西肥自動車(西肥バス)では、後述のように3月31日をもちまして路線・系統廃止となる区間が見られておりまして、その路線数は15路線・系統に及んでおります。
今回の廃止の要因は、利用者減に加えまして乗務員不足もその要因ともされておりまして、昨年より労働時間の改善(2024年問題)が図られている事もありまして、さらにそれに乗った形となっているようでもあります。
このうち、最も廃止距離が長い25・3キロにも及びます伊万里~松浦線に関しましては、廃止前の利用記録も以下の記事でもご紹介しましたが、並行します松浦鉄道(MR)西九州線の存在もありまして、平日8往復・土日祝日は4往復の本数となっておりまして、かつての伊万里~松浦~平戸間の優等路線が存在した名残も見られなくなっております。それだけ経営が苦しい中でも運行されてきたことをも伺わせる所ではなかったかとも思わせる所でもあります。
(記事)
この他にも、以下のように廃止となる路線・系統も見られております。中には利用人員が0名台の路線・系統も見られておりまして、それだけ利用者があっていない事をも伺わせる結果ともなっております。
(西肥バスHPより引用)
そして、今回廃止されます系統の中には、佐世保~川棚系統などもありまして、こうした路線も廃止なのかとも驚かされました。今回は、この系統に関しましてご紹介するとともに、こちらは引き続き運行されます「空港特急」で川棚バスセンターへ足を運んだ模様を皆様にご紹介してまいります。
今回廃止になります佐世保~川棚線は・・・
佐世保駅前バスセンター~早岐田子の浦~ハウステンボス駅~小串~川棚高校前~川棚バスセンター
となっておりまして、このうちの日陰~川棚バスセンター間が廃止となります。但し、ご紹介しておりますようにハウステンボス駅~川棚バスセンター間同じ区間を通ります長崎空港線「空港特急」は継続しますので、実質途中バス停が(西肥バスとして)廃止と言う事になります。
現在の運行本数は・・・
佐世保駅前バスセンター~川棚バスセンター間
佐世保駅前発 平日朝・夕~夜6本・土日祝日5本
川棚発 平日朝・夕3本(1本が佐世保市総合医療センター入口)・土日祝日朝のみ2本(1本が佐世保市総合医療センター入口)
重尾(東部営業所最寄り)~川棚バスセンター間
毎日重尾発 昼間4本
川棚発 昼間~夕平日5本・土日祝日6本
それぞれ運行されております。したがって、日中に佐世保駅から川棚へ普通便が行く事はできなくなっております。
(この時は夕方便を撮影)
こうして見ましても、途中の早岐地区より本数は比較的確保されてはいますが、それでも途中区間の利用者が主のようではありますので、正直川棚まででしたらどのくらいかと言う域である事が伺えるようではあります。やはり並行してJRの存在もありますのでわからなくはない所ではありますが・・・。
さて、今回は残念ながら普通便の利用はありませんでしたが、「空港特急」を利用しましては川棚バスセンターへ足を運んでおりましたので、ここからはご紹介します。
今回廃止後の代替にもなります「空港特急」は14往復、次の系統が存在しております。これらは新大村駅前も経由しますが、それとともに東そのぎインター~大村インター間は長崎自動車道も経由するようになっております。
AP1 佐々バスセンター→佐世保駅前バスセンター→(ハウステンボス通過)→新大村駅→長崎空港
AP2 佐々バスセンター→佐世保駅前バスセンター→ハウステンボス→新大村駅→長崎空港
A8 長崎空港→新大村駅→ハウステンボス→佐世保駅前バスセンター
R9 長崎空港→新大村駅→ハウステンボス→佐世保駅前バスセンター→佐々バスセンター
(新大村駅前バス停)
今回は、上の画像・後述の画像にもありますように、「鮮鼓堂」の辛子明太子ラッピングがまぶしいF699(三菱BKG-MS96JP)に乗車しておりました。この車は京浜急行バスからの移籍車でありまして、京浜急行バス時代も各地から羽田空港へのアクセスバスとして運行されていたものでもありました。
車内は画像の通りでありまして、4×12列シートとなっておりまして、約60名の乗車定員となっております。尚、Wi-Fiは導入されておりますが、コンセントやUSBポートと言った電源類は設けられておりません。
(佐世保駅前発車前撮影)
尚、同じ京浜急行バスからの移籍車は、同時導入の「ボートレース大村」のラッピングが施されておりますF698も存在しますが、恐らくは同じ装備ではあるようであります。
この他は、これまでもご紹介しておりますように、画像の三菱エアロバス(F581・KC-MS829P)も使用されております。かつては自社発注車の貸切からの転用車や、後に1台を除き中乗り改造されました西工58MCE型架装車が使用されておりました「空港特急」ではありますが、今は移籍車中心のハイデッカー車によって運行されている事もわかるのではないかと思います。
さて、「空港特急」はハウステンボスにやってまいりまして、ここで10名以上の乗客を乗せておりました。やはり今はインバウンド利用者も目立つハウステンボスですので、そこから長崎空港への足として運行されている事はやはり大きいのではないかとも思う所ではあります。
(ハウステンボス)~令和元年撮影
(ハウステンボス発車後)
こうして、約50分で川棚バスセンターにやってまいりました。それにしても、「鮮鼓堂」の全面明太子のラッピングは非常に目立っている事がわかるのではないでしょうか。
画像が、今回やってまいりました川棚バスセンターであります。私自身西九州新幹線車両でありますN700S新幹線電車が川棚港に搬入時以来約3年ぶりに川棚の地に訪れておりました。それにしても、バスセンターのつくりの古さが時代を感じさせられます・・・。
川棚バスセンターは、正面側に長崎空港・内海方面、左側に早岐・佐世保方面の乗場となっております。また、上の画像裏側の反対側には車庫が設けられておりまして、東部営業所の現地出退勤も見られております。
川棚バスセンター内です。先述の3方面が発着しておりまして、時間帯によっては多くの方も見られております(後述の内海行きが発車後のためガランとしています)。尚、この待合スペースの反対側にあります窓口は3月31日までの営業となっておりまして、今後は待合スペースのみの営業となっております。
川棚バスセンター掲示時刻表です。早岐・佐世保方面は先述のように佐世保駅方面・重尾方面計8本となっておりますし、記載されておりません「空港特急」を合わせると20本以上は運行されております。
(平日)
(土日祝日)
一方、内海方面も平日14本・土日祝日11本が運行されております。ちなみに、時刻表からは平日は特に多く見られる時間帯も見られておりますが、これは川棚高校発と川棚バスセンター発の分を分けておりまして、そう言った事から本数が多く見られているように見えております。
(平日)
(土日祝日)
それにしても、時刻表からは廃止になると言う印象は感じさせられません。しかし、上の画像のように廃止と記されている事はやはり残念と言えましょうか。尚、この系統に関しましては、4月からは川棚町・波佐見町との町営バスとして「かわたな・はさみタウンバス」として運行される事になっておりまして、「自家用有償旅客輸送」と言う形で運行されるようになっております。
さて、画像の西工架装・元高槻市交通部のいすゞエルガ(Z960・PJ-LV234L1)による内海行きが川棚バスセンターを発って行きました。この時は10名近い乗客が見られておりまして、しかも大型バスでの運行でもありますので、比較的需要はあるのではないかと思う所ではあります。それでも廃止にしないといけない訳ですので、それだけ乗務員不足の影響はやむ無しかなと思う所ではあります。
今回は、西肥バスで廃止が予定されております佐世保~川棚線、廃止後代替機関の「空港特急」で佐世保~川棚間乗車、そして川棚バスセンター訪問などをご紹介しましたが、ご紹介しましたように川棚地区の路線バスは本数がある中、学生さんを中心に需要も見られている中で廃止となりますので、それだけ西肥バス側の乗務員不足は否めない所ではありましょうか。今後は廃止とともに残念ながら営業終了となります川棚バスセンターの窓口と言った事がありますが、最後にご紹介しました川棚~内海間に関しましては廃止後も代替機関によりまして運行される事が決まっておりますので、引き続きの利用を望みたい所ではあります。