実質的には復活であるとはいえ、このタイミングでの登場には驚きを隠せなかった。
既に群馬方面では運用を始めてもいたし、8000系も共通運用化されてもいたからゆくゆくは、とは
感じてはいたものの、なかなか思い切ってきたなという印象だった。
そうなると、俄然注目度が高くなってくるのは
8000系である。
特にこの10年ほどは、定期的に利用する機会が増えていた亀戸線。
あまりに馴染みすぎて記録をスルーすることも多かったが、昨年春の“緑亀”の引退以降、折々見計い
極めて狭い範囲ではあるが記録をするペースを増やしてきている。
1月18日土曜日。
この日も、墨田に赴くタイミングで東武亀戸線へ。
幸か不幸か、この日は、8000系のみでの運用だった。
朝運用を終えて、昼前まで亀戸駅2番線で休む編成も8000系。
すっかり見慣れ、乗り慣れている8000系。
しかし、その数は全体を見ても少しずつ減ってきている。
在籍車全てが車齢40年以上(最終製造が1983(昭和58)年製)となり「私鉄の103系」などとも
評されていた東武鉄道の一大グループは、もはや過去のものになり始めていた。
そんな中で、速度を出しても60km/h程度という亀戸線・大師線の緩やかな走りが、その車両寿命を
伸ばしていたという仮説は、強ち間違ってはいないのではなかろうか。
独特な電磁直通ブレーキの捌きも、8000系ではまだ健在。
10030系更新車はワンハンドル化されてしまい、それも新車のようだと評されるポイントになったが
こうしたツーハンドル独特の味わいある運転操作が、都内では風前の灯になりつつある。
ここ近年は、8000系にリバイバルカラーを施して雰囲気が変わっていた亀戸線界隈。
しかしここにきて、群馬方面との運用共通化でオリジナルカラーが入る機会もまた増えてきている。
車内に掲示された群馬方面の時刻表がその証だが、そんな都内で見せられても、とも思うのだけど。
下枠交差型のパンタグラフは、10000系列も載せているのですぐに見納めでもない。
スカイツリーとの組み合わせも、本線系統の10000系と共にもうしばらくは健在だ。
この日は、オリジナルカラーの8574Fと、
黄色にオレンジ帯を巻いた8575Fが運用。
このカラーが出た当初は馴染みがなくびっくりしたものだが、走り続けると意外に慣れるもの。
ただそれ以外は、昨年の緑亀引退に際して割と巡り慣れた場所。
それもあり、一味違う記録を求めて動き始めることになる。
その追求のために、亀戸に戻り…
冬晴れの下、打って出る!
少ない機会を、モノにするために。