フクシマのRED塗装モデルは松本電鉄のED30 1 | 模工少年の心
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フクシマ模型製作所のED22を購入したのがいつ頃か、よく覚えていないのですが、購入したときの実車に対する知識は、かなり曖昧なものでした。


「たしか弘南鉄道にあったな。あと松本電鉄。蒲原鉄道、名鉄の凸型電機も同じだったかな?」というような次第で、フクシマのRED(赤13号、いわゆるローズピンクに似たような)の個体も、実際どこかにあるはずだろうとしか思っていませんでした。


箱の中には、3枚のナンバープレートが入っていました。


ED24の1,2,3号機で地の色が茶色の国有化前のものです。


フクシマブランド故に、ED22の1,2,3のどれかを選んで貼り付けておけば間違いないと、確信に近いものがありました。

しかし、足回りの走行不良の修繕を行なって、ついでに、ナンバープレートや社紋等を貼付してあげようと思いつき、どの番号にしようかと調べていて、はたと考えてしまいました。


製品に付属の実車解説の説明では、どのナンバープレートを貼って良いものか判然としません。


このRED塗装のプロトタイプは、一体どの時代のどの鉄道会社のものなのか?


そこで、ネット等で調べてみることにしました。


まず、この機関車の由来ですが、1926年、1927年にBLW/ウェスチングハウスで製造された米国製の機関車です。

輸入したのは、当時の信濃鉄道という私鉄、現在の大糸線で、国有化された時にED22になりました。


その後は、私鉄各社に身売りされます。

1号機は西武鉄道、近江鉄道、一畑電鉄、弘南鉄道へ。

2号機は終生三岐鉄道で一生を終える。

3号機は西武鉄道、松本電鉄へ。


これだけのたくさんの鉄道会社の名前が上がると相当な数の仲間がいるような錯覚をしまうのも致し方無いかもしれません。


年月とともに各号機とも形態の変化があります。

調べていくうちに、3輌のED22の所属会社、塗装を含む形態の変化をきっちりまとめた以下の資料に出会うことができました。


信濃鉄道1形/国鉄/三岐鉄道/一畑電気鉄道/弘南鉄道ED22形/西武鉄道付きに1/A1形/近江鉄道ED1/ED22形

(RAILWAY-CATALOG.COM)


これにより、次のことが判明しました。

ED22 1系統は側窓なしの時代の茶色塗装から側窓ありタイプに改装されたため原型RED塗装のモデルは存在しえない。

ED22 2系統は、三岐鉄道に長く在籍した三岐鉄道色のためRED塗装のモデルは存在しえない。


となると、フクシマの凸型電気機関車REDは、ED223号機が西武鉄道→松本電鉄と譲渡が繰り返され、松本に来た時にED30 1となったモデルの可能性しかありません。

(※上記の資料では、松本電鉄譲渡後に松本電鉄にてREDに塗り替えられたとされていますが、あのREDはまさに西武鉄道の塗色のようで、西武時代に塗られたものではないかと、私個人的には疑問もありますが、根拠は全くありません。)


そして、超ラッキーなことに、ED301のナンバープレートを持っていたのです! 






地色が黒なので、ローズピンクに塗り替えようと思って試みましたが、プレートそのものの厚みがなく、上手くいかなかったので黒地です。


こうなると社紋も何とかしたくなるものですが、この車輌には真ん中にレールの模様があしらわれた丸い社紋、MERというアルファベットの社紋の2つがあるのですが、これらを手に入れることはできませんので無表示です。


ナンバープレートと製品に付属のメーカーズプレートを貼り終えた姿がこれになります。



やはり、いいですね。「鉄道車両は、ナンバープレートがいのち」だと、つくづく思います。