冬の玄界沿岸鉄路紀行 1
令和7年2月後半の早朝5時40分、西日本鉄道貝塚線の終点駅、西鉄新宮駅までやってきました
まだ周囲は真っ暗です。
今日は強い寒波が来ており、寒いです。
今日はここから「冬の玄界沿岸鉄路紀行」と称して、北風が吹く玄界灘沿いに鉄道で佐世保まで進んでいきたいと思います
まだ早朝のこの時間、駅員は不在です。
無人の駅舎を通り抜けてホームに向かいます
今日は「旅名人の九州満喫きっぷ」を所持しています
「旅名人の九州満喫きっぷ」は九州の全鉄道線(JR九州・私鉄・第三セクター・公営鉄道)の普通・快速列車に乗れるフリー乗車券です。JRの特急列車には乗れません(西鉄の無料特急・急行は乗車可)。
料金は11000円(令和7年2月の乗車時)
3日分利用でき、有効期間は3か月間。3日間連続で使う必要なく、3か月間の間に3回利用すればよいことになっています。
青春18きっぷが令和6年冬季分より、3日・5日の連続使用が条件となって非常に使いにくく改悪されました。
この「旅名人の九州満喫きっぷ」も同様の改悪がされるのか、それとも廃止されるのか・・・と心配でしたが、
「旅名人の九州満喫きっぷ」は4月以降も1000円の値上げと長崎電気軌道が対象から外れただけで、ほぼ現状通り発売されることとなりホッとしています。
西鉄新宮駅は「猫の島」として知られる相島への最寄り駅です。
相島への渡船が出る新宮港までは、渡船の時刻に合わせてバスが連絡しています
ホームには二本の電車が停まっています
ドアが開いているほうの電車に乗り込みます
きれいに整備されていますが、車内はおもいっきり昭和の電車です
西鉄600形電車、昭和37年から製造され大牟田線を走っていた電車です。かつては大牟田線の主力車両で特急・急行としても活躍していましたが、現在は貝塚線で余生を送っています。
ただし軌間が違うので(大牟田線は1045ミリの標準軌、貝塚線は1067ミリの狭軌)、台車は履き替えています
半世紀以上走ってきた600形も近く退役し、大牟田線から7050形車両が転籍することになっているそうです
5時50分、西鉄新宮駅を発車します
電車は暗い中を走っていきます
貝塚線は海岸沿いを走っているように見えますが、車窓からはほとんど海は見えません
和白駅に着く手前、高架橋でJR香椎線をまたぐあたりでわずかに博多湾を見ることができます
しかしまだ真っ暗です。人口島アイランドシティの明かりが見えています
元々西鉄貝塚線とJR香椎線は同じ会社の路線で、博多湾鉄道が開通させました。両線は昭和17年、戦時統合により西日本鉄道の路線となりましたが、昭和19年になり香椎線のほうは重要な運炭路線という事で国有化(戦時買収)されています。
かつては兄弟だった貝塚線と香椎線ですが、今は線路はつながておらず駅も別々で、まったく他人のような存在となっています
やがて高架線に入り、
西鉄香椎を出ると、JR鹿児島本線との乗り換え駅である千早に到着します
かつては名香野駅と称していましたが、国鉄香椎操車場跡地の再開発に伴いJRに千早駅が新設され、旧名香野駅は千早駅と統合されました
名島を過ぎると、多々良川の広い河口部を古めかしい石造りのアーチ橋で渡っていき、
終点の貝塚、6時12分着
貝塚駅には駅員がいました
「旅名人の九州満喫きっぷ」にスタンプを押してもらってから、
西鉄と地下鉄は頭を突き合わせたような構造になっており、同一平面上で乗り換えできる構造となっています
元々、福岡市営地下鉄箱崎線は西鉄貝塚線と直通運転する予定で建設されており、地下鉄の線路は西鉄貝塚駅の方まで伸びて来ています
しかし種々の問題により直通運転は現在まで実現しておりません
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