

Oさんが完成させた京王井の頭線3000系。実は3Dプリンターをフル活用して制作されている。
ちょっと経緯を説明させていただくと、Oさんが参加している運転会仲間に、最新技法の研究熱心なIさんがおり、Iさんが設計し3Dプリンターで成形出力したものを競作仲間に頒布。それを各メンバーが仕上げることになったとのこと。言わば、個人によりキットが用意された形になったわけだ。ちなみにIさんとは私も旧知の仲で、以前は同じ模型サークルで活動していた。

凝り性のIさんによる制作だから、車体だけでなく必要なパーツがすべて揃ったトータルキットのようになっているのに驚かされる。3000系の湘南顔は印象把握が難しいが、Iさんの設計はなかなかのレベルで、以前に発売された高価なブラスモデルより再現度が高い気がする。
ここまでお膳立てがされていれば、楽勝で完成!と思いそうだが、そうは問屋が卸さない。3Dプリンター特有の積層痕や成形精度の問題もあり、整形や修正にかなりの労力が必要だったとのこと。

とにかく、ひたすら「削る」工程が多かったようだ。いつものペーパー車体制作とは勝手が違う工作になるわけだが、Oさんは日頃プラモデル作りもやっているので、意外と親和性が合ったようだ。
ステンレス車両の仕上がりはシルバー塗装次第だが、こちらも日頃の飛行機模型づくりの経験が役立っている。同じシルバーでも後付けのユニットサッシのトーン違いなどもきっちり再現、素晴らしい完成度となった。
まだ現物にお目にかかっていないので、近々の運転会で拝見する日を楽しみにしている。