九州地区で活躍してきたJR貨物門司機関区のEF81形電気機関車が、3月14日に定期運行を終えました。ダイヤ改正前の沿線は撮影者でにぎわいましたが、ステンレス車体の「銀釜」303号機が人気を集める中、私は角形ライトの451号機を待っていました。

 

 

EF81 451は、1991年に関門トンネル区間向けに登場した450番台の前期型で、国鉄形の車体に角形のコンビネーションライトを組み合わせた独特の形態をしています。

 

その角張ったデザインには機関車らしさを感じます。しかしファンの間では賛否が分かれているようで、撮影地で出会う方々も「過渡期の珍しい姿が魅力的」「角目(451号機)は正直あんまり…」など、その意見は両極端です。

 

 

沿線ではEF81形の定期運用がなくなるダイヤ改正を控えて撮影者が増えていた一方で、「関門を走っていた時に撮ったから」と、落ち着いた声も聞かれました。私は唯一451号機だけが気になっていました。これまでまともに記録しておらず、以前よりカメラを向けるようになった近年も遭遇していなかったのです。

 

 

私がEF81 451を唯一記録した写真。1999年の寝台特急「さくら」で、この頃はJR貨物の機関車がけん引していました。いま振り返るとホーム外側に立ったNG写真で、後方のブルトレ客車も写らない角度です。なぜこんな撮り方をしたのか謎の一枚です=下関駅

 

 

 

ダイヤ改正前の最終盤、ラストチャンスと思って沿線に出かけました。しかし、やって来たのは第2・第3希望の303、404号機などでした。夜、451号機が北九州に戻って来る運用が分かった時も、なかなか都合がつきませんでした。

 

関門時代には生活圏の中にいた「角目」。新しい機関車だから今度でいいか—などどより好みせず、きちんと記録しておくべきでした。

 

 

結局、現時点で手元にある451号機の写真は、99年にレンズ付きフィルム「写ルンです」で撮った寝台特急「さくら」けん引時の1枚だけです。

 

この写真は肝心のブルートレインが写っていない、ボツにするようなレベルです。しかし時を経て個人的に貴重なものになるとは、なかなか不思議なものです。

 

 

今回はEF81 451について私的な内容で書かせていただきました(文章ばかりで写真が少ないのもお察しください…)。同機は検査期限がまだ残っているようで、ダイヤ改正後もEF510形300番台の代走をこなしています。

 

「角目」は異端児的で好みが分かれる機関車ですが、関門・九州一筋で30年以上働いたのは役割を十分に全うした証しと言えるでしょう。不調が伝えられ出番がないもう1両の452号機とともに、EF81形の歴史に欠かせぬ1ピースのように思います。

 

 

 

※EF81形450番台については以下にも書いています