東海道新幹線に個室が形を変えてだが「復活」するというニュースに続き、グリーン車に「半個室」が導入されるという。
かつての100系個室は今まで子連れで周りに気兼ねなく乗りたいとか、芸能人や有名人が周囲の目を気にせず落ち着いて乗車したいというようなニーズが少数ながらも根強くあった。100系退役後もその潜在的なニーズは今までもあったはずなのになぜこんなに遅くなったのか。個室復活はいいことだけどそこは問題だと言って置きたい。多様なニーズへの対応を軽視してたとは言えるだろう。
東海道新幹線のグリーン車は国鉄時代から16両編成のうち2両だった。なぜなら当時は食堂車やビュフェが1両あったからだけど東海発足後に増備した100系G編成はそれを連結しない代わりにバブルの利用客急増の対策でグリーン車を1両増やして3両にして300系以降は個室がない座席グリーン車3両が定着した。
グリーン車から先に予約が埋まる異様な時代だったバブルにあわせて3両にしたがバブルが崩壊し、2階建て車両で個室もある100系の増備が終わって、300系以降のJR型車両は個室がない分画一的で家族向けのニーズに対応してなくてただ普通席より高いグリーン席が3両分があるという座席の供給過剰状態が長年続いたが、座席グリーン車3両はバブル後の時代に合わないし中途半端なのになぜ見直さなかったのか。
品川駅開業時のダイヤ改正の目玉として自由席導入をした「のぞみ」の指定席を近年また拡大しているが輸送力が大事ならグリーン2両、普通14両でもいいし、逆により多様で上質なサービスを提供したいなら個室まではいかなくても1両はJR九州の特急のようにDXグリーンのようなより高級な設備にするとか。
確かに今の東海道新幹線のグリーン車は3両ある分いつもガラガラで、そのために空席が多くて落ち着いた空間だということは確かに評価できるとは思う。山陽九州新幹線直通の8両編成や在来線特急のような0.5両分しかない普通席と合造車の半室グリーン席は窮屈でゆとりに欠けるので。
ただ、最繁忙期以外は座席グリーン車3両は供給過剰なのでなかなか埋まらないから。EXの早特商品やツアーズとかの旅行商品がいろいろあるのも高級イメージとは裏腹に安売りしないといけないと言う実情からだと思う。最近までグリーンポイントもあったから貯めれば安くグリーン車に乗れたし。
バブル期と違い座席グリーン車が1編成あたり3両もあっても、増収にもならず空気を運んでいるようなもの。飛行機の様にもっとシビアにシートコントロールするならグリーン車を減らし普通車を増やして座席定員を増やすか、グリーン車3両を維持しても座席を減らしてより高価な高級志向の設備にするだろう。個室やグランクラスとまではいかなくてもJR九州のDXグリーン席のような贅沢な座席に。
現代はコロナ感染拡大の影響でリモート技術が発達しビジネス需要が減ったが、そのぶん画一的な大量輸送一辺倒を改め多様さやプレミア感あるサービスをできるようにすべきと思ってたいので、グリーン座席を削ってでも半個室や個室を導入する決断は良いサービス改革だと大歓迎だ。