KATO モハ164-500に改造(16)

KATO製のモハ164-0番台・初期旧製品(品番458)のトイレ側デッキ部分を切り継いで、回送運転台があるモハ164-500番台に加工しました。この車両を中央東線の急行「アルプス」で使用されていた姿に再現するため、パンタグラフを狭小トンネル対応で折り畳み高さが低いPS23に変更していますが、最後に伏兵が待ち構えていました。

 

 

前回でPS23の仮装着まで漕ぎつけましたが、思わぬ所に伏兵が潜んでいました。

 

ネット上でモハ164-500番台の実車写真を確認していた際に、PS23に換装された車両では、0番台/500番台の何れも避雷器の位置が異なることが判明。実車ではPS16からPS23への換装に際し、避雷器を車端側からパンタグラフを挟んだ反対側に移設されていたのでした。移設位置を明確に記載した資料を見つけることが出来ませんでしたが、以前に投稿した「KATO 165系の旧製品」(→こちら)にヒントがありました。

 

 

手前に置いた新製冷房車用の屋根板では、避雷器が移設された姿が再現されていました。(再掲)

 

 

この屋根板は、「165系屋根板セットA 東海モハ用」(品番2807)として入手した物ですが、本来は1996年12月に発売された『165系 さよなら急行「東海」 8両セット』(品番10-903)の製品に装着された専用パーツの分売品でした。ネット上で見つけたこの8両セットの編成図を転記しておきます。車番に下線を施した車両の屋根板が、上記の屋根板セットに該当します。

 

←静岡 ①クハ165-128+②モハ164-83(P)+③モハ165-20+④サロ165-107+⑤サロ165-106+⑥モハ164-836(P)+⑦モハ165-14+⑧クハ165-77 東京→

 

避雷器が移設されている屋根板は、新製冷房車の②モハ164-83用です。避雷器の位置からPS23に改装後の姿ながら、製品のパンタグラフはPS16Bで代用されていた模様(今回使用したPS23は、20年後の2015年12月に発売)です。何れにせよ、避雷器の位置がこれで判明しました。

 

上側が急行「東海」用の屋根板、下側が今回加工中のモハ164-500番台用の屋根板です。

 

 

今回加工中のモハ164-500番台用の屋根板も、避雷器を上記製品用と同じ位置に移設することにします。

 

 

一体成型の避雷器を糸鋸で切り落し、避雷器の置台と配管を先細のデザインナイフで切除、ペーパーヤスリ(#400)で平滑にしました。移設された避雷器の中心位置は、屋根の中心線上で車端から30.5mmになります。避雷器の取付穴として1.5mm×1.0mmの長方形に開けて、接着剤なしで避雷器がしっかり保持(固定)できるようにしました。

 

 

避雷器の新たな置台は、0.25mm厚のプラ板に一旦1.5mm×1mmの長方形の穴を開けてから、避雷器の挿抜に際して接触しない程度に拡張しておきました。避雷器の挿抜時に屋根板に接着した置台が剥がれることを防止するためです。最後に3.2mm×1.5mmに切り出しました。

 

避雷器はEL用のASSYパーツ「3020 避雷器(灰)」(品番Z03-1163)のLA-15Dを使用します。右側が切り出した避雷器の置台です。

 

避雷器の置台を所定位置に接着してから、φ0.2mmの真鍮線と市販の配管止め(ボナファィデの割ピンセット:品番P-002のパーツD)で配管を追加しました。パンタからの配管は中心線から1.5mm下側を這わせて配管止め3ヶ所で屋根板に固定。避雷器から下側の側面に向かう配管にも3ヶ所の配管止めを使用しています。配管止めは、屋根板にφ0.3mmの穴を開けて配管止めの取付脚を挿し込み、屋根板の裏面側で折り曲げて瞬間接着剤で固定してあります。書くとこれだけのことですが、この配管作業は非常に手間が掛かりました。PS23化に伴い避雷器移設されたことに初期段階で気付いておれば、最初に急行「東海」用の屋根板と切り継ぎ加工しておけば、パンタ部分の角穴加工だけで済んだのですが、今となっては手遅れでした。

 

前回に作ったパンタ置台を屋根板のカーブに沿わせるため、底面にヤスリで枕木方向に軽く傾斜を付けてから、パンタグラフを介して屋根板に接着することにしました。4個中の3個は処置を終えたのですが、手前右側用の1個を加工作業中に飛ばしてしまい、床に這いつくばって探していますが見つかりません。(続く)

 

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KATO 超ジャンクのモハ164再生計画

 

リニューアルされたKATO製の165系現行製品では、このモハ164-500番台が急行「佐渡」の増結セット(品番10-1489)に入っています。