NO.3194 今回改正で全車定期運用終了、JR貨物門司機関区ED76所属全8両&過去運行シーン | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 3月15日のダイヤ改正によりまして、JR貨物の九州内の電気機関車の運用に関しまして、大きく変化が見られるようになる事はご覧の皆様もご存知の方がいらっしゃるのではないかと思います。

 

 この改正では、令和3年からこれまで増備しておりました、上の画像のEF510形電気機関車が、予定両数であります17両(301~317)全て揃う事になります。既に、日豊線(北九州(タ)~延岡間)・鹿児島線(北九州(タ)~鹿児島間)・長崎線(鳥栖~鍋島間)の貨物列車が運行する全線で見られておりましたが、一部ED76形電気機関車・EF81形電気機関車の運用も残されておりました。

 

 これによりまして九州内はEF510形電気機関車中心の運用に変わる事にもなりまして、いよいよ国鉄時代より運行されておりました両電気機関車も終焉を迎える事にもなるようであります。

 

 そしてこの離脱車両の中には、以下画像のEF81形電気機関車も含まれておりますが、中でも画像の「銀釜」として慕われておりました303号機も定期運用終了の対象ともなっておりまして、この機関車自体も既に九州内最古参の車両にまで至っておりましたが、ついに51年の車生を全うする事にもなるようであります(この話題は後日改めてご紹介させていただきます)

 

 

 さて、今回定期運用終了する事になりますのは、九州内を運行しておりましたED76形電気機関車でありまして、こちらも国鉄時代から運行されておりましたこの電気機関車も姿を消す事にもなるようであります。今回はそのED76形電気機関車に関しまして、現状に加えまして過去の画像より皆様にご紹介してまいります。

 

 九州の交流電気機関車でありますED76形電気機関車は、運用末期の時点では、JR貨物門司機関区8両が所属しておりまして、九州内各地で活躍する姿が見られておりました。

 

 その運用は、現在は貨物列車としての運用が5運用が存在しますが、改正前までの時点でEF81形電気機関車や、EH500形電気機関車に代走しまして運行する姿も見られておりまして、特にEF81形電気機関車に関しましては交直流の電気機関車であるとはいえ、九州内の運用しか持たない事もありまして、より交互に使用している部分も見られておりました。

 

 

 そんなED76形電気機関車は、昭和40年に製造されました1号機から94号機までを0番台、そして昭和45年から昭和54年までに製造されました1001号機から1023号機までを特急用として導入された1000番台として製造されておりまして、合計113両に及んでおりました。現在も九州鉄道記念館には1号機の先頭が見られますが、この1号機からこのED76形電気機関車の歴史は始まったと言ってもいいかと思います。

 

 

 その後、昭和62年のJR化の時点でJR九州に36両 (42・60~94)、JR貨物に25両 (37・43・55~59・1006~1023)の計61両と半数近くが姿を消しておりましたが、平成23年にはJR九州に所有していた車両のうち、最後に残されておりました0番台最終号機のの94号機が廃車となった事でJR九州では0番台は全廃となっております。

 

 (94号機)~平成22年リバイバル運行時撮影

 

 そのJR九州所有車も、大分車両センターに所属しながら、かつてはブルートレイン運用にも入っておりましたが、平成21年に廃止されましてからはリバイバルや工臨の運用にも入っていたようですが、そんな運行する姿ももう見る事はできなくなっております。

 

 (90号機)~平成21年撮影

 

 (91号機)~平成29年撮影(現在は解体されています)

 

 

 そして、先述のように貨物列車の運用も存在しておりまして、現在まで九州内で運行されておりました。この運用は、もちろんJR貨物の車両のみの運用でありますが、それでも九州での貨物列車の先頭としての役割は十分果たしておりました。

 

 そんな現在まで門司機関区に所属しておりますのは8両と、運用が5運用しかない事を思いますと適任の両数ではありますが、0番台も最後まで残されておりました1両が既に運用を離脱済み、元々貨物・特急専用として登場しておりました1000番台も7両が所属するものの休車中であった車もありまして、既に運用内にEF510形300番台電気機関車が入り込んでいた事が伺わせております。

 

 

 まずは、過去に収めておりました現存しない車両です。画像の0番台最古参車でした37号機、1000番台の1008号機は昭和45年に製造されましたグループの車両でありまして、37号機に関しましてはJR貨物の試験塗装まで施した車両でもありました。

 

 (37号機)~平成23年撮影(離脱後)

 

 (1008号機)~平成23年撮影

 

 

 以下の3両は、56・58号機が昭和49年製、83号機が昭和51年製、1016・1023号機は昭和54年製であります。このうち1023号機が最も新しい車両でありましたが、平成26年に離脱、令和2年に解体されております。それにしても、ED76形電気機関車の末っ子が先に廃車・解体へと至っていたとは、正直残念な所でもありましょうか。

 

 (56号機)~平成24年撮影

 

 (58号機)~以下画像平成23年、その下の画像平成25年撮影

 

 (83号機)~平成30年撮影

 

 (1016号機)~平成29年撮影

 

 (1023号機)~平成25年撮影

 

 

 ここからは、現存しております全8両であります。これらは運用を離脱しております0番台の81号機が昭和51年製、それ以外の1000番台7両が全て昭和54年製といわゆるそれぞれ番台の最終グループにあたる車両でもあります。これらは、全て車両の更新が行われておりまして、その証として側面に短い白線が入っているのが特徴でもあります。

 

 【0番台(昭和51年製)】

 (81号機)~令和6年撮影

 

 【1000番台(いずれも昭和54年製)】

 (1015号機)~平成30年撮影

 

 (1017号機)~令和4年撮影

 

 (1019号機)~平成26年撮影

 
 (1020号機)~平成25年撮影

 

 (1021号機)~令和4年撮影

 

 (1022号機)~令和3年撮影

 

 

 ここからは、千早操車場(撮影場所は西鉄貝塚線名島駅)で収めておりました、ED76形電気機関車の入換シーンであります。この時の牽引機は1021号機、運行列車は福岡貨物ターミナル発鍋島行きの4083レ(当時)でありまして、本線と通じる線路の横にあります引き上げ線を使いまして機回しを行うようになります。

 

 1021号機は、上の画像の位置からゆっくりと進みまして、引き上げ線へとやってまいりました。私自身、この千早操車場の詳しい配線は存じておりませんでしたし、加えまして博多方に引き上げ線がある事を存じていませんでしたので、これでこの存在を知ったほどでありました・・・。

 

 

 その後は、再び操車場内へと進みまして、今度は博多方先頭車の方へと移りまして、最終的には併結完了に至る事にもなります。ちょうどこの時にはその下の画像にもありますように、811系電車が千早操車場を通過しておりまして、辛うじてツーショットを収める事ができておりました。

 

 (辛うじての811系電車とのツーショット)

 

 

 その後、併結を終えまして4083レが千早操車場を発ちまして、鍋島駅へと向かって行きました。その下にあります画像が本線へと入る事になる姿でもありますが、小豆色のコンテナばかりの中での赤色(機関車)の姿は同じ赤系でも目立っている事が伺えるのではないでしょうか。

 

 (本線に入るシーン)

 

 ちなみに、この列車では番号もない謎(!?)のコンテナが積まれておりまして、塗装も白地の形であります。正直変わっているコンテナだなと思う所ではありますが、何もなければ逆に目立っているようにも思う所ではありましたでしょうか。

 

 (全体)~1両の3個目に入っていました

 

 

 今回は、ダイヤ改正で全車定期運用を終了する事にもなります、JR貨物門司機関区所属のED76形電気機関車に関しましてご紹介しましたが、国鉄時代より九州の客車・貨物列車の先頭を務めてきた代表的な車も、JR貨物移管後38年でついに全車定期運用を終了に至った事は、全車が40年以上経過している事を思えば致し方ない所です。ましてや、EF510形電気機関車が17両も揃っている事を思いますと、EF81形電気機関車を含みまして古参車両の離脱も致し方ない所ではないかとは思いますので。とにかく、冒頭でもご紹介しました「銀釜」EF81 303号機が特に伝えられておりますが、これら機関車に関しましてもお疲れさんと言いたいと思います。