国鉄の駅表示や旅客案内標などに用いられる国鉄書体は、「鉄道掲示基準規程」等の国鉄内部の規定集に記されており、「内部規定集」ゆえに雑誌などに掲載されることも稀でした。
「列車種別標」や「列車名標」(愛称板)などに興味を持ち始めた学生時代に、当時は秋葉原にあった交通博物館(現:鉄道博物館)や大阪の交通科学館(現:京都鉄道博物館)の資料室で「鉄道掲示基準規程」等の現物を確認することを始めました。
学生ということもあり、頻回に出かけることもままならず、資料収集に10年位かかってしまいました。
資料をコピーすることや写真撮影は禁止なので、メモを取るしかありません。
当時メモった文字は、書いた本人ですら読めないような汚い字だったので、最近になってパソコンで打ち直しました。
私が確認した「現物」資料の中で最も古い昭和29年発行の「日本国有鉄道掲示規程(昭和29年12月1日 総裁達第691号)」の一部分です。
表紙(再現イメージ)
昭和29年版の規定では、漢字の書体は「丸ゴシック体」となっています。
当時書き写したメモを張り付けてみましたが、薄くて読めませんね。
「参考」として鉄道掲示使用文字の書体が明示されています。
面白いのは、「かなの書体」の例示が、50音順ではなく、「い・ろ・は・に・ほ・へ・と・・・・」となっていることですね。
原書所蔵:交通科学館(大阪)⇒現 京都鉄道博物館




