吉舎駅【広島県】(福塩線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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(車両の写真は備後矢野駅にて撮影)  
 
今回の【駅】シリーズは、
広島県三次市東寄り、旧・吉舎町の中心市街地北端部に位置する福塩線の主要駅で、広島県立日彰館高等学校への通学利用がある難読駅、
吉舎駅 (きさえき。Kisa Station) です。
 
   
駅名  
吉舎駅 (駅番号なし)    
  
所在地  
広島県三次市 (旧・双三郡吉舎町)  
  
乗車可能路線  
JR西日本:福塩線  
 
隣の駅    
福山方……備後安田駅  
塩町方……三良坂駅  
  
訪問・撮影時  
2022年5月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1933年開業)。
駅舎………………開業時以来の平屋建て木造駅舎が現役で使用されています。
出入口……………西側のみ。東からは約330m南のガードをくぐって西側へ。
車いす対応………×(駅外~駅舎内~1番のりばまでは段差がありませんが、
          跨線橋に階段があり、車両(キハ120形)もステップがあるため非対応)。
点字ブロック……未整備。
駅前広場…………△(駅舎手前にタクシー乗り場と一般車送迎可能スペース有。
          バス停留所は西約40mの崖下道路沿いにあり)。
 
 



吉舎駅は、旧・吉舎町の中心市街地北端部の高台にあります。
駅舎は1933年の開業時より使用されている木造平屋建てで、外壁にモルタルが使用されています。
屋根は瓦葺きではなくトタンになっています。
出入口に段差はありません(駅外側、ホーム側とも)。
冬場は冷え込むため、各出入口には扉が設置されています。
また、駅舎前にはやや広いスペースがあり、右手にタクシー乗り場があり、一般車は駐車こそ難しいものの、送迎が可能です。
バス停留所は写真左後方、階段を下ったところの道路沿いにあります。
そして、駅舎の右隣には公衆トイレ(車いす対応トイレのみ)があります。駅舎内を通らなくてもトイレ横を通ればホームヘ行くことができます。
写真は東方向を望む。
 
 

駅前です。南を望む。左手に駅舎があります。
駅は高台にあるため駅前道路は坂道になっています。
左手には中四字コミュニティセンターがあります。
駅周辺は集落が形成されていますが、田畑も見られます。商店は少ないです。
駅から南へ600mほど、馬洗川を渡った先に旧・吉舎町の中心市街地が広がっています。
市街地はさらに南にも延びていて、もう一度馬洗川を渡った先の南側まで続いています。
約750m南には広島県立日彰館高等学校があり、吉舎駅では通学生の利用が見られます。
約1.2km南には三次市役所の吉舎支所があります。
 
一方、駅裏の東側は住宅が少なく、すぐ近くまで山林が迫ってきています。
 
 

駅前です。西を望む。後方に駅舎があります。
左手の工場の縁を縫うように、奥の崖下に向けて細い階段があります。
階段を下ると、駅西側を南北方向に延びる石見銀山街道に出ます。
その街道に出る交差点の場所に、バス停留所があります。
駅西側は住宅と田畑が混在した農村地帯になっていて、馬洗川に沿って北へ広がっています。
駅のすぐ北側を尾道自動車道の高架橋が東西方向に通っていて、福塩線と馬洗川の谷をかなりの高度で一気に渡っています。
 
 

駅舎内の様子です。東を望む。
元は有人駅でしたが、1985年~2008年は簡易委託駅でした。現在は無人駅です。
  
駅員配置………なし(無人駅。2008年無人化)。
自動改札機……なし(そのまま列車に乗車して下さい)。
ICカード………利用不可(エリア外。
       もしICエリア内から乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
幅広通路………○(車いす通行可能な幅で、1番のりばまで段差なく移動可能。
          但し跨線橋が階段のみのため、バリアフリー非対応。
          点字ブロックは未設置です)。
窓口……………出札窓口がありましたが、閉鎖されています。
自動券売機……なし(きっぷ不所持で乗車の場合は車内で整理券を取り、
           下車駅で支払います)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい)。
トイレ…………あり(駅舎外に車いす対応トイレがあります)。
その他設備……待合室(ベンチ有・空調なし)。
売店……………なし(駅前約100m南に飲料自動販売機があります)。  
コンビニ………なし(最寄店舗は約1.2km北北西「セブン-イレブン」)。
 
そして駅舎を通り抜けると下り塩町・三次方面2番のりばに到達します。
2番のりばに出て左手には跨線橋があり、渡ると上り府中・福山方面1番のりばです。
跨線橋にはエレベーターが無いため、吉舎駅はバリアフリー非対応です。
それ以前に車両(キハ120形)が扉にステップがあるため、福塩線非電化区間自体がバリアフリー非対応です。
 
 


駅舎内です。
外観より内部の方がレトロ感溢れている印象です。
同規模の駅と比較してベンチが多いです。
また、手荷物窓口も残っています。
 
 

ホームより駅舎を望む。西を向いて撮影。
改札跡には集札箱がありません。
また、右側の駅事務室跡(未使用状態か?)の窓には「石見街道 吉舎」と書かれた暖簾が掛けられています。
吉舎は石見銀山街道の宿場町として発展した町で、中心市街地にはレトロな町並みが残っています。
 
 


ホームに設置の駅名標です。
上写真は建植式、下写真は壁掛式で、いずれも非電照式です。壁掛式は書体が異なります。
JR西日本の標準デザインで、下部は福塩線のラインカラーである紫色ではなく、現在も下部はJR西日本のコーポレートカラーである青色です。乗客が多い路線は駅名標にラインカラーが入ったものに変更されていますが、福塩線非電化区間は将来が不透明だから紫色に変更されないのでしょうか?
尚、福塩線は電化区間も含めて駅ナンバリングは導入されていません。
 
 



駅構造……地平駅(南南東~北北西方向)。カーブ区間にホームがあります。
配線………相対式ホーム2面2線(交換可能駅)。
 
のりば番号はセオリー通りではなく、駅舎と反対側の左ホーム(東)が1番のりばで上り府中・福山方面、駅舎に面した右ホーム(西)が2番のりばで下り塩町方面・三次方面です。
また、昔は左の1番のりばのホームが島式だった可能性があります。その場合、線路跡は左に写っている工場用地に転用されたことになります。証拠がないため真相は闇の中ですが…。
 
ホーム有効長……4両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………2番のりば福山方(右奥側)を除き、全体的に狭いです。
点字ブロック……未整備。
上屋(屋根)………1番のりばは福山寄り約0.5両分、2番のりばは福山寄り約1両分に設置。
        但し2番のりばの屋根は線路際まで届いていません。 
ホーム上設備……待合室(2番のりばのみ。ベンチ有、空調なし)。
         1番のりばは駅舎内のベンチをご利用下さい。
 
1番のりばの塩町方(手前側)は後から約1両分延伸されていて、その部分のみ床面が従来の部分より高くなっています。
また、ホーム中ほど福山寄りに跨線橋があり、さらに福山方の2番のりば側には駅舎と出入口があります。
そして、駅前の公衆トイレ(車いす対応トイレ)は、2番ホームからでも直接利用可能です。
 
写真は全て2番のりばより福山方を望む。 
 
 


2枚とも2番のりば(左)より塩町方を望む。
跨線橋は比較的新しいですが、跨線橋設置前はおそらく福山方(後方)にあったと思われる構内踏切で両ホームを連絡していたのでしょう。
 
 







また、2番のりばの塩町方西側には、貨物設備跡が確認できます。
切欠構造で福山方が行き止まりの線路が2線あって、2番のりばより西側に貨物ホームが存在していたようです。
現在は1線のみが残っていて、貨物設備跡は保線基地として使用されています。
上4枚は塩町方を望む。下3枚は福山方を望む。
 
 

2番のりばより府中方・福山方を望む。
ホーム端の先に構内踏切跡と思われる構造が残っています。
この先、左へカーブして吉舎の市街地を離れ、小さな川の谷に沿って山あいの田園風景の中を上り勾配で東~北東へ走ります。その後は次第に山深くなって、トンネルで峠を越えると谷が広がり、今度は下り勾配で山あいの農村地帯の中を北東へ走ります。そして沿線に住宅が増えてきて、右カーブで進路を東北東に変えると備後安田駅へと至ります。
 
 

2番のりばより塩町方・三次方を望む。
ホーム端の先で左から貨物側線を転用した保線用側線が合流します。
また、前方ではかなりの高度で尾道自動車道が福塩線や馬洗川の谷を乗り越しています。
 
この先、左側を流れる馬洗川に沿って山あいの農村風景の中を概ね北北西へ走り、やがて馬洗川が左へ離れて丘陵地帯に入ると短いトンネルをくぐります。そしてトンネルを抜けて大きく左へカーブすると旧・三良坂町の中心市街地に入り、その町並みを見ながら西北西へ走ると三良坂駅へと至ります。
 
 
あとがき  
下車(乗車)時・・・ありません (自動車で訪問しました)          
 
旧・吉舎町の中心市街地北端部付近にある相対式ホーム2面2線の交換可能駅で、西側に木造駅舎が鎮座していますが、無人駅です。駅は高台にあり、駅前は農村集落が形成されています。駅から600mほど南下して、馬洗川を渡った先に旧・吉舎町の中心市街地が広がっています。
  
鉄路のみで(ルートは一例です)  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能(最大滞在時間:2時間12分)。
       東海道山陽新幹線(広島)芸備線(三次)福塩線。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能(最大滞在時間:4時間24分)。
       山陽新幹線(広島)芸備線(三次)福塩線。  
  
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし (最寄店舗は約1.2km北北西「セブン-イレブン」)     
飲食チェーン店・・・なし (1km圏内に店舗はありません)  
  
東京、大阪とも到達難易度が非常に高いですが、福塩線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は吉舎駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)