25/3/26 宇部線全線開業100周年にあたり | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

 

地域の皆様に愛され続けて100周年

明日,2025/3/26で,宇部線は全線開業100周年を迎えます.現在でも15万人の人口を誇る山口県屈指の規模を持つ都市の人々の生活や,現在は行われていませんが石炭・石灰石などを輸送し続け,大きな災害で長期間運休になることもなく,無事に100周年を迎えられたことは本当におめでたいことです.利用も安定しており,現在のJR西日本の輸送体制見直しの基準を超える利用がありJR西日本線の廃止候補にはなっておらず,一時期検討されていた「BRT化」も白紙になっており,当面は電気鉄道として地域の生活を支えていくことが予想されます.

 

沿線の駅の一つ,山口市の阿知須駅です.徒歩圏に山口市役所支所・病院2軒,そして「サンパークカリーノあじす」があり,駅員が委託で配置されている拠点の駅になっています.

また,「きらら浜」の最寄駅でもあり,2001年の「山口きらら博」,そして毎年夏に開催されている「WILD BUNCH FEST.」では大変多くの賑わいがあります.

「きらら浜」でこのようなイベントがある際には,駐車場もすぐに満車となり大変な混雑となります.宇部線においても臨時列車が設定されることがあるのですが,現在の状況ではなかなか難しいようです.この記事で現状を見ていきましょう.

こちらが阿知須駅の新山口方です.「きらら博」開催時は右側の下り線から新山口方に出発できるようになっていたのですが,いつしか信号機が撤去されてしまいました.

新山口駅の宇部線ホーム8番のりばの反対側は宇部線車両の留置線となっていますが,現在この線路から営業列車を直接出発させることはできないようです.なお,かつてはこちら側が8番のりばでした.

 

宇部線のイベント輸送といえば,「2024/5/22の『King & Prince』のイベントで大渋滞を引き起こし,新山口駅に帰宅困難者が集まった」というニュースが記憶に新しいです.当日は山陽自動車道宇部下関線が工事で通行止めであったこともありましたが,大量の自家用車に加え,山口県内はもちろん周辺地域から数多く動員されたバスも決まった路線しか走行できず交通が集中,都合5本の宇部線の臨時列車も運行されたものの全く捌ききれなかった事態になっていました.現在,宇部線の列車はほぼ全てが2両ワンマン運転ではありますが,工夫できればこのイベント輸送も可能ではないかと思います.そして,そのための費用は,新山口駅発着の乗車券・新幹線特急券で賄える可能性まであります.地方で3万人を集める大規模イベントを行うということはそういうことです.


「キンプリ花火」はZOZOマリンスタジアムでも行われていましたが,例えば「ミクニワールドスタジアム」など,より大きな都市で海に近いイベント会場はあったと思いますが,そのような中でもこの「きらら浜記念公園」が選ばれ,しかもメンバーの方が「来年(2025年)もできたら良いよね,恒例にしたいくらい感動的な,素敵な時間だった」と仰られたほど(*)のイベントでしたことは一県民として誇りに思います.このようなイベントを受けられる体制を整える動機が,この全通100周年を踏まえて高くなると良いです.

(*):

https://www.instagram.com/reel/C7RYgtXywEW/?igsh=cjlvNDYzd3A3MG5l

 

ただし,JRは他の私鉄と異なり,このような沿線の発展・利便性向上に関する取り込みは必ずしも企業の目的でも,ステークホルダーとの約束事でもありません.費用や人員・物資の確保も同じくらい重要的に考えることになりそうです.

周防佐山駅は元々交換駅であったような構造になっています.現在は自転車置き場や駅舎になっていますが,この辺りを大整備し,交換駅に復元するとかなり面白いことになるかもしれません.次の100年の宇部線の様子が楽しみです.
 

 

  「サロンカーなにわ」運転

以下の「サロンカーなにわ」団体臨時列車が告知されています.

  • 4/4 22:00〜4/5 10:00 大阪・東海道・山陽・下関 + 4/6 9:30〜4/7 10:15 下関・山陽・山口・山陰・福知山・東海道・大阪,基本料金1名1室110,000円,執筆時受付中
  • 4/18 22:00〜4/19 7:00 和歌山・新宮 + 4/20 9:45〜16:15 新宮・和歌山,基本料金1名1室90,000円,3/26 11:00発売開始