉄道もこれに追随している。本日のトラブルを見た感じ、東京メトロと東急はまだ追随できていないようだ。回送表示を持っていない車両なんてないのだから、次回の試運転からは必ず回送表示にして頂きたい。
こういった珍しい列車にだけ群がり、鉄道会社と一般人の双方に迷惑をかけるような撮り鉄は、撮り鉄目線でも非常に邪魔な存在である。ちなみに撮り鉄である私はどうなのかというと、鉄道員に危険と判定されたことは勿論なく、茨城県のとある駅の駅員さんから模範的であるという有り難いお声を頂いたことがある。私からその鉄道も含めた全ての鉄道を裏切ることは絶対にないが、他の撮り鉄によって荒らされたくはないと思っている。だから私は、撮り鉄の不祥事が発生するたびに、ブログを通して問題提起をしているのだ。
本日はまだ春休みシーズンだ。長期休み期間は、まだ諸々が成熟していない学生が集まるため、特に注意が必要だ。
鐘ヶ淵駅を通過する08系。この通過線を通るために、優等種別は大きく減速することを強いられている。通過列車が大きく減速している駅は他に京成の市川真間駅がある。市川真間駅には、上り列車の方が通過速度が遅いという面白い特徴がある。