横浜市営地下鉄に乗って感じた疑問

 

 混んでいるのに赤字

 

昨日、私は横浜市営地下鉄に乗った。乗った区間はブルーラインのあざみ野～センター北、センター南～桜木町及びグリーンラインのセンター北～センター南だ。

 

三連休のど真ん中ということもあり、ブルーラインの車内は混雑していた。特に、センター南から桜木町に移動する際に乗った列車が混んでいた。

 

ここで感じた疑問は、何故地下鉄は休日でも混んでいるのに、横浜市交通局が赤字なのかということ。昨日乗車・撮影した経験を基に考えてみたい。

 

 

 他社線との競合

 

ブルーラインはあざみ野と湘南台を横浜経由で結ぶ路線だが、起点から終点まで乗り通すのは間違いなく鉄道マニアのみだ。そのため、区間ごとに分けて考えてみよう。

 

昨日乗車した区間のうち、あざみ野～横浜は、特に競合する路線がない。センター南～センター北はグリーンラインが並行しており、自社線が競合路線となっているように見えるが、短いこの区間のみの利用は多くないと思われるため、グリーンライン利用者とブルーライン利用者ではっきりと棲み分けはできているだろう。新横浜～横浜の移動はJR線と競合するが、この区間にある途中駅はJRから離れているうえ、どの駅も利用者が多い。競合路線によるダメージは大きくないだろう。

 

ところが、横浜から先となると話が変わる。まず、横浜～関内はJR根岸線とみなとみらい線とほぼ同じルートだ。どちらも都内まで乗り換えなしで行ける路線であるため、地下鉄が不利な状況である。また、横浜～上大岡は全区間にわたって京急線と競合している。京急線は都内まで乗り換えなしか、同じホームでの乗り換えで行けてしまうため、ここでも地下鉄が不利だ。

 

上大岡から先はどうだろうか。乗ったことがない区間であるため、地図を頼りにした推測でしかないが、上大岡～戸塚は比較的安定しているのではないか。両駅の間に住んでいる人が、JRか京急の駅までの移動手段として地下鉄を使う、環状連絡路線として機能できそうだ。戸塚から先、踊場あたりまでは戸塚駅利用者の環状連絡路線として機能できそうだが、その先の湘南台駅までは相鉄いずみ野線との距離が縮まる。

 

ブルーラインは地下鉄にしてはとても長い路線だが、他社線に利用者を取られやすい区間が多いように思える。それとは対照的に、グリーンラインに競合路線はない。下記の記事でも書いたが、競合区間も廃止にできるほど利用者が少ないとは思えないため、難しい問題であると感じる。ブルーラインにはあざみ野から新百合ヶ丘まで延伸する計画があり、これが実現すると新百合ヶ丘から横浜への移動需要が拾えるほか、あざみ野と新百合ヶ丘の間に住んでいる人の環状連絡路線として機能できるため、運賃収入は間違いなく上がるだろうが、高い建設費の回収をしなければならない。

 

【横浜市交通局】赤字が拡大、値上げ待ったなし | れもいち写真館

 

 設備投資

赤字の原因として最も納得できてしまいそうなのが、設備投資、特に近年は車両への投資が大きいということだ。グリーンラインは現在6両化が進んでいる。ブルーラインは4000形が既に8編成おり、3000A形の置き換えが進んでいる。今後も4000形の増備が進み、S形も置き換え対象になるという。実は昨日私が横浜市営地下鉄を撮りに行ったのは、3000A形を撮り納めるためであったが、残念ながらその目的は達成できなかった。そして、私の想像を上回るくらい4000形と遭遇した。赤字ならもう少し新車導入ペースを落としたらどうだろうか。

 

 

 エネルギー価格の上昇

これは横浜市交通局に限らず、どの企業にも言えることだ。昨今、生活必需品の値上げが続いている原因の1つがエネルギー価格の上昇だ。どんな物も、自動車で運ばれてくるからだ。これはもう避けて通れない。あのJR東日本も値上げを決めたくらいだから、横浜市交通局も多少は値上げすべきだと思う。一日券の値段があまりにも安すぎる。