鉄道ジャーナル 1997年3月号(No.365)のRAILWAY TOPICS から、シュプール号に関する記事をみかけました。
私も過去にシュプール号をシリーズで取り上げておりましたので、その補完も兼ねて、RJ誌の引用をさせていただきました。
昨年(1996年)12月6日長野県小谷村姫川支流の蒲原沢で発生した土石流災害により、松本と糸魚川とを結ぶ国道148号線の一部で許可車を除く通行規制がかけられた。
このため、糸魚川着発となるJR西日本のシュプール号 シュプール白馬・栂池 に接続して大糸線沿線(大糸線は南小谷一小滝間が不通)のスキー場まで走るシュプールバスが運行不能となり、列車・バスとも(1996年)12月31日(始発駅基準)まで運転休止の措置がとられた。
運休になった列車は、往路が神戸発21時08分→糸魚川着5時31分のシュプール白馬・栂池11号と、姫路発21時40分→糸魚川着6時の13号、復路が糸魚川発20時40分→姫路着6時10分の12号。
国道148号線の通行規制は(1996年)12月17日に解除され、(1997年)1月1日発の13号・12号から列車接続バスとも通常どおりの運転を再開している。
糸魚川接続となるJR西日本の、この"シュプールルート”は、大糸線が不通のため最寄りスキー場まで列車によるアクセスができない現在、関西方面からのスキーヤーに人気を博している。
※なお、引用にあたっては、読みやすいように改行位置を調整し、「昨年」等当時を前提に書かれている箇所については、適宜西暦を追記しました。
今回の記事は、大糸線の不通ではなく、並行する国道の土石流障害の影響で、糸魚川止まりの列車が運休したという点です。シュプール白馬・栂池号は京阪神から大糸線の北側からアプローチして、南小谷、白馬に向かう臨時列車でしたが、それがある理由で糸魚川止まりを強いられています。その背景を理解するために、大糸線で発生した災害による不通の歴史をWikipediaを参考にまとめました。
1995年(平成7年)
7月11日 信濃大町〜根知間が集中豪雨(7.11水害)により不通。←ここが起点
7月16日 信濃大町〜白馬間が復旧
8月1日 白馬〜南小谷間が復旧
9月1日 小滝〜根知間が復旧
※この時点で従来ルートでの運行は断念、1995〜1996年シーズンのシュプール白馬・栂池号は糸魚川止まりで運行
1996年(平成8年)
1月6日 南小谷〜小滝間の復旧工事に着手 ←この時点ではまだJR西日本区間は不通
1月16日:国道148号の復旧に伴い、不通区間においてバス代行輸送が開始
そのため、1996〜97年シーズンのシュプール白馬・栂池号は本数を絞って糸魚川止まりで運転。その上で、記事の通り1996年12月6日に国道148号線の道路障害が発生し、シュプールバスの運行もままならなくなった結果、やむなく運休になったという経緯となります。
なお、その後大糸線の全通は、1997年(平成9年)11月29日となり、1997〜98年シーズンからシュプール白馬・栂池号の白馬・南小谷発着が再開されています。
本日は以上です。
参考資料 鉄道ジャーナル 1997年3月号(No.365)
参考ページ:大糸線(Wikipedia)