2025年3月ダイヤ改正の深掘り考察、今回は愛媛県と高知県を結ぶローカル線、JR予土線のダイヤ改正について取り上げます。
JR予土線は、愛媛県の宇和島駅と高知県の窪川駅を結ぶローカル線で、四万十川に沿って走る場面も多いのが特徴です。愛媛県側の宇和島~江川崎間は1日8~10.5往復、高知県側の江川崎~窪川間は1日4往復列車が設定されています。山間部を走ることもあり、決して本数は多くありません。
そんな予土線ですが、2025年3月ダイヤ改正において、愛媛県側の宇和島~江川崎間でパターンダイヤを導入することとなりました。改正前後でダイヤがどう変わったのか、比較してみましょう。
改正前後で上図のように変わりました。まず本数をみていくと、高知県側の江川崎~窪川間は1日4往復のまま変わりませんが、愛媛県側の宇和島~江川崎間については、宇和島~近永間で2往復減便となっています。2往復減便となり、一番本数が多いところでも1日10往復を下回り、本数的には厳しさを増しました。
しかし、改正前後のダイヤを見比べると、減便により不便になっているかといわれると、そうとはいえないことが分かります。
例えば、窪川方面の時刻をみると、改正前は午前中の時間帯に3時間半ほど運転間隔が空いていたところが、改正後は概ね2時間間隔となっています。また、宇和島方面については、午前中に4~5時間ほど運行のない時間帯がありましたが、改正後は概ね2時間間隔となっています。
皆様は、改正前と改正後のダイヤ、どちらがよりよいと感じましたか?改正後のダイヤは列車の最大待ち時間は2時間程度に抑えられているため、改正前と比べて悪くなったとは必ずしもいえないことが分かります。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか。本数がとても少ない予土線にもパターンダイヤが導入されましたが、運転間隔が極端に空いている部分が是正され、減便によるマイナス面を極力抑える役割を果たしていることが分かります。
減便となると、その言葉じりだけを捉えて批判する声がよく上がるのですが、改正前後のダイヤを丁寧に見比べると、必ずしも改悪、利便性低下になるとは限りません。今回の予土線の例が、まさに減便=改悪とは限らないことを示しています。
予土線の利用が今後どのように変わるのか、並行するバス路線との協働を模索する動きもある中、次の動きがどのようなものになるか注目です。