東海道・山陽三十五次

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湘南モノレールのQR乗車券・タッチクレカ導入まとめ

2025年1月24日、いつものように湘南モノレールを利用しに行くと、改札口で見慣れない機器類が目に留まりました。
「QR」と書かれたその機器。他にもタッチクレカの読み取り機と思しき機器も設置されていました。

その後2月6日に正式なプレスリリースが出ました。「stera transit」を利用して2025年2月13日からQR乗車券およびクレカタッチを導入するとのことで、記事執筆時点では既に導入が完了しています。

そうと決まれば見に行かない手はありません。というワケで、湘南モノレールQR乗車券・タッチクレカ導入関連の記録をまとめておきます。

1月25日 (自動改札設置駅のみの機器設置)

まずは1月25日(土)の写真を。この時点では自動改札機設置駅である大船・湘南町屋・西鎌倉・湘南江の島の4駅のみ機器が設置されていました。

QR・クレカ読み取り部が追加された自動改札機。読み取り口はまだ黒いカバーに覆われている
機器増設部の拡大写真です。
この時点ではQR読み取り機・タッチクレカ読み取り機ともに黒い板で塞がれています。

一番手前にQR読み取り機が、QR読み取り機ときっぷ投入口の間に挟む形でタッチクレカ読み取り機が、それぞれ設置されています。

近鉄のQR・タッチクレカ対応改札機に似たレイアウトですが、機器自体は全くの別物です。

自動改札機全体のようす
改札機全体の画像です。
機器類は既存の改札機に増設・機能追加する形で設置されているようでした。


大船駅の自動改札機。奥から数えて2・3番目がクレカQR対応。3番目は車いすにも対応 大船駅の自動改札機(出場専用)。一番右側がクレカQR対応
大船駅では精算窓口から数えて2つ目・3つ目、および4つ目(出場専用)の改札機がQR・クレカ対応となっています。1つの駅で複数通路が対応しているのは大船駅だけです。

湘南町屋駅の改札口
湘南町屋駅では中央の1通路がQR・クレカ対応になりました。

西鎌倉駅の自動改札機
こちらは西鎌倉駅。2通路あるうち車いす対応の方の通路がQR・クレカ対応となっています。

湘南江の島駅の自動改札機
湘南江の島駅は中央の1通路がQR・クレカ対応となりました。やはり車いす対応の幅が広い配置のものです。

2月8日 (IC簡易改札機のみの駅にも設置)

1月31日(金)には、IC簡易改札機のみの富士見町・湘南深沢の2駅にて設置を確認しました。時間の都合で片瀬山・目白山下は確認できていません。
その後2月8日(土)夜に、湘南深沢駅のものだけ改めて確認しに行きました。

出場機のQR・クレカ読み取り部。カバーで封がされている 入場機のQR・クレカ読み取り部
出場機・入場機それぞれの読み取り部です。この時点ではカバーで覆われています。

出場用のクレカ・QR簡易改札機。筐体は青色で小さい 入場用のクレカ・QR冠位改札機。緑色の「入場」ステッカーが貼られている
出場機・入場機それぞれの外観全体です。構造について大きな違いはみられません。

先に江ノ電で設置されていたものとほぼ同じ機種と思われますが、江ノ電のものにはない排気口が下部に追加されています。さしずめ改良型ということでしょうか。
また、江ノ電のものは設置当初はQR読み取り部(白い小さな読み取り機)が無く、その後、一日乗車券「のりおりくん」デジタルチケットのQR対応時に追設されているという違いがあります。

2023年時点の江ノ電江ノ島駅のクレカ簡易改札機。QR乗車券読み取り機能が追加される前の状態。下部に排気口がない
▲参考:2023年5月5日時点の江ノ電のタッチクレカ簡易改札機

出場用の交通系IC簡易改札機とクレカQR簡易改札機の並び 入場用の交通系IC簡易改札機とクレカQR簡易改札機の並び
出場機・入場機ともに、既存の交通系IC簡易改札機と並べる形で設置されています。

床面の拡大画像。入場用の交通系IC改札機を移動した跡がある
入場用のものに関してはタッチクレカ改札機設置時に交通系IC改札機を数十cm移動させており、その跡が残っています。

出場機上部の白い箱。中からケーブルが伸びている 入場機上部の白い箱。その上には運行情報案内装置がある
出場用入場用ともに、改札機上部に白い箱が追加されています。処理を行うためのコンピュータでしょうか。

2月16日 (サービス開始後)

サービス開始後最初の日曜日に体験してきました。当然改札機の仮カバーが外されているほか、床面にステッカーの貼付けも行われていました。

自動改札機に追加されたQR読み取り部。稼働中でカバーが外されている
QR読み取り機です。読み取りが完了すると、白い部分が一瞬緑色に光るようになっています。

クレカ読み取り口とQR読み取り口 交通系IC読み取り口ときっぷ投入口、クレカ読み取り口、QR読み取り口が並ぶ
タッチクレカ読み取り機は周囲が青く光るほか、液晶画面が付いており、クレカタッチのアイコンが常時表示されています。

クレカ読み取り機に「PASS」の文字が表示され、緑色に光っている様子
QR乗車券を読み取った場合、この液晶に「PASS」の文字が表示され、青いランプが緑色に光ります。

「enjoy! Shonan Jet coaster!」の画面
自動改札機本体の液晶画面も連動しており、おなじみの「enjoy! Shonan Jet coaster!」の画面が表示されます。

大船駅の床面ステッカー
大船駅の床面ステッカーです。前述の通り、2通路以上にこれが貼られているのは大船駅だけです。

ホームに張り出された4枚のポスター。タッチ決済が利用可能であることを宣伝している 「タッチ決済でご乗車OK」のポスターが10枚並んでいる様子
告知ポスターが大々的に貼られていました。

出場用のクレカ・QR簡易改札機(稼働中) 入場用のクレカ・QR簡易改札機(稼働中) クレカ読み取り口の拡大。液晶画面にタッチ決済のアイコンが表示されている
こちらは自動改札機がない駅に設置の簡易改札機。

出場機周辺の床面ステッカー。「出場」と書かれている 入場機周辺の床面ステッカー
床面には、自動改札機設置駅とは異なるデザインの小さいステッカーが貼られています。


富士見町上りホームの出場用簡易改札機2台 富士見町上りホームの入場用簡易改札機2台 富士見町駅上りホームの様子
富士見町駅上りホームの改札機です。出場用・入場用のものがそれぞれ交通系IC簡易改札機と並べて設置されています。

下りホームで入口付近の簡易改札機4台 富士見町駅出口付近の様子
一方の下りのりばは、1階出入口付近に改札機が設置されています。
クレカ・QR改札機設置にあたっては、出場用の交通系IC改札機の位置をタイル1枚分奥側に移動させているようで、床に跡が残っていました。

湘南町屋駅の改札口
湘南町屋駅改札口です。1月25日からの変化としては、やはり床面にステッカーが追加されている点が挙げられます。

湘南深沢駅の出場用簡易改札機2台 湘南深沢駅中2階の入場用簡易改札機2台
こちらは湘南深沢駅。交通系ICのみ対応の時代と同じく、ホーム上に出場用、駅舎内(中2階)に入場用の簡易改札機が置かれています。
前述の通り、入場機は既存の交通系IC改札機の位置を左側に移動して設置されています。

西鎌倉駅の改札口 西鎌倉駅の自動改札機(クレカ・QR対応機)
西鎌倉駅です。こちらも床面にステッカーが追加されました。

シャッターが下りた窓口跡
また、窓口跡のシャッター上部にもタッチクレカに関するステッカーが貼られています。

片瀬山駅の簡易改札機4台
片瀬山駅です。交通系ICの出場機を線路側へ移動させた上でクレカ・QR改札機が設置されました。よつどもえのような配置になっています。

目白山下駅2階の入場用簡易改札機と券売機 目白山下駅の階段と出場用簡易改札機
目白山下駅です。従来通り、出場機・入場機ともに駅舎内(2階)に設置されています。
この駅については、既存の交通系IC改札機の移設は行われていません。

湘南江の島駅の改札口(改札内側) 湘南江の島駅の車いす・QR・クレカ対応自動改札機 湘南江の島駅の改札口(改札外側)
こちらは湘南江の島駅です。床面にステッカーが追加されています。

実際に使ってみた

QR乗車券は、湘モノ公式サイトとアプリ「RYDE PASS」の2か所で発売されています。
サービス開始後、クレジットカード(物理カード)・公式サイトQR・RYDE PASSQRの3通りの乗車手段を一通り試してみました。

クレジットカードのタッチ決済に関しては、交通系ICとほぼほぼ遜色ない速度で改札を行うことができました。タッチ時のサウンドは交通系ICとは異なるものが用意されています。

湘モノ公式サイトのQRについては、QR表示操作を行ってから実際にQRコードが表示されるまでの間に若干のタイムラグがあり、改札前に辿り着くまでの間に表示の準備を行っておくとスムーズに進めるかと思います。
また、入出場の記録がサイト上に表示されるようになっており、いつどの駅で改札を出入りしたのかが分かるようになっています。

RYDE PASSについてはQR表示にかかる時間が湘モノ公式サイトのものより長めで、より表示時間に気を遣う必要があります。

公式サイト・RYDE PASSともに、QR乗車券は読み取りにかかる時間がやや長く、駅舎から出る人々の列を少々詰まらせてしまいました(ごめんなさい)。やはり交通系IC・クレカと同等の速度にはならないようですので、交通系ICの人の波が捌けるのを待ってから改札を出た方が無難かもしれません。

Suica・PASMOなどの交通系ICでは神奈川県の鉄道で最後の未導入路線となるほど導入が遅れていた湘南モノレールですが、タッチクレカとQR乗車券の波には早期に乗ったようです。特に訪日外国人観光客にとってより利用しやすい環境が整えられたように感じますし、今後のさらなる処理速度の向上などにも期待したいと思います。

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