昭和41年3月に奈良交通大宇陀営業所で発行されました、「大宇陀から 上本町ゆき」の乗車券です。
奈良交通社章連続赤地紋券で、「ゆき」の活字のフォントから「日本交通印刷」で調製された券と推察されます。
最上段の(近鉄連絡乗車券)の記載の通り、この乗車券は榛原接続の近畿日本鉄道線への連絡乗車券で、かつてはこのような通しの乗車券の発売がありました。
裏面です。
発行箇所は「大宇陀営業所発行」ですが、その上に(奈交商事)の印刷があり、「奈交商事」は現在の「奈交サービス」ですが、恐らくは当時の大宇陀営業所の乗車券発行業務は子会社の「奈交商事」に委託されていたものと考えられます。
左側の小児断片部分に横向きに印刷された「-115」の数字は、表面に印刷された運賃230円の半額となる事から、売り上げ集計の際に発売枚数×230円で算出した額から、小児断片を切断して小児用として発売した断片の枚数×115を減じていたものと考えられます。
「大宇陀営業所発行」の右側には「A1そ102」と印刷されておりますが、これらの記号の意味は不明で、「A1」は窓口番号、「そ」は循環符号とも考えられますが、「102」は券の調製年月「102=昭和41年2月?」を表すのかどうか見当がつきません。
現在も大宇陀~榛原駅の路線バスは「奈良交通」によって運行されておりますが、既に現業機関としての「大宇陀営業所」は無くなっています。