続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

週末パス発売終了へ

 JR東日本は2月19日のプレスリリースで今年6月28日利用分で「週末パス」を発売終了することを発表しました。

 そのことを目立たないよう「えきねっとでのご予約でおトクな商品を期間限定で発売します!」というリリースの後ろの方にこそっと混ぜ込む相変わらずの姑息ぶりでしたが、そんな努力(?)もむなしくあっという間に情報が拡散していきました。

www.imadegawa075.net

 「週末パス」はJR東日本の概ね宮城・山形県より南のエリアで土日2日間利用できる運賃のみタイプのフリーきっぷで、2013年春から10年以上継続して発売されている商品です。大人8,880円で東京からだと長岡や福島に往復するだけで元が取れます。JR東日本以外にも長野電鉄や伊豆急・富士急など14の社線も利用できます。

週末パス(27回目)

 数えてみたところ私は12年間で28回利用していました。平均年2~3回なので自分が思っていたより多くないなと感じました。特急料金込みで指定席が4回利用できた「土・日きっぷ」を知る世代からすると特急料金が分離された「週末パス」はしょっぱく感じますが、あればあったでありがたいきっぷでした。

E・Eきっぷ

ハートランドフリーきっぷ

 JR東日本は会社発足直後の「E・Eきっぷ」から始まり、本州三社で唯一自社管内の広域かつ新幹線も利用できるフリーきっぷを長く発売し続けてきました。「週末パス」に代わるフリーきっぷが発売されなければそれがついに途絶えることになります。

 先ほどのプレスリリースには『JR東日本では、新幹線eチケット(トクだ値)等の便利でおトクなチケットレス商品やサービスをこれからも展開してまいります。』という記載がありました。

 片道タイプで枚数制限があって繁忙期は事前予約しても買えないことがある「トクだ値」が前日まで制限なく購入可能なフリーきっぷの「週末パス」の代替となると本気で考えているのであれば頭の中身の心配をすべき事象ですが、冗談抜きにしても今のJR東日本は事前に「えきねっと」で予約しない客は客にあらずぐらいには考えていそうです。

土・日きっぷスペシャル(中高生用)

土・日きっぷ(中高生用)

 かつては破格の値段で設定されていた「土・日きっぷ(スペシャル)」の中高生用というものがありました。私よりちょっと下の世代からはそれを利用してよく旅行したという話を何度か耳にしたことがあります。気軽に買えるフリーきっぷの存在はエントリー商品としてこういうビギナーの入口ともなり、以後もJRを利用してもらうきっかけになります。

 いま「ジパング倶楽部」や「大人の休日俱楽部」を使って各地を飛び回っている人たちは若かりし頃に周遊券を使って旅行し鉄道旅行に慣れ親しんだ世代です。言わば昔種蒔きをしたものを今刈り取っている状態です。

 「週末パス」のような手軽に買えるきっぷがなくなり、使い勝手の悪さで有名な「えきねっと」の利用を半ば強要されるのであれば、これからの世代が将来に渡ってJRを利用して旅行したいと思うでしょうか?今回の「週末パス」の廃止は今のうちに蒔いておくべき種を蒔かずに捨てたように感じます。