兵庫県のご当地私鉄、山陽電鉄。新型車両の導入はされているものの、登場から40年が経過した3000系のリニューアルも並行して実施されており、トップナンバーのアルミ車から少し時間を空けて登場した、新工法を採用した「新アルミ車」にもリニューアルが実施されています。このグループよりリニューアルメニューが変化しており、前面では前照灯はシールドビーム灯のままですが、種別・尾灯と方向・種別幕がLED化されています。
側面についても、車端部は窓が1枚ものに交換されています。そうそう、元々無塗装アルミ車体でしたが、この更新を機にステンレス製のドアを除いて塗装仕上げとなっています。が、その塗装もライトグレーに赤帯となっており、無塗装時代の雰囲気を残しています。
車内です。このグループでは6000系の雰囲気に準じた更新メニューに改められています。

ドアです。両端や足元にイエローラインが追加されて注意喚起をしていますが、更に踏み込んで旅客案内装置の取り付けまで行かなかったのは、外観の気合の入り方を見ると少し残念です。まぁ、基本的に地域輸送の普通車専属ですし、速達列車も朝夕の通勤通学メインのS特急となれば、特急車に入る車両ほど必要性がある訳ではありませんが…。

消火器が横に置かれたドアです。消火器に相変わらず蓋とかはありませんが、視認性という意味ではこれが一番ですね。

車端部です。仕切り扉が窓が大きく持ち手が長いものに交換されています。仕切り扉の窓は着色ガラスになっている一方、妻窓はそうなってません。どちらかと言えば、妻窓こそ遮光・遮熱が必要だと思いますが…。

優先座席を有する車端部です。モケットの他、吊革も濃黄色にして区別しています。

そして片側がフリースペースとなった区画です。いやはや、昭和の3000系のイメージはどこへやら、ですね。辛うじて左側のパイプ式の袖仕切りがそれを「臭わせ」ます。

最前面です。こちらは姫路方、海岸線に近いところを走ることもあり、有事に備えて避難はしごが置かれています。その付近は立席スペースになっております。


天井です。照明が直管式のLED灯に交換されてまして、車内の雰囲気が明るくなったひとつの要素になっています。これで消費電力が抑制されていると思いますが、昼間は更に消灯を実施し電力抑制に努めています。ここまで徹底してればもう潔い(笑)

窓です。ドア間は二段窓のまま、下段が固定式で上段が開閉可能となっています。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプのものが引き続き設置されています。

車端部の窓は二段窓から一枚の固定窓になっています。開閉することを諦めると、近代的になるんですね(笑)

座席です。オールロングシートで、ドア間は8人掛けです。6000系と同じ、兵庫県の花である「のじぎく」の柄がプリントされた赤いモケットになっています。バケット形状とまではいかないものの、座面には着席区分の縫い込みが入っており、座面のクッション自体も4分割することで定員着席を促しています。

車端部の5人掛けです。袖仕切りは握り棒と肘掛けを兼ねたパイプ式、ここは大きく変わらなかったようです。

優先座席です。一般座席とは異なり爽やかな水色を地色を使っています。座面は程よいクッション性なのですが、相変わらず背ズリが少々薄めで角度も切り立ち気味なので、せめて角度くらいはもう少し欲しいものです。

フリースペースとセットになった区画です。フリースペースは握り棒と非常通話装置が備えられています。座席は一度全て取り替えられたようで、袖仕切りが5000系に似た形状のものになっています。ただ、以前のリニューアルではモケット張りだったのが、化粧板仕上げに変更されています。で、ですよ。ここの座席の座り心地が壊滅的に悪い。特に背ズリ、切り立っているのは他の座席もそうとして、ほぼクッションレスと言えるほど硬いです。座席を新しく設置しなおしてこのザマはいかがなものかと。

最前面の2人掛けです。こちらは西代方の一般座席です。前面展望が出来そうな区画ではありますが、仕切り窓もそうですし、何よりも前面窓がかなり高い位置にあるため、「座れるだけマシ」といった区画ですね。

そして姫路方の優先座席。客室側はかなり雰囲気が明るくなりましたが、乗務員室は昔懐かしいアイスグリーンの色調が引き続き使われています。昨今は平均気温も上昇してますし、乗務員室内の職務環境も改善されているといいのですが…。