2025/2/20-21に山梨県にリニアの撮影に行ってきました。撮影の様子は前回の記事にまとめましたが、今回はこれから撮影や見物に行かれる方の役に立てるような撮影地などの案内としたいと思います。目次のリンクを選択で各項目に行けるようにしましたのでご活用ください。
➀山梨リニア実験線の概要
➁山梨リニア実験線の撮影地
➂リニアの走行予定
➃おわりに
➀山梨リニア実験線の概要
まずは山梨実験線の概要から。公式HPを見て頂くのが早いが、要約するとリニア中央新幹線の開業に向けて車両や線路の試験を行っていて、開業後には中央新幹線の一部となる実験線である。全長は42.8 kmで、途中の山岳地と標高の低い甲府盆地の間に最大40‰の勾配(1000 m進むと40 m垂直方向に上がる傾き)もある。
実験線全線での走行試験が始まったのは2013年で、それまでは先行開業区間の18.4 kmで走行試験を行っていた。有人で531 km/h・無人で550 km/hの当時の世界記録を取ったのも先行区間内だったので、随分と短い区間で記録していたことになる。
(JR東海 山梨リニア実験線について) https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/yamanashi/about/
(JR東海 山梨リニア実験線ルート) https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/yamanashi/route/
余談だが、公式HPがかなりしっかりまとまっていたので、何事も調べる際にはこうしたブログ以外にも公式HPを当たるのが大事なのかもしれない。
➁山梨リニア実験線の撮影地
山梨実験線はほとんどがトンネルとシェルターに囲まれているせいで走行している車両を見ることができるのはわずか2区間しかない。加えて、リニアの線路わきには高い壁がそびえているので、車両を見たいのであれば真横あるいは上から見下ろすしかない。
リニア実験線は山岳地帯にあるので山に登ってみおろせば良いが、そこまで都合のいい場所もほぼない。よって現在公開されているわずかな撮影地がほぼすべてのリニアの撮影地だと思っていいだろう。
山梨実験線のシェルターがない明かり区間は以下の2つの航空写真で示す区間だ。大阪寄りから笛吹市内と都留市内にある。それぞれ撮影地と併せて紹介する。
ちなみに笛吹市から都留市への山岳地帯はリニアはトンネル区間だが、同じ区間を通っている中央道は笹子トンネルを使っている。
笛吹市内の明かり区間は山梨実験線の西端で、走行試験の折り返し地点に当たる。最高速度近いスピードではないがゆっくり写真を撮りたいのであればこちらの区間が良いだろう。実験線はちょうど東西に延びており、東端には花鳥山展望台、西端にはリニアの見える丘八代ふるさと公園がそれぞれ展望地として整備されている。
いずれも実験線の南側にあり、北側に広がる甲府盆地と絡めた写真の撮影ができる。
花鳥山展望台からは更に南アルプスや八ヶ岳をバックにすることができる。花鳥山展望台にはリニアの走行地点の実況画面がある。
(花鳥山展望台) https://maps.app.goo.gl/cXxEJuSNWtvEVc3b7
リニアは一往復15分ほどなので昼食持参で屋根の下のベンチでまったり食事をとりながら待つことができる
花鳥山展望台から200 mほど登ったところにある、一本杉広場駐車場や浅間大神社境内からは更に高いところからリニアを見下ろすことができる。
リニアの見える丘八代ふるさと公園は手前のシェルター区間が長く、リニアを間近に見ることは難しそう。と思って訪問しなかったので作例は無い。
花鳥山展望台を午前中に訪問するのがベストだろう。いずれの場所も無料駐車場付きだ。公共交通機関を使われる場合は、甲府駅から出ているバスを利用されたい。更に詳しい立ち位置はこちらが参考になる。
(笛吹市リニア見学スポット) https://www.fuefuki-kanko.jp/scontents/fuefuki-linear/
見学センター付近の区間ではリニアが最高速度近くの500 km/hで通過していく様子を見ることができる。
山梨県立リニア見学センターやその隣にあるわくわく山梨館ではガラス越しや細かいネット越しにリニアを見ることになるので写真撮影には向いていないと思う。ただ、リニアが高速で通過していく様子を最も近くで見ることができる場所である。テレビなどで流れる動画もこのあたりで撮影されたものが大半である。
気軽に動画撮影したい場合や家族連れでのんびり見たい場合はこちらが良いだろう。両方の建物内にリニアの現在地がわかる表示(花鳥山展望台と同じもの)がある。
リニア見学センターは入場料がかかるが、わくわく山梨館は入場無料だ。いずれの施設の利用であってもすぐ近くにある無料駐車場が利用できる。
手前のホーム屋根が邪魔でもっと奥から撮影をしたいが奥の建物は開放されていない。
リニア見学センターの展望デッキから見た通過列車の様子はこちら。網越しに見ることになるが、最も近くからリニアの高速通過を見ることのできる場所である。
(山梨県立リニア見学センター)
https://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/
(わくわく山梨館)
https://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/facility/yamanashi-info.html
見学センター付近の撮影地としては、見学センターの北側にあるリニア展望広場があるが、その更に上の急斜面の階段を上ったところに展望台がありそちらのほうが良い画が撮れる。いずれの場所からも良く広報映像などで見る橋と絡めた写真を撮ることができる。見学センターの無料駐車場から徒歩で行くことができる。
橋の奥のほうだと側面が防音壁で隠れ、手前だと橋の影がかかる
また、見学センター付近の明かり区間では富士山と絡めた写真を撮ることができる。
札金ビュースポット(35°35'19.3"N 138°56'10.6"E)はその一つ。行ってみると看板があるのでわかる。午前順光。こちらは車通りの少ない広い道路脇にあるので、路駐して撮影できる。付近に放置車両があるのでその傍に駐車すればよいだろう。
東南東に向かって線路が伸びているので撮影は午前がおすすめ。
札金ビュースポットから更に山奥に入って文字通り登山したところに、富士山・リニアビュースポット(35°35'19.3"N 138°56'10.6"E)がある。現地の看板曰く25分登山となっているが、30-40分は見たほうが良いかもしれない。登山道は急斜面なので晴れた日の路面が良い状態に訪問するのが良いだろう。九鬼山のコースの一部である。こちらは登山客用に駐車場が整備されている(35°35'19.3"N 138°56'10.6"E)。
現地に看板があるとはいえ、ややわかりづらいので行き方を掲載する。
駐車場はこの先にある。
右下に写っている川を、岩の上を伝って渡る必要がある。
九鬼山池ノ山コースと登山道は一致している。
管理人は渡りやすそうな別の場所を渡って登山道から外れて急斜面を登る羽目になった。
登山道の途中で右側が開けている場所がビュースポット。
看板の奥は斜面なので滑落に注意されたい。良いアングルの撮れるキャパは意外と狭い。
手前の木があるので富士山とリニアが中央道を渡る橋を1枚にまとめるのは難しい。
ビュースポットからの作例をいくつか示す。順光は午前中なので昼前には現地で撮影できるようにしたい。
左下で手前に延びているのは富士急行の線路。
JR東海の施設があるとはいえ、関東とのつながりが強いことが分かる
以上が主な撮影地だ。基本的に午前中に光線の良い撮影地が多いので午前撮影で午後に見学館に行くのが良いのかもしれない。効率よく回れば1日で回りきれる気がしなくもないが、管理人は全2日使って撮影して回った。
➂リニアの走行予定
リニアの走行試験予定はリニア見学センターのHPで確認できる。
(山梨県立リニア見学センター カレンダー)
https://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/sp/calendar/index.html
基本的に日曜休みな他、長めの年末年始の休み、ゴールデンウィーク休暇と8月休み上旬~中旬は休みがあるようだ。
それ以外にも走行試験がない日もあるので確認の上、訪問したい。見学センターの開館日と走行試験日に関連はなく、どちらかのみという日もあるので注意が必要。
管理人は走行試験日に2日間訪問したが、2日間とも朝9時から18時まで試験が予定されており、実際10時には走り込みがすでに始まっており、昼頃に休止を挟んで、14時過ぎより再び走行試験をするというスケジュールだった。
試験予定時間は試験当日に見学センターにて公開なので、撮影日は最初に見学センターに行って予定を確認するのが良いのだろう。
走行試験では基本的に全線の折り返し運転をしており、折り返し時間はかなり短かった。16分ほどで往復しているので、実況中継のないポイントでは最初の1往復でタイミングを計って撮影に臨むとよいだろう。試験中の本数自体は多いので満足いく撮影まで粘ることができる。
甲府盆地は冬でも積雪がほぼないので、天気次第だがノーマルタイヤから交換していない方でも冬に向かうことができる(富士五湖付近は標高が高く路面凍結や積雪もちらほらあるので事前に積雪を調べるなど注意が必要)。冬の雪山をバックに走る姿も良いが桃の季節に走る姿も良いだろう。リニア中央新幹線が開業するころには騒音問題でおそらく、現在の明かり区間も他区間同様にシェッドで覆われてしまうだろうから今のうちに記録しておきたいところだ。
不明な点等ありましたら本ページのコメント欄及び本ブログのプロフィールや最初の記事内にありますGoogle formよりお問い合わせください。
追記
リニア中央新幹線の旅はこうなるであろうという乗車記が面白かったのでリンクを貼っておく。
(202X年リニアの旅はどうなる? 時速500kmの世界は「ふわふわリズミカル」(追記・訂正あり) 2020/10/31掲載)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/abe5d92fe224bd1e9a20f22cf5ade536898ec835