定員制「スカイライナー」の前に、輸送力の多い「アクセス特急」強化が効果的です
旅行総合研究所タビリス、2025年3月19日付け「京成スカイライナーのシェアが急伸中。成田空港アクセス調査、10年後には積み残しも」を拝読しました。
成田空港の滑走路増設に伴い、2030年台から鉄道利用者の増加が見込まれ、輸送力増強の対応が早急に必要なことを中心に提言されています。
東京から成田空港へのアクセスはJR東日本と京成がありますが、今回は京成の成田空港輸送の増強策に絞って考えてみたいと思います。
本文記事の一部を引用させていただきます。
(以下引用)
空港アクセス鉄道は、当日駅に予約なしで訪れても、来た列車か、せいぜい次の列車に乗れるくらいの輸送余力が必要です。
~中略~
列車の混雑率を緩和するには、増車か増発しかありません。京成スカイライナーは現在8両ですが、京成の主要駅のホームは10両対応になっているため、増車は可能でしょう。
ただ、それだけでは、定員が3割程度増えるにとどまり、2倍に増える勢いの利用者を捌ききれません。となると、増発が必要になりますが、そのためには、線路容量を増やさなければなりません。具体的には、空港周辺に残る単線区間を複線化する必要があります。
(以上引用)
京成の具体的な成田空港輸送力増強策は
京成では、成田空港アクセス増強に当たり、成田湯川-成田空港を複線化して成し得るものでなく、京成高砂での北総線と検車区の合流や立体交差、青砥-京成上野の線形や通過待避線が千住大橋だけのこと等の課題が多くあり、単なる成田湯川側の複線化だけでは増発、増強はできないと考えられているようですが、ここでは単なる理想論、机上案を承知の上で書かせていただきます。
(1)「アクセス特急」の40分間隔を20分間隔化
京急羽田空港側からみると、羽田空港発の速達列車は、「エアポート快特」と快特の、それぞれ40分間隔運転により、羽田空港-品川間を20分間隔運転としています。
京成直通の快特の青砥・京成高砂行きを「アクセス特急」として成田スカイアクセス線経由で成田空港へ延長し、羽田空港-成田空港を20分間隔で運転することによる輸送力強化が一番に望まれます。
青砥-成田空港では「アクセス特急」が20分間隔となって、「スカイライナー」と毎時同本数になります。
全車指定席の「スカイライナー」よりも「アクセス特急」の方が輸送力があり、急な成田空港移動にも対応できます。
(2)「スカイライナー」の10両編成化
「スカイライナー」は定員制のため、輸送力には上限があります。
現在の20分間隔を15分間隔にして毎時1往復の増発が理想ではあります。
しかし、輸送力確保の点から、上記「アクセス特急」20分間隔化が先決であり、「スカイライナー」の輸送力増強策としては20分間隔運転のまま、2両増結しての10両編成化が望ましいと考えます。
(3)京成上野発、京成本線経由、京成成田行き快速特急または京成佐倉行き快速を成田空港へ延長
京成上野から京成本線経由で成田空港を目指すには、快速特急成田行きまたは快速佐倉行きの各40分間隔での2種を一体化し、20分間隔での快速特急成田空港行きとすれば、京成本線経由の京成上野-成田空港直通列車として「スカイライナー」の補完ができます。
(4)西馬込発京成本線経由、快速成田空港行きを、成田スカイアクセス線経由の「アクセス特急」に変更
成田湯川-成田空港の複線化が完成してからの話ですが、西馬込-成田空港の20分間隔の快速を、成田スカイアクセス線経由の「アクセス特急」として輸送力を増強するのが望ましいと考えます。
成田湯川-成田空港が当面単線の間は、現在と同じく、京成本線経由での成田空港行きで継続とします。
成田空港側からみた東京方面列車の毎時発時刻のイメージは
現状ダイヤに沿いながらの、成田空港駅からの列車発車時刻のイメージは以下のとおりです。
「スカイナイナー」は、成田空港駅発13・39・59分発(※13分発は新鎌ヶ谷・青砥停車型)。
「アクセス特急」羽田空港行きは、同04・24・44発(24分発を増発)。
「アクセス特急」西馬込行きは、同16・34・54分発(※成田湯川複線完成まで当面は、京成本線経由の快速特急西馬込行き)。
京成本線経由の快速特急京成上野行きは、同09・29・49分発(※京成成田・京成佐倉止まりの快速特急・快速を成田空港まで延長)
以上が、成田空港側からの列車発時刻の勝手な私案です。
単線区間での行き違い、成田空港駅ホームの容量などを想定しない、単なるイメージでの理想論ダイヤですので、ご了承ください。
なお、JR東日本の「成田エクスプレス」と快速列車の輸送力増強は、別の機会とさせていただきます。
(※ 筆記にあたり、旅行総合研究所タビリス、2025年3月19日付け「京成スカイライナーのシェアが急伸中。成田空港アクセス調査、10年後には積み残しも」から一部を引用及び参考にさせていただきました。
また、鉄道ピクトリアル、2024年10月臨時増刊号、「特集京成電鉄」を参考にさせていただきました。)