長野県上田市にある夢ハウス「民宿あずさ」は、かつて特急あずさとして走っていた183系特急券電車の中で泊まれるという、鉄道が好きなら一度は泊まりたい人気の民宿です。
あとで解説しますが、泊まれるだけではなく、車両が「生きている」ため、実機を使ったいろいろな体験もできるので堪りません。
しかし、民宿という、ホテルとは勝手が違うスタイルで、子連れやセキュリティなどに不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、そんな方々に安心して泊まってもらえるように、ボクたち親子が楽しんだタイムラインを紹介します!
<目次>
- 1.そもそもどんなところ?
- 2.予約と料金
- 3.交通手段
- 4.持ち物
- 4.待ち合わせ
- 5.チェックイン
- 6.客室はこんなところ
- 7.トイレと洗面台
- 7.自由遊び
- 7.夕食
- 8.お風呂
- 9.消灯
- 10.朝食
- 11.乗務員体験
- 12.チェックアウト
1.そもそもどんなところ?
夢ハウス「民宿あずさ」は、長野県上田市にある民宿です。
民宿の建物の中には、なんと!昔本当に特急あずさとして走っていた183系電車の先頭車両が鎮座しており、この車内で泊まることができます。
こちらのご主人の鈴木さん、40代の頃、仕事が解雇となってしまい途方に暮れていたとき、特急あずさに乗っている夢を見たんだそう。そのとき、ホームでは楽しそうに世界中のみんなが踊っていたんだそう。
その後、取り憑かれたようにJR東日本長野支社に車両を譲ってもらえるように何度も掛け合い、車両更新のタイミングにも恵まれて、譲渡が実現。
夢に導かれて、いまの民宿が実現、その後鉄道マニアの皆さんが手伝ってくれたりして、いまの民宿のカタチになったということでした。
2.予約と料金
まず、宿の予約は、ウェブサイトでできます。
ウェブサイト → 民宿 あずさ号 - 夢ハウスあずさ号
予約ページ → 夢ハウス<◆民宿あすさ号予約フォーム>
宿泊料金は、
・大人12,000円
・小学生9,000円
・幼児7,000円
・2歳未満 無料
土休日の前日や、夏休み、ゴールデンウィークなどは2,000円/人の割増料金があります。
また、宿を貸し切る場合は、
1人で貸切→5,000円/人
2人で貸切→4,000円/人
3人で貸切→3,000円/人
の貸切料金があります。
しかし、こちらの民宿、あずさの車両の他にいくつかお部屋があるのですが、かなりオープンな作り出すし、遊べる運転室もひとつだけなので、貸切をオススメします。
子鉄ファミリーが複数グループ同時に泊まったらメチャクチャ気を使いそう・・・。
3.交通手段
夢ハウス「民宿あずさ」は、長野県上田市の千曲川の近くにあります。
車だと上信越自動車道の上田菅平インターチェンジから15分ほど。
宿の駅長の鈴木さんが車で駅前広場まで迎えにきてくれます。
予約をすると、鈴木さんがメールをくれるので、新幹線の時間や上田での予定に合わせて待ち合わせ時間を決めます。
4.持ち物
夢ハウス「民宿あずさ」は、民宿なのでホテルのようにアメニティがありません。
ウェブサイトにも書いてありますが、
・洗面具
・バスタオル
・寝間着(ジャージ等)
・冬期はもう1枚暖かいもの!
これに加えて、
・フェイスタオル
・歯ブラシ、歯磨き粉
・ボディソープ、シャンプー、リンス
も持って行きましょう!
必要な人は、洗顔フォーム、化粧水、乳液、クレンジング、ヘアワックスなども忘れずに!
ボクは、ボディソープ、シャンプー、リンスを持っていかなかったので、なんだかスッキリしない宿泊になってしまいました。
4.待ち合わせ
上田駅前で待ち合わせをする場合、上田駅のお城口のロータリーで待っててくれます。
白いワゴンタイプの車で、ナンバーが6666とわかりやすいのですぐに見つけられます。
六文銭にちなんだナンバーにしたのかな?
5.チェックイン
宿に着くと、車両の中で宿帳に名前や住所を記入し、設備の説明を受けます。
夕飯の時間、朝食の時間などを決めると、あとは車両内で自由に過ごします。
もちろん、あずさの運転席にも入れますよ!
宿泊にはさまざまな体験がついていますが、それは翌日の朝食後のお楽しみとなります。
で、これが1番お伝えしたかったことなんですが、宿帳や宿ノートを見ると、メチャクチャ子鉄ファミリーが泊まっていることがわかります。
鉄道車両はかなり神経質な機械なので、宿主さんからするとヒヤヒヤなのかもしれませんが、遠慮なく子鉄の夢を広げてほしいと思います!
6.客室はこんなところ
客室は、もともとの車両に畳を敷いて、クロスシートとテーブルが置かれています。
ホンモノの車両なのでかなり広く感じます。(息子鉄とふたりだからかな?)
エアコンはもともとのものではなく、床置き型のものが設置されていて、思っていたよりも車内は暖かかったです。
フリーWi-Fi(パスワードなし)がありました。
コンセントは1ヶ所あり、タコ脚で2穴くらい使えます。
たまたまオンラインの打ち合わせがあったので、183系の中でテレワークをするという、令和と昭和が融合したような不思議な過ごし方ができました。


7.トイレと洗面台
トイレは、もともと車両にあったトイレを洋風に改修したものがあり、ウォシュレットもついています。
驚きなのが、トイレランプ!
特急列車の客室にはよくトイレが使用中の時に点灯するランプがありましたが、これがまだ生きていて、トイレのカギを掛けるとちゃんと点灯します。
トイレの向かいには、当日の洗面台があります。
こちらも改造されています。
洗面台にはタオルが備え付けられていましたが、自分で持ってきたやつを使いたいなと思いました。


7.自由遊び
初日は21時まで運転台やドア開閉で遊ぶことができます。
特にブレーキ操作は、空気ブレーキが生きているので、メチャクチャリアルな緩解音を楽しめます。
また、放送装置も当時のママ!
オルゴールのボタンを押すと、懐かしの鉄道唱歌のオルゴールが流れます。
そして、マイクのボタンを押して話すと、客室のスピーカーからちゃんと声が聞こえる、ホンモノの車両体験がやり放題!
車掌マイクを通すと、本当に声色が車掌ボイスになるから不思議。
ボクたちは、肉声放送のほか、YouTubeの車内放送をスマホからマイクに流して、客室で聞いて楽しむという遊びもしました。
なお、鉄道唱歌のオルゴールは、本当にオルゴールなので、連続で使うと壊れるんだそう。
オルゴールの巻き戻りなどを考えて、連続で流さないように。
また、ドア開閉もやり放題です!
運転席のドア開閉ボタンを押すと、本当にゆっくりとドアが開いたり閉まったりします。
ドア開閉ボタンは大人の目線の高さにありまふし、押すには割と指のパワーを使うので小さな事で子鉄はおとなと一緒にやれば安心です。


7.夕食
夕食は、ステキなお庭に面した和室に用意されて、釜飯、天ぷらが出てきます。
釜飯は本当の釜で提供され、ホクホクで味付けも最高でした!
なお、エビが入っています。(ヤーコンはエビを食べることができません。)
天ぷらは、カボチャ、さつまいも、ピーマン、ナス、舞茸など。
なお、海老天もあります。(ヤーコンはエビを食べることができません。)
よかったのが、息子鉄ががんばって、エビや舞茸を食べたこと。
これらは普段だと食べないんですが、民宿は宿の方の顔が見えるので、一生懸命食べてくれました。
こういう体験も食育につながりますし、作り手の顔が見えるということはとても大切なんだなぁと改めて実感。
なお、この間に車両では布団を敷いておいてくれました。
8.お風呂
お風呂は、ボクと子鉄(中学生)が2人で入っても余裕があるくらいの広さ。
洗い場はひとつです。
洗面もそうですが、お風呂でも創世水という水を使っているんだそう。
創世水は、水のクラスターを小さくしたお水だそうで、身体の酸化を防止したり、油の汚れを洗剤を使わずに落としたりできる効果があるとか。
創世水は、洗剤のない未来を目指した深井利春によって開発され、同じく上田市にあるアクアソリューションズという会社により販売されています。
しかし、ニセ科学という批判や、怪しいというネットでの話題もあり、ここでは深入りを避けます。
9.消灯
宿は21時に消灯となり、自動的に車両の蛍光灯が消灯、運転席やお風呂も使えなくなります。
車内は、和室によくある、紐を引っ張る蛍光灯があるので、こちらで明るくできます。
なお、トイレに行く時は、デッキの照明が自動的に点灯するので安心です。
なお、お布団はとても寝心地が良かったです。
10.朝食
朝、朝食の時間になると、放送装置で呼んでくれます。
昨日の夜は暗くてお庭は見えませんでしたが、朝改めて見るととてもステキです。
朝食は、白いご飯にウィンナー、目玉焼き、お味噌汁などのスタンダードなメニューですが、なんと!目玉焼きを半熟で仕上げてくれていて、これが嬉しかった!
ウィンナーもおいしいです。
息子鉄はシラスが大好きなのでご飯に載せていただきました。
ご飯が進むと駅長の鈴木さんがやってきて、かつてご自身が出演したテレビの録画を見せてくれました。
NHKの沁みる夜汽車や、鉄道BIG4が出てくる笑神様など。
笑神さまは、松井玲奈さんも出てきた長野県を巡る回で、かつて息子鉄と見ていたので懐かしかったです!
11.乗務員体験
ご飯を食べたら早速さまざまな体験コーナーとなります。
駅長の鈴木さんがスマホ撮影もしてくれて、運転席でのブレーキ操作、警笛、車掌放送や、ドア開閉など。
また、車両とは別に置いてある方向幕装置を回しながらの動画を撮ってくれたり、踏切を鳴らして(妄想しながら)あずさの通過を見送るなど、体験が一式を制服を着用して楽しませてくれます。
ただし、警笛を鳴らすのはこのときだけ、このときの車掌放送は定型文を読まされる、幕回しは自分で操作してはいけないなどの理由で、息子鉄がブチギレ。
しかし、事情もわかるのです。
特に警笛はご近所との関係もありますし、方向幕は本当に壊れやすいのです。
もはや鉄道遺産でもあるので、みんなで大切にしていきたいと思います。
12.チェックアウト
乗務員体験のあとに、宿泊料金を支払って、出発する時間を決めます。
最遅で10:00となります。
それまでは、車内で自由に遊べます。
時間になると、車を回してくれて、上田駅まで送ってくれます。
お疲れさまでした!
このあとは、息子鉄の上田電鉄撮り鉄に付き合ったら、生まれてはじめて自販機のルーレットが当たって、麦茶と缶コーヒーをゲット!
これも夢ハウスの効果かしらん?