転轍器

古き良き時代の鉄道情景

カメキ キハ17

 忘れ去られたカラーネガにきれいな朱色とクリーム色塗分けのキハ17のコマがあった。前面貫通ホロの「カメキ」に誘導される。亀山気動車区のことだろうかと、配置表をめくると紀勢本線関西本線の動力車を擁する亀山機関区の略号であった。手持ちの昭和50(1975)年3月版でキハ17は天カメ亀山機関区に13輛、天イセ伊勢運転区に7輛が配置されていた。
 自車の所属略号の書込みは、車体標記は別として、機関車の標識灯や連結ホース、スノウプラウなどで目にしたことがあるが、気動車の貫通ホロに印した例があったことを知り、私の中では貴重なネガの発掘であった。
 この気動車列車で紀伊田原まで乗車する。紀伊田原での停車時間が長かったので時刻表で振り返ると、鳥羽発天王寺・難波行“きのくに14号”の通過待合せだったことがわかる。この時国鉄南海乗入れの知識と興味があれば、南海電気鉄道のキハ55仕様を目撃していたのではないかと痛恨する。 紀勢本線串本 S50(1975)/3/21