3/6、鉄道博物館と東武博物館の連名で、鉄道博物館の営業線と繋がっている引き込み線にて、東武亀戸線・大師線で運用されていた8000系8500型8577Fを4/5～5/19にかけて展示することが発表されました。
鉄道博物館の引き込み線で私鉄の車両を展示することは初となります。
類似した企画は京都鉄道博物館にて展示された近江鉄道100形と言った例もあります。
今回は鉄道博物館で東武8000系が展示されることとなりましたが、他の鉄道事業者の車両でも鉄道博物館で展示される機会が出てくるのか期待されます。
東武8577Fが大宮・鉄道博物館で企画展示
3月6日、鉄道博物館・東武博物館は連名でプレスリリースを発表し、東武8000系8500型8577Fを鉄道博物館で展示することを発表しました。展示期間は4月5日から5月19日までを予定しており、展示場所は屋外のE1系が展示されている場所の隣り
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コメント
今回の展示次第でしょうね。どれだけ客が集まるか、どれだけの鉄道会社が｢大宮で展示·PRしたい｣って思うか、展示終了後のデータが気になります。
京都鉄博の例だと、展示された車両に合わせて沿線自治体が観光PRを行っています(227系1000番代展示時に和歌山県がPR等)。逆に自治体からPRの場として活用しても面白そうですね。
JR東日本と東武鉄道は特急の相互乗り入れなどで協力関係にあるから実現した企画でしょうね。首都圏の民鉄各社だと
・東急⇒旧東急車両の縁があるから可能性はなくはない
・小田急⇒自前のミュージアムを持っているので可能性なし
・西武⇒JRとの関係が薄い
・京王⇒JRとの関係が薄い、線路の幅が合わない
・京急・京成⇒標準軌のため不可
と言った感じでしょうか。
地方民鉄だと秩父鉄道がSL協力の縁もあるので可能性がありそうです。
鉄道博物館開設(移転)以前の記憶はあまり頭に残ってませんが、大宮工場(当時)にJR九州787系実車が展示されたのが当時衝撃的でしたね。もうそれから30年近く経過しました。
後発の京都鉄道博物館が引き込み線を活用した展示を積極的かつ日常的に行っているのとは対照的に、(大宮)鉄道博物館ではそのようなイベントがほとんど実施されてこなかったのは勿体無かったように思われます。岸由一郎氏がもしご存命であったらこれまでどんなイベントが開催されてきたでしょうね。鉄道関係のメディアも車両そのものが絡むイベントが無いと積極的に情報を取り扱わない傾向があり、これまで随分と損をしてきているように思われます。
博物館開設の企画提案を行う会社の方とその本業外の場面でかつてお会いしたことがありますが、常に既存施設を上回る新しい提案を求められ続けていると話していました。
西武は戦後(というと近年はメディアでも滅多に言わないので、太平洋戦争後)は国鉄と人的・技術面でも付かず離れずの関係があったように思いますが、国鉄分割民営化以後はその関係性はめっきり影を潜めています。
横瀬車両基地がまるで露天の車両博物館のようになっていますが、近隣でよく往来される国道からは見えない位置に所在していますので、鉄道利用される方以外にあまり知名度が上がっていないのではないかと思います。
先に事例(但し旧大宮工場での話)を挙げたJR九州787系展示(1994年)の件ですが、あれがなぜ実現したのかいまだに正解を知りません。
ただ、JR九州で社長を務めた石井幸孝氏(787系の展示実現時期にJR九州社長として在任)がかつて技術者としてキハ81系の試運転に係わり、その際の技術的対応で大宮工場とかつて関係を持ったからこそ、職歴の原点に近い地に”錦”を飾りたかったのではないかと個人的にはずっと思っています。
まぁ、京都鉄道博物館に関しては素直にJR西日本と博物館運営関係者を褒めるほかないですね。あそこは(運営主体がまるで別ですので本来無関係ですが)少し足を伸ばせば嵯峨野観光鉄道もあり、そもそも地域が観光目的に長けているところから地の利がありますので、比較するのはかなり酷かも知れませんが、展示内容に変化内容をつけるのに実物車両を引き込むのは手っ取り早い手法であります。
他社の車両展示が続くかは今回の展示に成功にかかっていると思います。
過去、鉄道博物館の開館以前の大宮工場には九州から787系や885系を呼んだり、交通博物館時代にも旧万世橋駅付近の側線にEF55やDD51＋ブルトレを展示した実績もあります。
せっかく展示してもその前後の甲種輸送ばかりに人が集まってしまい、また駅での撮影マナーの悪さが問われてしまう事態となれば次の展示はないでしょう。
縁だけで言えば同じく相互乗り入れをしている相鉄や、国鉄時代から繋がりのある東京メトロあたりが考えられますが、今回は単に「縁があるから」ではなく、「もはやJRと東武に対立関係はない」というアピールという意味合いもあると思われます。かつて国鉄時代に日光をめぐる苛烈な争いをしていましたが、現在は相互直通運転を行うとともに、共同で日光のアピールをするなど「対立から協調へ」を鮮明にしていますし。