2025年3月14日(金)
こんばんは。本日は東京駅へとやってきました。
いよいよ明日に迫った、2025年春のダイヤ改正。これに先駆け、本日限りで運行を終了するこちらの列車に乗車していきます。
というわけで乗車するのは、東京21時15分発の特急〔はちおうじ5号〕八王子行です。
当ブログでも度々ご紹介している通り、中央線・青梅線では2025年3月15日のダイヤ改正から2階建ての普通列車グリーン車がいよいよ本格的に営業を開始します。これに伴い、平日朝夕に運行されていた特急〔はちおうじ〕〔おうめ〕の運行が終了となり、本日3月14日はその最終運行日となります。
平日夜のはちおうじ号は東京駅を18時00分、20時15分、21時15分にそれぞれ中央線ホームから発車。その中でも今回乗車するのはラストランにあたる、21時15分発です。
東京駅では21時05分発の高尾行が発車したのち、2番線ホームに入線。この間にも08分発(立川行)と12分発(高尾行)がありますが、どちらも1番線からの発車です。
1・2番線ホーム上には、私を含め大勢の鉄道ファンがラストランの様子を記録しています。
使用車両はあずさ号・かいじ号等でもお馴染みのE353系。行先の表示は「八王子」だけでなく「立川」も併記されており、終点まででなくとも立川までの需要も小さくないことが容易に想像されます。はちおうじ5号は12両編成での運行となっており、ホームいっぱいに停車します。
ホーム上の指定席券売機は、なるべく少ない操作の数で特急券を購入できるように方面別・列車名別の選択画面が設定されています。オレンジ色のボタンで確かに「はちおうじ・おうめ」の文字がありますが、これが見られるのも今夜までです。
21時15分、列車は時刻通りに東京駅を発車。この先新宿、立川、終点八王子の順に停車します。
まずは次の新宿まで、かなりゆっくりとした走り。特急といえどこの区間では前を走る快速列車を追い越すことができないため、先行列車がつかえている間は所要時間の面で快速列車とそれほど大きな違いはありません。
発売状況は各座席上方のランプの色で確認することができます。金曜日の夜、またラストランということもあってか東京駅を発車する時点で緑色(発売済み)がかなり多い印象です。また空席についても全てオレンジ色(まもなく予約区間)であったため、次の新宿を発車すると満席となっている可能性が高そうです。
東京~八王子駅間(47.4km)の特急料金は通年同額の760円。えきねっとでチケットレスにて購入すると100円引きの660円となります。着席保証のあるJRの特急料金としてはかなり安い部類なのではないかと思います。
21時29分、新宿駅に到着。当駅からの乗車をもって、予想通り車内は満席になりました。一応座席未指定券(指定席特急券と同額)でデッキを利用することもできますが、着席保証があることが最大のメリットであるこの列車において、座席未指定券を購入してまで乗車する方はあまりいらっしゃらないでしょう。
21時30分に新宿駅を発車。この先もしばらくはゆっくりとした走りが続きます。
というのも、この列車より東京を3分早く(21時12分)発車した高尾行が行く手を塞いでおり、これを追い越せる三鷹まではゆっくりと走らざるを得ません。
三鷹でようやく先行の高尾行を追い越すことができ、列車は一気にスピードアップ。
ちなみにその快速列車の方はというと、都心部を離れてもまだかなり混雑している様子。全車指定席で超快適なリクライニング・コンセント・Wi-Fi完備の特急とは対照的です。
その後武蔵小金井と国分寺でも、それぞれ先行の快速列車を追い越します。新宿~立川駅間で3本も追い抜くとは少し意外でした。
東京を出て41分、21時56分に立川駅6番線へ到着。通常の快速列車であれば55~60分ほどかかる距離ですので、明確に所要時間の面でも特急が優勢であるといえます。
ちょうど向かいの5番線ホームには21時58分発の青梅行が待機しており、はちおうじ5号からの接続を取っています。この青梅行は東京を20時56分に出発しており、立川には21時53分に到着してはちおうじ5号の到着を待っているようです。なお東京21時01分発の高尾行は通勤快速のため、はちおうじ5号は追いつくことができず八王子・高尾方面へ逃げ切ります。
立川ではある程度の降車もあったものの、先日のおうめ1号への乗車時と比較するとそれほど多くはありませんでした。これは車内における鉄道ファンの割合が通常よりもやや高く、私を含め「ラストランなので終点まで乗り通したい」という乗客の割合が上がっている可能性がありそうです。
21時57分、立川駅を発車。多摩川を渡る頃に車内放送が入り、特急はちおうじ号は本日が運行最終日であること、明日からはグリーン車の運行が開始されること等がアナウンスされていました。
八王子駅に特急が停車すること自体は何ら珍しくありません。ただ、E353系の車内に「まもなく 終点 八王子」と表示されるのは本日この瞬間が最後となります。
中央線・青梅線のライナーの歴史は1991年の〔おはようライナー高尾/青梅〕〔ホームライナー高尾/青梅〕運行開始に遡ります。当時は座席定員制であったため、乗車券・定期券のほか310円のライナー券を購入すれば乗車することができました。
1999年にはライナー券が500円へ値上げとなるも、2001年には全車指定席の〔中央ライナー〕〔青梅ライナー〕へとリニューアル。増発や運行区間の延長など時代に合わせて変化をしながら、そして2014年の消費税増税も乗り越え、2019年に現在の通り特急〔はちおうじ〕〔おうめ〕へと格上げされた歴史があります。
22時07分、時刻通りに終点の八王子駅へと到着。特急はちおうじ号としての運行は全て終了し、6年の歴史に幕を下ろしました。
列車は回送となり、引き続きの乗車はできません。全ての乗客の降車を確認したのち、ドアが静かに閉められました。22時34分頃にこのホームを離れるようです。
ホームの途中には、まもなく使用開始となるSuicaグリーン券売機らしき機械が既に設置されています。「全車指定席の特急」から「普通列車グリーン車(自由席)」へその役割を受け継ぐことについては、往々にして「着席保証がない」ことがデメリットとして挙げられる一方で、運行本数の大幅な増加のほか、これまで特急が通過していた途中の各駅へも乗り換え不要のまま利用できる点などがメリットとして考えられます。
グリーン料金は他の線区と同様、Suicaグリーン券で750円から、紙のグリーン券で1,010円からとなります。なお中央線・青梅線とその他の路線でのグリーン料金の通算はできません。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。