現在も東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線、さらに東武伊勢崎線・日光線で運用されている東京メトロ8000系は、以前にも記したように、今や東京メトロの車両で最古参の系列です。徐々に18000系への交代が行われてはいるのですが、まだまだ多くが残されているようですし、少なくとも半蔵門線および田園都市線の沿線住民であれば、見たり乗ったりする機会は多いでしょう。
高津駅(DT09)1番線を、東京メトロ8000系8106Fが準急中央林間行きとして通過していきます。8000系は、半蔵門線・田園都市線に登場してからしばらくの間、各駅停車専用でしたが、1990年代に急行および快速(いずれも半蔵門線内での各駅に停車)としても運行されるようになりました。また、この編成は初期に製造されたものであるため、最初は冷房装置が設けられておらず、8両編成でした。今でも漠然と覚えているのですが、帝都高速度交通営団の各路線や東急新玉川線(現在の田園都市線の渋谷駅から二子玉川駅までの区間)においては、たとえ冷房車であっても地下区間に入るからということで冷房は切られていました。
8106Fにいつから冷房装置が取り付けられたのかはわかりませんが、10両編成化されたのは1990年代に入ってからのことです。
本題の8106F について車歴を差し上げます。
竣工:
①1~4・9・10号車…81年03月06日川重(現川車)
②5・8号車…82年11月30日東急(現総車)
(以上竣工当初非冷房車)
③6・7号車…94年08月09日日車
(新製冷房車)
冷改:
前記③を除く8両に限り88年06月01日。
10連化:
前記③竣工の数日後だと思われる。
大規模修繕・インバータ化:05年06月24日
備考:
・同編成は編成延長に伴う中間車挿入を2度実施した4本のうち1本。
・前記①と②の竣工当初における違いはドア窓の大きさの大小。このため大規模修繕を受けるまでは3タイプのドア窓が見られたが、これは同編成が唯一。
・③は車体構造が0系シリーズと共通で側窓及びドア窓が大きい。
・大規模修繕の際に①及び②の8両もドア窓を現在のサイズに改める。
参考:「鉄道ピクトリアル2016年12月臨時増刊号・特集:東京地下鉄」