続いての全駅間歩きは「立山黒部アルペンルート」。
富山・長野県境の山々を貫く、超有名観光ルートです。
でも、全駅間歩き?
アルペンルートはいくつもの乗り物で繋いでいますが、
このうちケーブルカーとロープウェイは広い意味の「鉄道」に分類されます。
昨年11月まで運行されていたトロリーバスも「鉄道」扱いでした。
トロリーバスはかつて大都市を中心に運行されていましたが、
次第に活躍の場が狭まり、近年では立山黒部アルペンルートで運行されるのみでした。
トロリーバスが廃止されてもアルペンルート自体は無くなりませんが、
「鉄道駅」では無くなってしまうので、「全駅間歩き」は成立しなくなってしまいます。
「全駅間歩き」として歩けるうちに歩くべく、
今回はケーブルカー、ロープウェイも繋いで、黒部ダムから室堂までを歩くことにしました。
乗り物で移動することが半ば前提のアルペンルートですが、
立山駅から黒部ダムまでは、併走するように登山道があります。
今回歩くのはそのうちの黒部ダム-室堂間ですが、標高差は1250メートル。
全駅間歩きとしては、谷川岳越えに次ぐ標高差です。
もちろん、今回も奥多摩で事前トレーニングを行いました。
後で登山定数を計算すると、事前トレーニングの方がハードだったという…。
というわけで、話を始めます。
9月7日、朝7時。
信濃大町で前泊し、朝イチのバスで扇沢駅に向かいました。
数年前まではトロリーバスが運行されていましたが、
一足先に電気バスに置き換えられました。
現在は「自動車駅」の扇沢駅ですが、
鉄道駅ではなくなっても、しっかり駅表記を通しています。
当日券売り場にはすでに100人近い列ができていた…。
事前にwebチケット買ってて良かった。
始発発車前というのに、最近接の駐車場はすでに満車。
今日は三連休じゃなくて、普通の土日ですよ。
こちらはそのまま待機列に並び、始発便に乗車。
朝7時半からものすごい人出。
バスは少し地上を走った後、長いトンネルに。
電気バスの走り心地は都バスの燃料電池バスと同じ感じ。
バスは15分ほどで黒部ダム駅に到着。
こちらも自動車駅。
鉄道駅ではなくなったとはいえ、
構内は鉄道駅時代と基本的に変わりません。
1面1線の「ホーム」が配置され、バスが複数台並んでいます。
地下道をしばらく進むとトンネルを抜けました。
トンネルを出た先は…
黒部ダムです!
近畿方面の電力事情逼迫に伴い
1956年から工事が開始され、1963年に完成しました。
完成までに幾多の困難があったのは、メディアで紹介されている通り。
かつては切り立った渓谷風景が続いていたそうですが、
今は広いダム湖が佇んでいます。
反対側からは豪快に放水が行われていました。
観光客が立ち入る時間帯に観光放水が行われているそう。
…それにしても凄い量。
その先には切り立った渓谷風景が続いていました。
下流に進めば、黒部渓谷鉄道の欅平駅があります。
黒部ダムから欅平駅へのルートも開通予定なので、
いつか断崖絶壁の水平歩道を歩いて駅間歩きをしてみたい。
9月7日(土) 歩行区間:黒部ダム-室堂 天気:曇り
黒部ダム(7:50発)-黒部湖(8:05)-
というわけで、立山黒部アルペンルートの全駅間歩き、スタート。
まずは黒部ダムの天端を歩いて黒部湖駅へ向かいます。
…ま、ここは対応する乗り物が無いので
厳密に言えば「駅間歩き」じゃないんですけどね。
天端を歩いた先に、次のトンネルが口を開けていました。
黒部湖駅はこのトンネルの中にあります。
トンネルに入って少し進むと、黒部湖駅の入口が見えてきました。
ここから黒部平駅までは黒部ケーブルカーが結んでいます。
鉄道距離は0.8kmで、両者の標高差は373メートル。
始発列車を待つ人が長い列を作っていました。
ホームは2面1線。
左側が乗車ホームで、右側が降車ホームです。
ほぼ全区間が地中で、駅を出るとそのままトンネルに入ります。
ちなみに、写真は帰りに撮ったものです。
この折り返し便は回送扱いでした。
今回は全駅間歩きなので、歩いて黒部平駅へ向かいます。
ここからが全駅間歩きの本番です。
(その2へ続く)
黒部ダム駅から黒部湖までのGPSログ(1/10,000)です。