わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【驚き】JR難波~京都を乗り換えなしで直結! 1日数本限定の大和路線・奈良線直通列車に乗車

 

2024年8月10日(土)

おはようございます。本日は早朝のJR難波駅へとやってきました。

当駅は1889年に「湊町」駅として開業し、1994年に現在の駅名へと改称。JR西日本の関西地区には「JR」を冠する駅名がいくつかありますが、その先駆けとなったのがこの「JR難波」です。

改札口には大阪方面やユニバーサルシティ方面へ向かうために「新今宮駅乗り換え」を提示しておりますが、正直なところ大阪・新大阪であれば地下鉄御堂筋線の方が便利でしょうし、西九条・ユニバーサルシティ方面へは阪神なんば線経由が便利でしょう。

そしてもし、今みなさんが「なんばから京都へ移動したい」となったら、どのようなルートを使うでしょうか。恐らく多くの方は

御堂筋線で大阪・新大阪→JR京都線乗り換え
近鉄奈良線大和西大寺近鉄京都線乗り換え

のどちらかの方法を取ることと思います。

しかし実は、JR難波から京都まで乗り換えなしの直通列車が1日数本だけ設定されているのです。

それぞれJR難波駅の発車時刻は、平日5時48分発/6時10分発/6時40分発の計3本、土休日6時32分発/6時59分発の計2本。今回はJR難波6時32分発に乗車していきます。

1996年に地下化されたJR難波駅のホームは2面4線。当駅に入らず大阪環状線へ直通する列車も多いことを考えるとややオーバースペックにも思えますが、将来的には当駅からJR大阪駅うめきた地下ホームまでを結ぶ「なにわ筋線」が開業予定で、その時のことを考えればこれくらいの設備があっても良いのかもしれません。

使用車両は221系6両編成で、JR難波駅の時点で行先表示器にはしっかり「京都」の文字が出ています。

6時32分、列車は時刻通りJR難波駅を発車。まずは奈良まで普通列車として運行し、今宮、新今宮天王寺、東部市場前…の順に各駅へ停車します。

数分で地上へと上がり、今宮駅大阪環状線と合流。今宮~天王寺駅間は複々線となっており、大阪環状線大和路線にそれぞれ線路があります。

新今宮天王寺からはかなり乗車があり、車内はやや混雑してきました。天王寺大阪環状線と分かれていきます。

現在走行中の路線は「大和路線」ですが、これはいわゆる路線愛称の一つで、正式にはJR難波~名古屋駅間を結ぶ「関西本線」の一部です。大和路線の愛称が付与されているのは途中の加茂までで、加茂を境に東側は亀山まで非電化ローカル線、西側は大阪方面へと直通する通勤路線としての役割をもっています。

久宝寺で大阪・新大阪方面からのおおさか東線と合流します。八尾市内には「八尾空港」という空港がありますが、定期便は就航していません。

柏原(かしわら)駅では近鉄道明寺線と接続しています。この先大和路線大阪平野を抜け、山間部へと入っていきます。

河内堅上駅を発車してまもなく、列車は大阪府から奈良県へと入ります。難波を出て30分ほどでこの景色というのは驚きです。

7時09分に王寺駅へ到着。当駅は大和路線のほか和歌山線近鉄生駒線近鉄田原本線が乗り入れるターミナル駅です。近鉄田原本線の駅のみ「新王寺駅」となっていますが、他の路線の王寺駅と隣接しています。反対側のホームにはウグイス色の201系が停車中ですが、国鉄時代から長く活躍しており2024年度中の引退が予定されています。

この先はあまり山がちというわけではないものの、のどかな景色が続きます。

世界遺産法隆寺をはじめとする歴史的な建造物が立ち並ぶエリアで、途中に通る大和郡山市は金魚のまちとして知られています。

7時25分、列車は奈良駅へと到着。ここでは9分間の停車時間が設けられています。

奈良の中心地に近いのは地下化されている近鉄の駅の方ですが、JRの奈良駅もこれまた高架駅で立派。最近では〔らくラクやまと〕〔まほろば〕〔いにしへ〕など、当駅を発着するJRの特急も増えています。

当駅からは種別が「快速」へと変更されます。途中停車駅は木津、玉水、城陽、新田、JR小倉、宇治、六地蔵東福寺となっており、最速達種別である「みやこ路快速」とあまり大差はありません。

7時34分、時刻通りに奈良駅を出発。運行系統としては「奈良線」に入りましたが、正式な路線名はまだ「関西本線」のままです。思いのほか奈良駅を跨いで利用する人も多く、直通需要もあるのかもしれません。

奈良県から京都府に入り、最初の停車駅は木津関西本線(加茂・亀山・名古屋方面)はここから東に逸れるように進みますが、京都方面は引き続き北上です。

なお正式な奈良線区間はここ木津から京都までとなっており、「奈良線奈良県内を走っていない」というのは有名な話。もちろん京都方面からの列車が木津で折り返すことはなく、そのまま奈良まで乗り入れるので実際に使っている分には何ら違和感はないのですが…。

奈良線ではここ数年、急速に複線化工事が進められています。現在は玉水~山城多賀駅間および城陽~京都駅間が複線となっており、木津を出てすぐの区間はしばらく単線ということになります。

奈良線に入り最初の途中停車駅である玉水駅。次の山代多賀までの1駅間は複線ですが、山城多賀には快速は停車しません。

数駅の単線区間を経て、城陽駅に到着。ここから先は京都まで全区間複線となります。

京都発の列車ではここ城陽を終着とする場合も多く、京都~城陽駅間の需要の高さが窺えます。一応近鉄京都線と並走してはいるものの、地図を見る限りJR奈良線と乗り換えられる駅はあまりありません。

奈良線の複線化は2001年の京都~JR藤森駅間・宇治~新田駅間を皮切りに、これまで段階的に行われてきました。特に2022年~2023年にかけては急ピッチで工事が進められ、現在は京都~木津駅間34.7kmのうち約64%にあたる22.2kmの複線化が完了しています。

複線化工事が施されたばかりの区間はまだ線路や設備も新しく、まるで新路線に乗っているかのような感覚です。

観光地としても名高い宇治駅は、JR奈良線の駅のほかに京阪宇治線にもあります。どちらも「宇治」なので乗り換え可能かと思いきや、両者は宇治川を挟んで約850m離れており、完全に別の駅です。

宇治駅では前を走る普通列車に追いつき、緩急接続を行います。先行の普通列車は奈良を10分早く出ていますが、追いつくことができたのは快速がしっかりと快速らしい走りを見せてくれたためで、複線化の産物といえるでしょう。

なお次の黄檗駅はJRと京阪のホームが互いに隣接しているものの、乗り換えの利便性は考慮されておらず連絡通路などはありません。

続く木幡駅六地蔵駅もJRと京阪にそれぞれ同名の駅がありますが、いずれも宇治と同じように若干離れている様子。すなわち、JR奈良線と京阪宇治線の相互での乗り換えの需要というのはあまりないのが実情なのでしょう。なおJR奈良線六地蔵駅京都市営地下鉄東西線六地蔵駅と交差しており、こちらは乗り換え可能です。

やがて列車は京都市内に入っていきます。京都が近づくと車内はかなり混雑してきた様子で、ちょうどこの辺りの朝ラッシュと重なる時間帯といえます。

最後の途中停車駅である東福寺を出発後、左にカーブを描きながら鴨川を渡ります。向こう側に見えている別の橋は東海道新幹線です。

8時22分、列車は終点の京都駅に到着。

JR難波駅から実に1時間50分、82.7kmの長旅となりました。

この列車は折り返し、8時37分発の普通 奈良行となります。

なお不思議なことに、逆方向の京都発・JR難波行の列車というのは設定されていません。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。