かつて「コロナ禍」真っ只中でもありました令和2年5月まで、福岡発着の夜行高速路線バスには、運行曜日・季節限定の夜行高速路線バスが運行されておりまして、利用者が多くなる時には運行日を定めまして運行されておりました。
これら路線に関しましては、もちろん需要を考えての運行ではあったようですが、ふたを開けますと利用者も少ないなどと言った面も見られておりまして、その結果廃止・休止へと至っておりました。
さて、今回は、その福岡発着で運行されるも、曜日指定となっておりまして運行終了に至っておりました4路線に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
まずは、西鉄バス・富士急山梨バスが運行しておりました、福岡~静岡~富士山線「フジヤマエクスプレス」に関しましてご紹介します。この路線は、元々は毎日運行でありましたが、末期は季節運行となっておりまして、閑散期になります10月・11月・2月の運行はありませんでしたし、1月・2月も限られた日でしか運行されておりませんでした。
結局は、利用者も全体的に低迷していたそうでありまして、残念ながら平成30年の3月末で運行を終了しております。しかも、河口湖方面以外でも静岡方面までも運行されていた訳ですので、その静岡方面までも集客があまり集まらなかったのも残念でならなかった所ではありました。
次にご紹介しますのは、福岡~三重(津・伊勢・鳥羽)線「お伊勢さんエクスプレス福岡号」であります。
この路線は、旧西鉄高速バスと三重交通との共同運行で、22年7月に運行を開始しておりました。しかし、普段の利用客は平均数名程度と利用客が少ない事から、23年11月より福岡・三重発ともに木・金・土・日および、年末年始・ゴールデンウィークの運行に限定して継続しておりました。
その後、平成25年に旧西鉄高速バスの撤退に伴いまして、三重交通1社運行となりますが、それに伴いまして西鉄バスから三重交通に車が再び貸し出されておりまして、画像のように三重交通所有の車として運行されておりましたが、平成26年の正月3が日後に運行を終了しております。


尚、上の画像・以下画像の車(4012・三菱KL-MS86MP)は運行終了後に西鉄に返却されまして、旧西鉄高速バス所有として福岡~鹿児島線「桜島号」などの夜行路線におきましても使用されておりましたが、旧西鉄高速バスが解散しまして、西鉄バスに戻りました後に廃車となっております。
そして、福岡~宮崎線「フェニックス号(夜行便)」であります。
この路線は、冒頭にご紹介しました延岡経由ではなく、都城経由で運行されていたものでありまして、平成21年に夜行便は一度休止されておりましたが、23年3月のJR夜行特急「ドリームにちりん」の廃止によりまして、運行が再開されておりました。
しかし、昼行便が好調であるのに対しまして、この夜行便に関しましては利用客が伸び悩んだ事から、24年5月より毎週土・日・祝前日・祝日などの多客期運行に変わっておりました。
それでも、夜行便の利用客は伸び悩んでいたようでありまして、昼行便とは対照的な姿であったようであります。けれども、多客期福岡でコンサートやイベントがあったりする時や、2月に行われております福岡ソフトバンクホークスのキャンプ時におきましては逆に重宝していたようでもありますので、そう言った利用客にとってはありがたいものではあったようであります。
結局、平成25年3月をもって夜行便は運行を終了しまして、使用されておりました車は昼行便に回されましたりしておりました。尚、画像の車は「フェニックス号」の昼行便の他、宮崎~高千穂線などにも使用されていたため、冒頭の延岡経由便が入る事はあまりなかったようであります。
そして、福岡~延岡~宮崎夜行線であります。この路線に関しましては、先述の九州自動車道~宮崎自動車道経由ではなく、大分自動車道・東九州自動車道を経由する路線として、平成28年の運行当初から毎週金・土曜日及び祝日などに運行と、いわゆる週末を中心に運行されておりまして、旅行やレジャーなどに行かれる方を中心に利用する姿が見られておりました。
ちなみに、上の画像1にあります宮崎交通の車(宮崎200か・458、日野2TG-RU1ASDA)は、宮崎交通が運行に関わるようになった事から導入された車でありまして、夜行用車両は後述の三菱エアロバスに次ぐ導入となっております。そのつなぎとしまして、以下画像の旧西鉄高速バスより三菱エアロクィーン(西鉄社番4101、宮崎交通車番宮崎200か・430、PJ-MS86JP(現廃車))が貸し出されておりましたが、車体は塗装されたものではなくラッピングであったのが大きな特徴でもありました。
(旧西鉄高速バス所有時代)
しかし、令和2年からの「新型コロナウイルス」によりまして、同年4月に「緊急事態宣言」が発動された事を受けましてもう1つの福岡~鹿児島線「桜島号(夜行便)」とともに運休となりましたが、その後運行終了が発表されまして、結局再開される事もなく5月末を持ちまして運行終了へと至っておりまして、この結果九州内の夜行高速路線バスは姿を消すに至っております。
この運行終了に関しましては、私自身も正直驚いておりましたが、運休と言う長いトンネルに入りまして、運行終了が発表された事によりましてそのトンネルから抜けられなかった事に関しましては正直残念ではなかったかと思っております。何と言いましても九州内とはいえ夜通しの路線がなくなった訳でもありますので。
尚、使用されておりました車は昼行便に回されましたりしまして現在に至っております。特に「フェニックス号」昼行便では宮崎交通便は3列シートの運行となっておりますので、引き続きこれら車の活躍の場が見られております。
(宮﨑200か・489、日野2TG-RU1ASA)