番外 現在はBE220-1「BIG EYE」の過去の姿、キハ220-1102「なのはなDX」時代 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 現在、JR九州の新たな検測車としてBE220形検測車「BIG EYE」が運行されておりまして、ご覧の皆様の中にも拝見された方がいらっしゃるのではないかと思います。
 
 この「BIG EYE」は、これまでの検測車でありますマヤ34形検測車に代わる車として、既存の気動車を改造したものでありまして、「多機能検測車」とも呼ばれておりまして、JR九州の在来線全路線、または一部の第3セクター路線でも運行されております。

 (直近、筑肥線検測、姪浜駅折り返しの話題記事)
 そんなこの「BIG EYE」の詳しい検測の内容に関しましてはわかりませんが、マヤ34形検測車以上の検測ができるようにはなっているようではあります。
 
 そんな「BIG EYE」は画像のように両運転台の気動車ではありますが、先頭スタイル自体も対照的でありまして、画像1のようにフロントに検測機器が装備されているスタイルの部分あれば、反対側の先頭スタイルでは画像2・以下画像のように大きな目玉のようなスタイルが大変目立っている事がお分かりいただけるのではないかと思います。 
 
 
 さて、この車はタイトルのように現在BE220-1を名乗っておりますが、前車番がキハ220-1102でありまして、新製導入は熊本運転所でありまして、豊肥線を中心に活躍しておりました。
 
 その後平成16年に、後述のように鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)に移りまして、鹿児島地区で活躍した後、平成23年のその列車の運行終了に伴いまして熊本車両センターに戻りまして、豊肥線や三角線、そして肥薩線で活躍しておりました。

 

 しかし、令和2年の「熊本豪雨」で人吉駅におきまして水没、床下部分に被害が生じておりまして、画像のように石造りの機関庫内で留置する姿がしばらく見られておりました。

 

 (留置中のキハ220-1102)

 

 その後、トレーラーで小倉総合車両センターに運ばれまして、今後の処遇が気になっておりましたが、修復の上新たな検測車として生まれ変わっておりまして、先述のように九州各地で運行する姿が見られております。

 

 

 さて、ここまでBE220-1の車歴を簡単にご紹介しましたが、今回ここからご紹介しますのは、キハ220-1102の鹿児島地区で活躍していた姿に関しまして、その当時の模様を含めまして皆様にご紹介してまいります。

 


 現在、指宿枕崎線には、画像にありますようにキハ40系気動車によりまして鹿児島中央~指宿間で運行されております特急「指宿のたまて箱」、そして上の画像のキハ200系気動車で鹿児島・鹿児島中央~指宿・山川間で運行されております快速「なのはな」が運行されている事はご覧の皆様もご存知の事ではないかと思います。
 
 現在は、「なのはな」に関しましては、鹿児島中央~平川間は各駅停車、平川駅からは喜入・薩摩今和泉・二月田(にがつでん)・指宿と停車しておりまして、運行本数も指宿方面4本、鹿児島方面3本と、ピーク時から減便しております。
 
 一方、「指宿の玉手箱」は、以前は喜入駅しか停車しませんでしたが、現在は鹿児島中央~指宿間をノンストップで運行されておりまして(但し単線ゆえ運転停車もあります)、運行本数も日中に3往復が運行されております。
 

 そんな指宿枕崎線の列車は、九州新幹線全線開業時の平成23年3月までは、キハ200系気動車による運行の快速「なのはな」に指定席を連結しましたなのはなDXと呼ばれる列車が運行されておりまして、これからご紹介しますように従来車両に指定席車両を連結しました3両編成で鹿児島中央~指宿間を4往復運行されておりまして、その指定席車にキハ220-1102が連結されておりました。
 

 車内は、指定席車らしく画像のように木製の回転リクライニングシートが並んでおりまして、床もフローリングとなっておりまして、デザインから見ましてもJR九州の車両デザインを担当されております水戸岡鋭治氏によるデザインらしさがよく出ている事が伺わせていたのではないかと思います。
 
 (座席)

 また、中央ドアがあった部分にはドアは撤去されまして展望スペースとなっておりました。この展望スペースも木製のテーブルが置かれておりますし、外から見ましたその部分の姿が画像のようになっております。尚、現在もドアがあった部分はそのままとなっておりまして、前車番を知る一部となっております。
 
 (外から見た中央ドアがあった部分)
 
 (現在)
 

 ここからは、そんなこの列車の「なのはなDX」として運行されます前に増結されますシーンを平成22年に撮影しておりましたのでここでご紹介します。画像は、指宿枕崎線の山川駅より運行されてまいりました「なのはな」が鹿児島中央駅に到着した直後のキハ200系気動車の姿でありますが、貫通扉を開けまして直ちに併結準備を行います。
 
 そこへすでに鹿児島方で待機しておりましたキハ220-1102がやってまいります。やってまいりますと、誘導員によります手旗によりまして、徐々に近くなってまいります。
 
 こうして誘導員によってゆっくりとキハ220-1102が進みまして、併結が完了しまして、3両編成の快速「なのはなDX」として運行される事になります。

 このキハ220-1102の側面の表示を見ますと、行先は快速 指定席と言う表示になっているのがわかります。もちろん、それ以外の車両に関しましても「快速 自由席」とも表示されておりまして、この列車自体が自由席と指定席との区別が見られていた事がお分かりいただけるのではないかと思います。
 

 この「なのはなDX」は、その後後継列車としまして「指宿のたまて箱」に変わる事になりまして、「なのはなDX」は廃止へと至っております。そして使用されましたキハ220-1102も、先述のように熊本車両センターに転属しまして元の「赤塗装」に塗り変えられまして活躍しておりましたが、「熊本豪雨」で水没、修復されまして「BIG EYE」としてBE220-1に改番しまして至っております。
 
 
 今回は、現在「BIG EYE」となっております、BE220-1のキハ220-1102時代に運行されておりました「なのはなDX」指定席車としての姿をご紹介しましたが、この車自体も「なのはなDX」としての期間も7年ほどと短い期間ではありましたが、運行終了後も「赤塗装」に戻されてはいたものの、車内外の姿はほぼ残されておりました。それだけ名残はあった訳ですが、あの「熊本豪雨」での被害は正直痛い所ではなかったかと思ってなりません。それでも新たな検測車に生まれ変わっておりますので、過去の事に関しましては残念な部分はあった訳ではありますが、これからも九州各地で活躍していただきたいものであります。