岡山電気軌道 (岡電) は、岡山市内の路面電車です。「岡山電気軌道」と言った場合には、正確には路面電車事業と路線バス・観光バス事業を運営する会社なのですが、今回は路面電車についての記事です。
岡電には東山線と清輝橋線の2路線があり、東山線は岡山駅前電停―東山電停間の3.1 km、清輝橋線は柳川電停―清輝橋電停間の 1.6 km ですが、清輝橋線の電車は岡山駅前電停まで直通しています。両路線合わせても路線長は4.7 km しかなく、日本で最小規模の路面電車となっています。岡山市は人口70万人超の政令指定都市なのですが、地下鉄やモノレール等のほかの軌道交通がなく、路面電車が公共交通の中核を担っている都市としては、路線長4.7 km の路面電車はかなりコンパクトな規模といえます。
(岡山市内では路線バスも盛んに運行されています)
一方で、東山線の運転頻度はおおむね5-10分間隔、清輝橋線は15分間隔であり、それなりの本数があります。特に、両系統が直通する岡山駅前電停―柳川電停間の運行頻度はかなりのものです。また、岡山駅前電停からJR岡山駅への乗り入れ事業が計画されており、2026年度中の完成を目指して工事が進んでいます。岡山駅前電停とJR岡山駅は大通りを挟んで少し離れているのですが、これが実現すれば、JRと岡電との乗り換えがスムーズになり、岡山市街の回遊性が高まりそうですね。
(岡電の工事に伴って地下街も一部休業しています)
・1日乗車券で岡電を乗り回す
岡電の東山線と清輝橋線はいずれも岡山駅前電停から発着しています。岡山駅から見て奥側が降車場、手前側が乗り場になっています。JRの岡山駅と岡山駅前電停は、岡山駅の駅前広場と大通りで隔てられていますが、岡電が岡山駅前広場まで乗り入れられるように現在工事中です。
岡山駅前電停から振り返るとJR岡山駅の新幹線ホームが見えました。この景色は、ほかの大都市ではなかなか見られない珍しいものです。通常は、新幹線ホームは市街地と反対側に設置されます。これは、新幹線は市街地が形成された後に作られたので、市街地側には用地を確保することができなかったためです。ところが、岡山駅の場合は岡電の側 (=路面電車の走る市街地の側) に新幹線ホームがあります。調べてみると、新幹線ホームの場所は元々は旧駅舎があったようです。
(清輝橋線系統の便が来ました)
まずは、清輝橋線に乗って、本日の宿に荷物を置きに行きます。発車を待つ電車の中で、1日乗車券を買いました。「推しが武道館いってくれたら死ぬ」という漫画とコラボしているようで、券面デザインが期間限定バージョンになっていました。確かに漫画に描かれている路面電車は岡電のようです。
(登場人物が岡電らしき電車に乗っています)
清輝橋線は柳川電停を過ぎると東山線から分岐して、90度右にカーブします。前述のように、清輝橋線は正確には柳川電停からですが、全列車が岡山駅前電停まで乗り入れています。しかしながら、平日昼間の利用率は高く内容で、私が降りる頃には、私以外は誰も乗っていませんでした…。
(ガラガラの岡電…)
気を取り直して、宿に荷物を置いた後は再び岡電に乗車します。一度岡山駅前電停まで戻って、今度は東山線に乗り換えます。1日乗車券を買っておくと、このような動きもスムーズなので観光の際にはお勧めです。城下 (しろした) 電停で降りて、岡山城下を散策してみます。
(一度岡山駅前電停まで出て仕切り直し)