新幹線で熊本駅に着いた後は「わくわく1dayパス」を買って、熊本市電で熊本観光に繰り出しました。
・「わくわく1dayパス」を買って熊本市電の旅
熊本駅のある熊本市は人口73万人を誇る九州第3の都市です。熊本市の公共交通は熊本電鉄、熊本市電、路線バスによって担われていますが、「わくわく1dayパス」はそのすべてを利用することができます。「わくわく1dayパス」には800円券、1,000円券、2,200円券の3種類があり、料金によって利用できる区間が異なります。今回は最も利用範囲の狭い800円券にしました。熊本市の中心部をまわるにはこれで十分です。
(今回利用した「わくわく1dayパス」800円版)
「わくわく1dayパス」は様々なところで販売されていますが、熊本市電の車内でも買うことができます。ただし1,000円札しか受け付けてもらえないので少し注意が必要です。私は1万円札しか手持ちがなくて、市電を1本見送って熊本駅で両替してもらいました…。
(熊本市電では軌道緑化に力を入れています)
熊本市電は本数が多いので、1本見送ってもすぐに次の便が来ます。熊本市電は田崎橋駅―健軍町駅間のA系統と上熊本駅―健軍町駅間のB系統からなり、熊本駅にはA系統が来ています。辛島町駅―健軍町駅間はA系統とB系統の両方が入線するので、特に運行本数が多いです。A系統は赤い行き先幕、B系統は青い行き先幕になっているので分かりやすいです。
(道の真ん中を走る熊本市電)
熊本市の中心部では近年、交通渋滞が深刻化しているとのことです。熊本市電もそれなりの利用率でしたが、道路には自動車が多く、路面電車を邪魔そうに避けていました…。人口73万人では地下鉄は維持できないかもしれませんが、単行の路面電車では物足りないでしょう。熊本市電では一部低床型2両編成の車両も導入されていますが、単行型の車両が多数派です。
(ここまで乗ってきたのはA系統)
観光客にとっては地元の路線バスを利用するのは難易度が高く、軌道交通で回れるところは安心感があります。熊本市電も末永く存続してほしいものです。そんなことを思いながら、水前寺公園駅まで行きました。
・水前寺成趣園を見物
水前寺成趣園は江戸時代に熊本藩主の細川氏によって整備された庭園です。細川氏は細川忠興の子である忠利の代に小倉から熊本に転封になり、肥後入国とともに作庭が始まったと言われています。中央の湧水池の周りに築山や平坦地を配したつくりで、桃山式の回遊式庭園となっています。
(立派な池泉回遊式庭園)
また、庭園の一角には細川氏を祀った出水 (いずみ) 神社が創建されています。出水神社は明治11年の創建です。西南戦争で荒廃した熊本城下の発展を願い、熊本藩主の旧恩に報いるために旧藩士たちによって、細川氏ゆかりの水前寺成趣園に創建されました。
(出水神社の鳥居)
このような経緯で、水前寺成趣園の入り口にも、出水神社の鳥居があります。鳥居をくぐると水前寺成趣園の受付があり、ここで入園料を支払います。ちなみに「わくわく1dayパス」を提示すると、団体料金が適用されて少し安くなります。
(出水神社の拝殿)
入り口から左手に進むと出水神社の拝殿があります。「出水神社」という名前が関係してるのかはわかりませんが、水前寺成趣園のの中央には湧水池が配置されており、澄んだ水が張られています。澄んだ水越しに見る茶亭などの建物は美しいものです。
(庭園の池越しの「古今伝授の間」)
水前寺成趣園を出て電停に向かうために歩いていると、住宅街の中に水路があり、この水が水路とは思えないほど澄んでいました。熊本市は水道水を湧水でまかなっていることで知られていますが、住宅街の水路がここまで澄んでいるとは驚きです。この流れは水前寺成趣園から出て、江津湖へと続いているようです。
(用水路とは思えない水草の繫茂ぶり!)