初めの2日間の暖かいお天気とは打って変わり、旅行3日目は一気に気温が下がって震え上がる寒さで、雨もパラつきました。
そんな中、朝一番にやって来たのは「Kトレインワールド」です。
予讃線比地大駅前のロータリーから駐車場に進入します。通路のような砂利道に駐車マスのロープが引かれています。
建物に入ろうとすると中から扉が開いて男の子が現れました。館長さんのお孫さんがお出迎えしてくれます。
入った瞬間、巨大レイアウトと壁に掲げられた鉄道グッズに圧倒されます。
「手」動きっぷうりばで、館長の娘さんから入館券を購入します。
HOゲージの機関車群。
HOゲージとNゲージが並走していても違和感がありません。
入館直後に「あ~坊ちゃん列車が脱線してる!」と館長さん。
妻がひとつ質問すると、館長さんから何倍ものお話が返ってきます(笑)
昨日訪れた銭形砂絵が再現されています。
銭形砂絵近くの観音寺中学校もあります。メインの大型レイアウトは香川県の町がテーマになっています。
山に雪が積もっています。春の風景に替えようかと思いながら、寒の戻りが激しいのでいつまでも雪景色のままだとおっしゃっていました。
Nゲージの大レイアウト。
こちらは怪獣が暴れているレイアウトです。ウルトラマンタロウとキングジョーが戦っています。できればタロウでなくウルトラセブンにして欲しかった(笑)
ビルの谷間をゴジラがのっしのっしと歩いています。
昭和40年頃を思い起こさせるレイアウト。
ディズニーをテーマにしたレイアウト。毎月送られてくるディズニーグッズを購入して、手持ちのケースに収まるように手を加えながら完成させたそうです。
定期的に音楽が流れ、光の演出が行われます。
雪印や森永、ナショナルなど、昭和の名ブランドの建物が並びます。こちらのレイアウトの人形はコトコトと動きます。
動画を撮っておけばよかった。
プラレールが置かれたキッズスペースです。靴を脱いで上がります。お孫さんが二人で遊んでいました。
キッズスペース横の座席にはシルバーシートのマークが貼ってあります。孫を遊ばせてじぃじとばぁばはここで休憩ですね。
列車の座席が置かれている資料館はよくありますが、なんとここでは手すりや棚まで一体となって配置されています。
キロ28のグリーン席に飾られている写真は昨年末に93歳で亡くなられたJR東海初代取締役社長の須田寬氏です。
国鉄時代から偉大な功績を残した鉄道の神様と呼ばれる方が、お供も伴わず、グリーン車でなく普通車を利用して来られて驚いたそうです。最初に来訪の知らせを受けたときは感激したにもかかわらず、残念ながら体調を崩されて中止。二度目は館長さんのご家族が新型コロナに罹患したために中止。高齢なのでもう駄目だなと諦めていたところ、三度目の正直でいらっしゃって、このシートに腰掛けて歓談したということです。
キハ58の運転台が窓を向いて取り付けられています。
高価なシミュレーターは設置できないので、窓外を走るミニ列車を見ながら運転士気分を味わってもらいます、と笑っておられました。
壁面一帯には貴重な資料が所狭しと並んでいます。
たくさんの列車は一日中走り続けています。運転体験やレンタルレイアウトもできます。
およそ2か月に一回、その時々の話題に合わせて展示物を入れ替えている企画展。今回はタイムリーなテーマがなかったので、駅の備品に関する展示となっているということです。
これだけの資料を2か月ごとに入れ替えるだけのコレクションが、まだまだご自宅に溢れかえっているそうで、驚きを通り越して言葉が見つかりません。
子どもたちからのお礼の手紙もたくさん掲示されていますが、ご自身の載った新聞や情報誌も紹介されています。
娘さんご夫婦は観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の車内で結婚式・披露宴を行われたそうです。列車と並んだ新郎新婦のこの写真、なんとなく見たことがあるような気がします。
右に出る者のいない鉄ちゃん一家ですね。
その娘さんは駅長室という名のキッチンでお菓子作りをされていました。
特急列車の車窓を眺めながらコーヒーや手作りアイスクリーム、タルトやクッキーを頂けるようです。残念ながら次の行程が押しているので、ゆっくりとコーヒーを頂く時間がありませんでした。
お借りしたトイレの中も鉄道一色です。
瀕死の状態で迷い込んできた子猫を保護したそうで、今ではきれいな毛並みの駅長さんとして、ご家族と一緒に勤務しています。
人懐っこい、賢そうな駅長さんです。
入館料以外に僅かでもお金を落としていこうと、缶バッジを2個買いました。気に入ったデザインのものを選んだら、偶然にも比地大駅でした。他のデザインも予讃線の駅がモチーフになっているそうです。
「お客さん来たよー」とお孫さんの元気な声がして、小さなお子さんを連れた若いご夫婦が入って来られたのを機に、そろそろ失礼することにします。
館長さんは外まで見送りに出てくださいました。
そして、これ。石炭くべ体験もできると紹介してくださいました。
車輌本体以外は何でもそろってる素晴らしい施設です。これが個人の収蔵物だとは信じられません。
目の前の踏切が鳴り始めたので、隣にある比地大駅のホームへと向かいます。
列車の通過後、ホームから広い庭を眺めると大きな動輪が見えました。
先程のご家族が機関車トーマスに乗っておられます。私たちの到着時にも、ミニ列車に乗った後おばあちゃんの運転する車で帰ったちびっ子がいました。人気があるようですね。
ご自身の趣味を活かした地域貢献のため土日祝日のみの開館ですが、ぜひもう一度行きたい場所です。隣接する比地大駅にやって来る列車も含めて、一日中楽しんで過ごせそうです。