これはまた意外な着想のデザイン | あさかぜ1号 博多行
2025-03-28 08:05:21

これはまた意外な着想のデザイン

テーマ:鉄道ニュース

東上線と東京メトロ有楽町・副都心線、さらに東急東横線との相互直通運転に長年活躍してきた9000系電車を置き換える新型車両の製造を昨年発表していた東武鉄道ですが、一昨日(3月26日)にその新型車両を2026年から導入することと車両の概要を発表しました。
新型車両の形式は90000系で、野田線(アーバンパークライン)で営業運転が開始された80000系に続き、2形式続けて新型車両がその主な置き換え対象形式とよく似た形式を名乗るという面白い状況になります。製造量数は7編成70両で、同数の9000系(9002F~9008F)が置き換えられることになります。
90000系のデザインコンセプトは「地域と人と未来をつなぐ わたし舟」とのこと。
私は正直、ネットニュースでこのことを初めて見た時には東上線と渡し舟の関連が全く思いつきませんでしたが、これは東上線の沿線地域を流れる荒川やその支流の新河岸川で江戸時代から昭和初期まで盛んにおこなわれていた舟運に着想を得て、東上線を現代の舟運になぞらえて生まれたものだそうです。
その「舟運」のイメージは90000系の車体デザインにも表れており、前面形状は「高瀬舟」に着想を得たという上部が出っ張り車体下部に向かって後方へと傾斜する「逆スラントノーズ」形となるとのこと(。東武鉄道からのプレスリリースやネット記事には同形式の完成予想イメージ図が添えられていると思われますが、私はそれを見ることができないので正確な表現ではないかもしれません)
これまで、車体上部から下部に向かって前向きに傾斜のついた「スラントノーズ」型の正面形状を持つ車両は国鉄キハ183系気動車のキハ183形0番台などいろいろありましたが、その逆の形状の車両はかなり珍しいと思われます。
その他にも側面ドアの窓が床方向に大きく拡大され、車両間の貫通ドアの脇や座席の袖仕切り板がガラス化されることと合わせて開放的な客室空間になるとのこと。窓が拡大される側面ドアは、路線バス車両の前方ドアに似たイメージになるんでしょうか。(バスのドアは引き戸ではなく折り戸だけど)
車内も「舟運」をイメージして袖仕切り部には立涌柄、床には枯山水をイメージした柄が採用されるそうで、こちらは「舟運」もさることながら「小江戸 川越」も意識したデザインなのかもしれません。
90000系は来年から導入が始まるそうで、東上線内はもちろん、多くの社局の多彩な車両たちが行き交う東急線内でもかなり目立つ存在になることでしょう。
そして、今後90000系に置き換えられていく9000系にも、機会があれば引退前に乗りに行きたいと思っています。
また、鉄道車両の形式や車両番号、列車の編成にかなり興味のある「車両番号鉄」(勝手に名付けたネーミングですが)の私としては、90000系の次に東武に登場する新形式の通勤用車両がどんな形式を名乗るのかも注目です。
90000系の次ということでシンプルにおそらく私鉄史上初と思われる6桁の車両形式である100000系を名乗ることになるのか、それとも東武では空きの多くなった4桁に戻って1000系あたりになるのか、今からちょっと楽しみです。

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