千葉ー三鷹間で運転されている中央・総武線の各駅停車(中央・総武緩行線)で1979年から2001年にかけて活躍した黄色(カナリアイエロー:黄色5号)の国鉄型通勤電車103系。
その黄色い103系が、千葉県いすみ市内で多数の貴重な鉄道車両を保存している「ポッポの丘」で復活したそうです。
詳細は下記の記事からどうぞ。
黄色い総武線、復活にファン感激 レトロ103系“千葉色”に染め いすみ・ポッポの丘 | 千葉日報オンライン
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/1412025
10年あまり訪れることができていない「ポッポの丘」ですが、クハ103が保存車両の仲間入りをしていたとは知りませんでした。「ポッポの丘」は今でも保存車両が順次増えているようで、近年では国鉄の荷物用電車クモニ83形や24系寝台車のオハネフ25形、京急旧1000形などの保存展示も始まったようです(一部車両はカットボディーでの展示)
このたびカナリアイエローに塗り替えられたクハ103-525は1966年に浦和電車区に新製配置となり、その後下十条→三鷹→豊田→中原の各電車区を渡り歩き、1994年の廃車後は東芝府中工場で鉄道総研の各種試験に供されていたそうです。ちなみに、「ポッポの丘」で展示されているクモニ83形は、クハ103-525とともに府中工場での試験に使用されていた車両とのことです。
クハ103の塗装は、同車が2020年に「ポッポの丘」に搬入された当初はオレンジ色、その後新製当初の京浜東北線時代と同じスカイブルーを経てこのたびカナリアイエローへの塗り替えが実現しました。
上記のようにクハ103-525自身は中央・総武緩行線や千葉県内で運用された実績はありませんが、再集配地区が南武線の中原電車区ということでカナリアイエロー塗装だった時期はあるので違和感はなく、総武・中央緩行線の103系を再現するには好適な車両かと思います。
中央・総武緩行線の黄色い電車は子供の頃からかなり身近な存在で、カナリアイエローの営業用電車が姿を消して久しい今も、私が千葉と聞いてまず連想するものの一つに黄色い総武線の電車があります。
中でも、中央線西荻窪の某予備校に通っていた浪人時代やその後千葉市内の大学に通学していた大学時代には中央・総武緩行線の黄色い電車、そして黄色い103系はすっかり日常の存在でした。
当時の総武線の103系は一桁ナンバーの最初期車から最終増備に近いナンバーのものまで製造年次も様々な車両が活躍し、両端のクハ103も初期の低窓タイプからATC対応・非対応それぞれの高窓タイプとバラエティーが豊富で、その他にも延命のための更新工事の施工の有無など細かな違いを含めるとかなり興味を惹かれる存在で、乗るたびに今度はどんな車両にあたるか楽しみだったのを思い出します。惜しむらくは当時「撮り鉄」活動をしておらずこれら103系の記録を残しておくことができなかったことですが…
ともあれ、24年ぶりに千葉に復活したカナリアイエローの103系、今後も末永く「国電」の歴史を令和の世に伝えていってほしいものです。