翌朝。
4か月前と同じ「都野菜 加茂」烏丸店の京野菜ビュッフェで朝食です。
500円から550円に値上がっていたけれど、それでもその美味しさには次来るときもここの近くのホテルを取る理由になります。
そのまま市営地下鉄四条駅で潜り、烏丸御池で東西線に乗り換え。
この東西線からびわ湖浜大津まで直通する京阪京津線に乗って今日も滋賀県に向かいます。
石山坂本線の響け!ユーフォニアムラッピング列車は両編成共に走る予定では無い日なので、この京津線を楽しんでみようと思ったわけです。

10分後には山間を縫って急勾配を上り下りする山岳路線へと様変わり。
そして最後には路面電車になる日本で唯一の……もしかすると世界を見渡しても他には無いかもしれない超オモシロ路線なのです。
逢坂山中にある大谷駅で下車。
ここから徒歩でびわ湖浜大津に向かおうと思います。
まだ春先で肌寒いからね。
5月から10月の暑い時期にはこんなこと絶対にやりません。
「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」
百人一首にも選ばれている蝉丸の和歌に詠まれているのがここ逢坂山ですね。
百人一首の中でも子どもに大人気?な蝉丸。
坊主めくりでもワイルドカード的な最強カードである蝉丸。
それゆえに地方によってのご当地ルールが存在する蝉丸。
大谷駅すぐにある蝉丸神社を参拝して行きましょう。
歌に詠っただけでなくこの山に住んでいたために、死去後もこの地で祀られているそうです。
階段かー
そりゃあるよね、階段。
こんな山の中の神社だもの。
登るか―
ひっそりとしていますね。
宮司さんはいないらしいです。
逢坂山を越えた反対側にある三尾神社の神職の方がここの宮司もかねているそうで、御朱印もそちらでということでした。
神社を後にして京津線を跨ぎ国道1号線へ。
徒歩で逢坂越え…………
この光景に少しヘタレ始める。
(でも写真で見ると大したことないな)
逢坂峠のサミットに到着。
まあ「徒歩で逢坂越え」なんて言ってもその寸前まで電車で登って来ているのですけどね。
あとは琵琶湖に向かって下っていくだけです。
都の防衛障壁として構えていた逢坂山を通り京に入る東海道で睨みをきかせていた逢坂関の跡地ですね。
大谷駅を出た電車はこの峠の最高点まで登ってくることなくトンネルで突っ切ります。
ずるい! (ずるいって?)
トンネルを抜けた先は半径40mの急カーブ。
国内でもここより急カーブなのは江ノ電と箱根登山鉄道、それに黒部渓谷鉄道に豊橋の路面電車とどれもここより小さな車両の路線ばかり。
Nゲージのお座敷レイアウトでもこんな急カーブではクリアできずに脱線してしまいます。
カーブの先から見ると車体が大きくはみ出ていますね。
峠のサミットをトンネルで抜けた京津線はカーブ先のあの地点が最高地点なようです。
あとは琵琶湖に向かいずっと下り坂です。
下ってくる列車の写真を撮ったのは「大谷1号」踏切から。
翌週のMLB開幕戦東京シリーズでのSNS投稿で使えると思ってこの写真も撮りましたw
(2試合目で今季第1号HRがでました)
上に跨るは名神高速道路。
トンネルとトンネルに挟まれ国道1号線が通るこの谷間を渡るときに出てきます。
こんな巨大な建造物に人間の叡智を感じると同時に日本橋から京まで一本の街道を通した昔の人だって凄いなと感心してしまいますね。
東海道本線の旧線が通っていた逢坂山隧道が鉄道遺産として残されています。
全長668mのこのトンネルは日本人技術者のみによって建設された初の山岳トンネルだそうです。
ここには関蝉丸神社の上社があります。
その前を通る国道1号線を見てもその急勾配がわかりますね。
名神高速下を伸びる直線区間。
御陵ーびわ湖浜大津間15分ほどの往復(御陵ー太秦天神川間は京都市営管轄)なので、同じ運転士さんに「あいつまたいる」「まだここなのか」なんて思われてそう。
こちらも危険を感じさせないよう踏切やフェンスなどから乗り出したりせず一歩下がっての撮影です。
それでも急カーブが多いので望遠レンズを使えばこうした正面の写真が撮れますね。
(速度も急勾配でゆっくりだし)
あのあたりが最高斜度でなんと61‰とのこと。
急勾配と言えばで思いつく信越本線横川軽井沢間の碓氷峠が66.7‰ですから、それに匹敵する急勾配です。
くねくねと器用に曲がっていく。
やっぱりこの路線、スゲー面白い。
滋賀県名物の飛び出し坊やが蝉丸になっている。
飛び出し蝉丸に導かれ入るとここは関蝉丸神社下社。
琵琶の名手だった蝉丸を祀っているだけあって芸事の神様として信仰されているようで、私も「もっと絵がうまくなりますように」とお賽銭を少しばかり多めに投じてきました。
境内からは逢坂峠に向かうあるいは下ってきた列車を見ることができます。
急勾配を案外速く登って行き、ぶれてしまいましたが……
上栄町駅近くの踏切からはこんな写真が撮れます。
住宅が多くお寺もあるからか急カーブを列車が通るときのキィーキィー音を軽減するためにスプリンクラーが設置されています。
放物線を描く幾筋もの水流がいい感じに陽に反射してくれています。
このカーブを抜けると上栄町駅。
山岳区間はここで終わりです。
上栄町駅を出るとすぐに車が往来する県道との併用軌道に入ります。
急カーブに対応させた16m級とはいえ、こんなに大きなそれも4両編成が道路を走るなんて見慣れない関東民にとってはとても珍しく楽しいのです。
そして琵琶湖に行き着く最後は交差点を曲がりびわ湖浜大津駅に到着します。
ここですら半径47m(内側)なので、さっきの40mがいかに急カーブだったかが分かりますね。
丁度びわ湖クルーズ「ミシガン」の出航時刻なので見ていきましょう。
平日で閑散としている中、同乗案内人のミシガンパーサーの陽気な声が響きます。
出航を見ている人も無くここぞとM.O.M.Oちゃんをバッグから出してあげて写真を撮っていると、いつの間にやら甲板に人が出ていて何人かにこちらを見られていました。
最近はどこの港にもこれありますね。
神戸の「BE KOBE」から始まった気もするけど本当のところ第1号はどこなんだろう…………
って「OTSU」じゃなく「BIWAKO」かこれ。

対して同クラスのびわ湖スクール船「うみのこ(2代目)」はポッド推進とポンプジェットのバウスラスターの組み合わせとなっていて、どちらも浅瀬に対応させてということなのでしょうね。
船体規模に比してびっくりするくらいに喫水線下が浅い。
日立造船神奈川工場で建造され、ここ琵琶湖の造船上で組み立てられたそうです。
ブロック建造された船体を川崎からトラックでここまで陸送って何往復したのだろう。
………………………………
カモメ?
琵琶湖にもカモメはいるそうです。
京都に戻る車内からあの半径40mのカーブを撮ったけれどやっぱり凄いなここ。
あれ?
フリーきっぷ買う必要無かったんじゃね?
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