西武新宿線「大化け」のきっかけになるか? | あさかぜ1号 博多行
2025-03-16 01:04:37

西武新宿線「大化け」のきっかけになるか?

テーマ:鉄道ニュース

西武鉄道は一昨日(3月14日)、鉄道旅客運賃の改定の申請を行ったと発表しましたが、それに関連したプレスリリースの中で、現在新宿線で運転されている特急「小江戸」について、「ライナー型車両」に置き換えたうえで停車駅など運行形態も変更してサービスを刷新するという方針が示されました。
現在特急「小江戸」は10000系「ニューレッドアロー」によって運転されていますが、同形式もデビューしてから30年を過ぎ、廃車となった先代特急車5000系や通勤型車両101系から流用した機器類はそれ以上の経年となることから、10000系の後継車両をどうするかが課題になっていました。
そんな中、昨年5月に西武鉄道が発表した2024年度の設備投資計画の中で、10000系をすべて新たな車両に置き換えるとともに、新宿線系統の有料着席サービスを刷新するという方向で検討していることを明らかにしていて、今回の発表はそれを一歩進めた形となります。
これは西武新宿ー拝島間に運転されている「拝島ライナー」ともども、池袋・秩父線系統の特急と異なり通勤客や都市間移動の利用客の割合が大きい新宿・拝島線系統の実体にマッチした有料着席列車の新たな運転スタイルを構築しようというのが狙いということになります。
「小江戸」の後継となる「ライナー型車両」について西武は、「拝島ライナー」や池袋線の有料着席列車「Sトレイン」に運用されている40000系のようなクロス・ロング変換座席を備えた車両とし、一般列車とライナー列車のいずれにも運用できる車両とする方向で検討しているとのことですが、40000系の増備車とするのか新形式車とするのかはまだ検討中のようです。
そうなると、同じ車両を使用するライナー列車でも、運転時間帯や乗客のニーズによって指定席車(クロスシート状態)と自由席の一般車両(ロングシート状態)の比率を柔軟に変えて運用することができ、一部車両を指定席者として運転する南海本線の特急「サザン」や名鉄の一部指定席者特急
のようなスタイルで運転する場合はこうしたシステムは関東私鉄では初となります。
新たな「ライナー型車両」は2026年度中の運行開始が予定されているということで、10000系の活躍も最長であと2年ほどということになります。
西武新宿線では現在、中井ー野方間、井荻ー西武柳沢間、東村山駅付近での連続立体化工事が行われており、それらの工事の進捗具合にもよるでしょうが、このライナー型車両(列車)の登場のタイミングで、新宿線・拝島線をはじめとする関係路線では従来の常識にはとらわれない大胆なダイヤ改正が行われることも考えられます。
西武鉄道の二大幹線である池袋線系統と新宿線系統の間には、古くから車両やダイヤなどに関してのなかなか埋まらない格差が問題となってきましたが、特急「小江戸」のライナー列車への転換や今後の新宿線に予想される大きな変化は、これまでの池袋線系統と新宿線系統の格差を少しでも埋めていこうという考え方から、両線それぞれの個性を生かしつつそれにマッチした車両やダイヤの充実を図っていこうという姿勢への転換のきっかけになりそうです。
果たして、今後10年くらいの間で西武新宿線がどれだけ「大化け」するのか、沿線民歴50年近くの私としてはかなり楽しみなところです。

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コメント

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2  Re:無題

>北ポさん
数年後、新宿線のダイヤがどう変化するか、長年の利用客としてはかなり楽しみです。
新宿線は長い間、よくも悪くもあまり大きく変化していないことが特徴でしたが、今後のいろいろな変化で新宿線の世間での評価がどう変わるかも注目したいです。

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高架化が2026年度中に完成なら
そこで一気に施策実施なのかなと。
今後が楽しみです。