今回の【駅】シリーズは、
京都府南東部、900人台と府内で最も人口が少ない自治体である笠置町の中心市街地に位置する関西本線の駅で、駅構内およびその付近には桜が多く植樹されていて、桜の名所として有名な駅である(Wikipediaより)、
笠置駅 (かさぎえき。Kasagi Station) です。
駅名
笠置駅 (駅番号なし)
所在地
京都府相楽郡笠置町
乗車可能路線
JR西日本:関西本線
隣の駅
亀山方・名古屋方……大河原駅
加茂方・JR難波方……加茂駅
訪問・撮影時
2024年2月
駅概要
駅形態……………地平駅(1897年開業)。
駅舎………………南東側に1955年改築の平屋建て木造駅舎あり。
出入口……………南側のみ。駅北側は木津川河川敷の笠置キャンプ場。
木津川北岸からは笠置大橋を渡って関西本線南側の笠置市街を経由。
車いす対応………×(駅出入口~駅舎内は段差なし。但し駅舎~ホーム間の跨線橋は階段のみ。
車両(キハ120形)もステップがあり非対応)。
点字ブロック……駅出入口~駅舎内~ホーム間に整備。
駅前広場…………○(簡易ロータリー・バス停留所あり。タクシー乗り場なし)。
駅舎です。1枚目は北西を、2枚目は北を、3枚目は北東を望む。
1955年に改築された木造駅舎をリニューアルして使用し続けています。
簡易委託駅で、左側がコンコースですが、右側の駅事務室部分は大半が店舗スペースへと転用されています。
店舗は「ほっとステーション与一」という飲食店で、おにぎりが評判だそうですが、Googleマップによると現在は臨時休業しているようです。
出入口に段差はありません。また、冬場は冷え込みますが、出入口に扉はありません。
小さな駅前広場が整備されており、簡易ロータリーが設けられていて、笠置町内循環バスと相楽東部広域バスの停留所があります。
一般車での送迎も可能ですが、ロータリーが狭くバスも通るので駐車は不可能です。
駅前です。南東を望む。写真奥には笠置山が見えます。
左手に駅舎があり、左前方に笠置産業振興会館があります。
駅東側~南側は笠置町の中心市街地が広がっていますが、笠置町の人口が900人台と京都府で最も少ないため、市街地の規模も小さいです。しかし、小さいながらも商店は点在しています。
また、直線距離で駅の約900m南東には標高288mの笠置山がそびえており、山頂近くには笠置寺があります。
笠置山から撮影した笠置駅の写真を鉄道雑誌やインターネットでよく見かけますが、桜の季節の写真が多いですね。
駅前通り(途中で笠置街道に合流)を南東へ進み、市場交差点(信号機なし)を左折して関西本線をくぐると、駅から約500mで写真の笠置大橋に到達します。
笠置大橋で木津川を渡ると北岸を通る国道163号線に突き当たります(笠置大橋交差点)。
そして交差点を右折して国道163号を少し東へ進むと、笠置町役場に到達します(駅から900m北東)。
国道163号沿い、役場付近には集落が形成されています。
写真は北を望む。
笠置大橋より西を望む。
木津川は川幅が広く、笠置駅(写真左奥)がある左岸(南側)の河川敷にはオートキャンプ場の笠置キャンプ場があります。
駅前です。西方向を望む。
駅舎の西側には公衆トイレがあります(多機能トイレはありません)。
また、駅のすぐ西にある小さい山の頂には栗栖天満宮が鎮座しています。
一方、駅裏の北側は木津川の河川敷で、そこには前述の笠置キャンプ場があります。
木津川の対岸を国道163号線が並行していて、その向こう側は山地です。
笠置駅は山間部にあります。
ホームより北東を望む。
駅舎内です。上写真は北東を、下写真は東を望む。
笠置駅は簡易委託駅で、窓口営業時間は7:00~17:50のみです(休業日は不明)。
私の訪問日(土曜日)は窓口にシャッターが下ろされていました。
駅員配置………簡易委託駅(出札窓口は7:00~17:50に営業も、休憩時間などは無人。
無人時は自動券売機できっぷをお求め下さい。
もし券売機の停止している場合は無人駅と同様、
乗車時に整理券を受け取り車内精算)。
自動改札機……なし(きっぷを所持している場合はそのまま入場・乗車して下さい)。
ICカード………利用可(但しカードリーダーは乗車列車の車内にあります。
また、JR東海エリア内からICカードで乗り越しの場合は
全区間現金精算になります)。
幅広通路………○(常用の右側通路は車いす通行可能。点字ブロック設置。
尚、跨線橋が階段のみで、車両もステップ付きなので、
車いすの場合は自力で駅を利用できません。
当駅にて乗降の場合は事前にJR西日本へお問い合わせ下さい)。
窓口……………出札窓口(改札跡の右手前)。改札窓口もありますが実質閉鎖状態です。
自動券売機……あり(右手前にあり。ICチャージ可。出札窓口でもきっぷを購入可能。
長距離きっぷや特急券を購入できるかどうかは不明。
無人時かつ自動券売機が非稼働の場合は無札で入場し、
乗車時に整理券をお取り下さい。車内や下車駅での精算になります)。
自動精算機……なし(車内精算です。乗り越しの場合は事前に運転士へ申し出て下さい
また、下車時IC残額不足の場合は全区間運賃が現金精算に)。
他改札設備……きっぷ回収箱(改札跡のラッチ内ホーム側に向けて設置)。
トイレ…………○(駅舎外西側に公衆トイレあり。多機能トイレなし)。
駅舎外設備……郵便ポスト・電話ボックス。
駅舎内設備……待合所(空調無し。ベンチ、ストリートピアノあり)。
改札跡~跨線橋の間にもベンチがあります。
売店……………なし(駅前の商店跡に飲料自動販売機あり)。
コンビニ………なし(1km圏内に店舗はありません)。
駅舎内です。上写真は南東を、下写真は北を望む。
駅事務室跡の一部は飲食店「ほっとステーション与一」が入居していますが、営業日・営業時間は事前に要確認です。
また、コンコースの大半は待合所になっていて、ベンチとストリートピアノが置かれています。
改札跡を通って左へ曲がり、少し歩くと跨線橋があります。左手前にはベンチがあります。
ホームとを結ぶ跨線橋は階段のみです。エレベーターはありませんので、笠置駅はバリアフリー非対応です。
北西を望む。
ホーム側より改札跡を撮影。南西を望む。右手が跨線橋・ホーム方向です。
改札ラッチ跡には集札箱が設置されています。
下り1番ホームに設置の建植式駅名標です。
非電照式で、反射材が使用されていないJR西日本の新タイプです。
下部は関西本線非電化区間のラインカラーである青紫色(?)が使用されています。
尚、関西本線非電化区間には駅ナンバリングが導入されていません。
縦型の駅名標です。
駅構造……地平駅(南東~北西方向)。カーブ地点にホーム有。
配線………島式ホーム1面2線(交換可能駅)。
左(南)は1番のりばで下り加茂・JR難波方面、右(北)は2番のりばで上り亀山・名古屋方面です。
1番のりばの左(駅舎側)には側線が1本ありますが、後方の駅舎前と前方のJR難波方でレールが途切れており、実質使用停止状態です。
ホーム有効長……9両分。但し名古屋方の2両分(後方)は使用停止中。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的にやや広いです。
点字ブロック……名古屋寄りの3両分(キハ120形4両分)に整備。
上屋(屋根)………名古屋寄りの1両分のみに設置。
ホーム上設備……ベンチ。
名古屋寄り(後方)には駅舎とを結ぶ跨線橋があります(階段のみ)。
また、ホームの名古屋方の2両分(跨線橋階段より後方)は使用しておらず、鎖により立入禁止になっています。
1枚目は跨線橋より、2枚目と4枚目は1番のりばより、3枚目は2番のりばより、全て加茂方・JR難波方を望む。
1枚目と3枚目は1番のりば(右)より、2枚目と4枚目は2番のりば(左)より、全て加茂方・JR難波方を望む。
ホームのJR難波方(手前側)は現在使われていませんが、長いホームは関西本線が幹線輸送を行っていた昔の名残と言えます。
JR難波方のホーム中央は舗装が省略されています。
線路右側の山の斜面や、線路左側の木津川沿いの法面には桜の木が植樹されています。
写真は2月撮影ですが、3月下旬~4月上旬になると桜の花が咲き誇り、美しい景色を楽しめます。
1番のりば名古屋寄りの側線沿いには、保線設備の跡を確認できました。
1枚目は1番のりばより、2枚目と3枚目は2番のりばより、4枚目は跨線橋より、全て亀山方・名古屋方を望む。
右側の1番のりばにも停車目標や出発信号機があり、前方には出発信号機が2線分あるので、どちらのホームにも発着可能です(但し普段は上下線ごとに発着のりばが固定されています)。2番のりば側の前方では安全側線が分岐しています。
跨線橋より先にもホームが延びていますが、チェーンにより立入禁止になっています。跨線橋の右前方には駅舎があります。
また、跨線橋からは笠置山を綺麗に望めます。言い換えれば、笠置山からも笠置駅を綺麗に望めます。
この先、笠置町の中心市街地を南東へ走りますが、すぐに左を流れる木津川と右から迫る笠置山などの山地に挟まれた渓谷沿いの断崖区間を東へ走るようになります。JR西日本特有の徐行区間も見られます。断崖区間には落石覆いが多く設置されていますが、トンネルは1ヶ所のみです。その後、左側の木津川沿いが少し開けてきて農村地帯が現れますが、やがて左へカーブすると木津川を渡ります。その後は木津川と離れ、右へカーブして左から寄り添ってきた国道163号線と並行して東北東へ走ると南山城村に変わり、国道163号が離れて右から近づいてきた木津川に沿って断崖区間を走るようになると大河原駅へと至ります。
上写真は1番のりばより、下写真は2番のりばより、いずれも加茂方・JR難波方を望む。
こちら側も双方の線路に停車目標と出発信号機があります。1番のりば側の前方では安全側線が分岐しています。
この先、右側を流れる木津川と左から迫る山地に挟まれた渓谷沿いの断崖区間を西へ走ります。やがて木津川市に変わり、しばらくすると左の山地が遠ざかって丘陵地へと変わり、右の木津川も離れて、開けた農村風景の中を西南西へ走ります。そして進路を南西に変え、左の丘陵地帯も遠ざかって市街地に入ると加茂駅へと至ります。非電化区間はここまでで、関西本線の気動車列車も加茂駅止まりです。加茂駅から先は電化区間の愛称:大和路線に変わり、奈良・JR難波方面は電車(221系)に乗換となります。
あとがき
下車(乗車)時・・・2024年
木津川沿いに位置する島式ホーム1面2線の交換可能駅で、構内には桜の木が数多く植樹されていて、桜のシーズンになると多くの観光客が訪れます。南側の名古屋方(東)に駅舎があります。1897年開業の歴史ある駅で、現在の駅舎も1955年改築と、なかなかの年代モノです。駅前は東側や南側に笠置町の中心市街地が形成されています。離れた東側には笠置山があり、そこから笠置駅を俯瞰した写真を書籍やネットでよく見かけます。
鉄路のみでのアクセス(ルートは一例です)
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
新幹線で京都~奈良線で木津~大和路線で加茂~
~関西本線亀山方面列車に乗換。
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
JR難波駅などから大和路線で加茂~関西本線亀山方面列車に乗換。
大阪からは『ICOCA』が利用可能。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし (1km圏内に店舗はありません)
飲食チェーン店・・・なし (1km圏内に店舗はありません)
東京からの到達難易度はやや高いですが、関西本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は笠置駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:JR西日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)
テーマ:近畿の駅(兵庫県を除く)