豊橋ターミナルは飯田線がかつて私鉄であったことを物語っているのか、飯田線乗場は頭端式のホーム構造であった。画面右側の駅本屋側からホームを見ると、タイプの異なる電車が並んでいた。1番線は半流顔の、2番線は切妻でさしずめクハ68とクハ47であろうか。
半流顔はクモハ54にも見えるが、標識灯のような丸形の物(これは通風器らしい)、前面窓上の通風器と運行窓を備えていることからクハ68で的を絞る。昭和50(1975)年3月時点の配置表でクハ68は豊橋7、中部天竜4、伊那松島10が配置されていた。書籍やWeb上に掲載された写真と照らし合せた結果、前面の特ちょうからクハ68406〔静ママ〕ではないかと思われる。
切妻顔はクハ47で合っているだろうか。同上の配置表でクハ47は豊橋1、中部天竜1、伊那松島12が配置されていた。前歴や分類は不明のまま、いろんなパターンがある中で完全切妻、客車のようなキャンバス押えが付いているのはクハ47011とクハ47 150番台があった。前燈灯が屋根上にあるのはクハ47011だけで、運転席横の屋根上に登るステップが付いていることからも、クハ47011〔静ママ〕ではないかと思っている。
上の位置と反対側、駅本屋は画面左側で船町方からホーム頭端部を見る。1番線の流電は広幅窓で行先サボ受となりの列車種別表示サボ受が備えられている事、屋根はおでこが狭い張上げ屋根では無い普通の屋根なのでクモハ52005〔静トヨ〕と思われる。
2番線は何といっても幌枠下部の幌受のようなR付板が特ちょうで、運転席窓上の通風器が埋められている事、運転席の反対側窓が2段窓という事からクハ68414〔静ママ〕であろう。
豊橋 S51(1976)/3/26