みなさんこんにちは。前回からの続きです。
「くずはモール(大阪府枚方市)」内の京阪電車鉄道博物館「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)」で現在、開催されている「平成・令和時代における京阪電車のフラッグシップ 8000系展」を訪問した際の様子をお送りしています。
今年(2025年)で75年を迎える京阪特急。本題の「8000系」について、ここ「SANZEN-HIROBA」の常設展示や、手元の参考文献などにも触れながら項を進めています。
「二階建てダブルデッカー」や「プレミアムカー」を連結するなど、特別料金不要の列車としては、国内随一の居住性の高さを誇る「8000系」。まさに「フラッグシップ」としての活躍を続けるこの車系の経歴について触れています。京橋にて。
「二階建てダブルデッカー」の全10編成への連結(1998年春)を経て「中之島線」開業(2008年10月)を期した、塗装変更と内装の全面的なリニューアルなど「8000系」は次々とアップデートを果たしていきました。
そんな中、2017(平成29)年8月から全席座席指定の「プレミアムカー」を「8000系」特急車に連結することが発表されます。

報を聞いた時は大変驚いたのをよく覚えていますが、別料金を要しても着席したいというニーズに応えたもの。なるほど、時代はそこまで変化しているのかと、納得したものでした。
そういったことで、くだんの「プレミアムカー」に念願の初乗車を果たした運行初日の様子を、過去の記事から振り返ってみようと思います。
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477854210.html
「京阪特急プレミアムカー ついにデビュー!中編」2017(平成29)年8月22日アップ↑
みなさんこんにちは。前回からの続きです。
昨日、20日にいよいよデビューした、京阪特急の座席指定車両「プレミアムカー」に初乗りして来た際の様子をお送りしています。


さて、ここは始発の淀屋橋駅(大阪市中央区)。
乗車する予定の8時20分発が、3番線にいよいよ入線して来ました。

















天満橋駅を出発し、地上区間に出ました。地下区間とはまた違う感じです。


























改札口へとやって来たのですが、こちらの出町柳駅では、京橋駅とは異なり「プレミアムカー券」は専用窓口ではなく、このインフォステーションでの販売になっていました。さまざまな形態があるようですが…







京都方面からやって来た列車ということで、まず乗客が降車して行きます。



車内整備を行うため、降車後にいったん閉扉。金色が豪華なデザインですが、半月を模した窓も特徴的ですね。

乗車して左側には、2列シートが合計4席。その隣には、トランク類を置けるスペースが設けられています。旅行者には便利な設備ですね。

そして、指定された座席はデッキをはさんで左側の客席でした。


車端部の様子。
隣は別料金不要の、一般車両になっています。

通路には案内モニターが設けられていました。
表示内容は自由席車両のそれと同じですが、比較するとかなり大型です。
思わず4年前に廃止された「テレビカー」を思い出してしまいました。

座席はフリーストップ式のリクライニング。ヘッドレスト部分の形状が重厚さをさらに感じさせられます。

座席からは車内はこのような感じ。正直、とてもいままでの京阪電車とは思えません。


「プレミアムカー」は6号車、一両につき合計40席だとのこと。かなりゆったりとした配置です。

では、座席周辺をちょっと観察してみます。
身長175cm、体重70云kgのわたしでもゆったりとしているのですが、足元の間接照明があたたかい感じを醸し出しています。これは何気にいいですね。

8時20分、京都・出町柳へ向けていよいよ発車です。



さて、前の座席の網ポケットにはこのようなものが入っていました。

「扇子、ブックカバー」…これらの商品の申し込み用紙のようです。

同じ場所に入っていた、「車内サービスのご案内」を見てみますと…


先ほどの商品、「プレミアムカー」車内限定販売の商品だとのこと。
さらにブックカバーの生地は、いま座っている座席と同じものを使用しているのだそうです(@2000円)。扇子(@4000円)もシブいデザインです。


その他にも、ブランケットの無料貸し出し、無料のWi-Fiや各席ごとのコンセント設備などがあるなど、至れり尽くせりです。
このサービス内容ですと、また利用してみようという気にもなりそうです。

さて、特急列車は枚方市、樟葉と停車。京都府へと入っていました。意外にというのか、この両駅で結構、乗客の入れ替えがあった車内でした。

第二京阪道路の下をくぐります。

このあたり、木津川・宇治川を渡り、沿線でも緑の多いところです。

京都市内に入り、中書島駅(京都市伏見区)に停車。ここでも下車客がちらほらと見られます。

京都タワーが見えて来ますと、京都地下線が近づいて来ます。それこそ車窓は見慣れたものですが、やはりというかいつもと違う感覚です。


淀屋橋から50分ほど、終着の「出町柳駅(同左京区)」が近づいて来ました。
京都方では、七条・祇園四条・三条と停車して行くのですが、この列車に関しては、おのおのの駅でまとまって乗客が下車するという印象でした。

しかし、この豪華な座席に手厚いサービス…
50分ほどの乗車ではちょっともったいないなぁと思えるものでした。



出町柳に到着。

乗車して来た列車は、淀屋橋ゆき特急として折り返して行きます。折り返し時間が短いので、車内整備などはなかなか慌ただしそうです。

いったん扉を閉めたのち…

扉が開放。こちらにも、待ち構えていた乗客がどっと乗車して行きました。

この間、わずか2~3分ほどだったでしょうか。
慌ただしく列車は発車して行く姿を見送ります。


コンコース階でも、大きく広告と案内が掲出されていました。



ここでいったん改札を出て、またすぐに入り直します。せっかく京都まで来たのですが、今日は乗り鉄が目的なので…


都合、大阪へとんぼ帰りしようというところなのですが、帰りも「プレミアムカー」に乗車することにしています。

再び、ホームへ降りて来ますと特急が発車待ちをしていました。
こちらは「プレミアムカー」の連結されていない、3枚扉の3000系です。
8000系以外の特急や、快速特急「洛楽」には、おおむねこの3000系が充当されているようです。

9時29分、その3000系特急が発車して行きました。

さて、とんぼ帰りする大阪方面の特急は、次の9時39分発です。こちらのホームにも空席案内のモニターがあったのですが、割と空いているようです。帰路も楽しみです。
ということで、本題の「8000系」に至るまでの75年にわたる「京阪特急」の足跡についてあれこれと触れてまいりました。京橋にて。
特別料金不要ながら気軽に利用出来る「テレビカー」「二階建てダブルデッカー」、そして8年前の「プレミアムカー」の導入。出典①。
時代の先を行くサービスを一貫して実現して来た京阪電車の取り組みというものは、素晴らしいことだと感じます。
「プレミアムカー」はその後「3000系(2代目)」にも導入。さらに今年度には、それら各編成ごとにもう一両増結するという計画も発表されています。
「平成・令和」の二世代にわたって「フラッグシップ」として活躍を続ける「8000系」。次はどのような進化を遂げるのでしょうか。
おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。
(出典① 朝日大阪夕刊 2023年3月18日付け 5面)