七久保駅【長野県】(飯田線。2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
長野県飯島町南部の中心地である七久保地区に位置する飯田線の準主要駅で、かつては駅南西にあった日本石油伊那油槽所へ至る専用線が分岐していた(Wikipediaの本文を引用)、
七久保駅 (ななくぼえき。Nanakubo Station) です。
標高695mです。
  
  
駅名  
七久保駅 (駅番号なし)  
 
所在地    
長野県上伊那郡飯島町    
 
乗車可能路線  
JR東海:飯田線    
 
隣の駅  
豊橋方……高遠原駅  
辰野方……伊那本郷駅    
  
訪問・撮影時  
2022年5月   
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1918年開業)。
駅舎………………西側に1952年改築の木造平屋建て駅舎があります。
出入口……………西側のみ。東からは約120m南or約180m北の踏切を渡って西側へ。
バリアフリー……○(駅舎出入口は段差を解消。構内踏切前後はスロープ設置。
          但しスロープは傾斜が急で、手すりが無く柵のみ)。
点字ブロック……駅出入口~駅舎内~各ホーム間に設置。
駅前広場…………×(バス停留所は駅前の道路沿いにあります)。
 
 


駅舎です。南東方向を望む。後方が駅舎です。
木造平屋建ての駅舎が鎮座しています。
建物資産標には大正7年(1918年)12月と書かれていましたが、1952年(昭和27年)に改築されたようです。
無人駅で、左側の駅事務室部分は倉庫として使用されていると思われます。
出入口に段差はありません。出入口前には郵便ポストと電話ボックスがあります。
また、出入口は車道に面していますので、飛び出さないよう注意が必要です。
駅前広場はありません。横断歩道の右手前にバス停留所があります。
 
 

駅前です。北西を望む。後方が駅舎です。
七久保の集落は駅の西~北西方向に広がっています。
駅前に商店は少ないですが、右手には駅前旅館があります。
また、奥に延びる路地の約70m北(右)を並行する県道219号線沿いには小さな商店街があります。
七久保の中心地は約500m西~北西で、中心部西側を南北方向に延びる三州街道沿いには古くからの住宅地が形成されています。
そして写真奥には中央アルプスの山々を望めます。
 
 

一方、駅裏の駅南東側は住宅が少なく、農村風景が広がっています。
七久保地区自体は天竜川の河岸段丘上に立地しており、中央アルプス側の西から天竜川が流れる東へ進むにつれて少しずつ標高が下がりますが、七久保駅周辺は傾斜がなだらかです。
写真奥には天竜川の対岸にそびえる南アルプスの山々を遠望できます。
 
 

駅前です。北東を望む。右手が駅舎です。
約70m先で左折すると前述の商店街に入ります。
その一方、200mほど北上すると田畑が広がる農村風景へと変わります。
 
 

駅前です。南西を望む。左手が駅舎です。
こちらも200mほど南下すると一面が田畑になります。
 
 


南側の農村地帯の手前、駅の約70m南西の飯田線沿いにはかつて日本石油伊那油槽所がありました。
七久保駅構内から油槽所まで専用線が延びていて、名古屋から油槽所行きの貨物列車が運転されていましたが、1996年に貨物列車の設定がなくなり、2002年に正式に廃止となりました。これと前後して油槽所も閉鎖・解体になったと思われます。現在は門だけが残り、油槽所跡は更地になっています。
 
 



専用線跡はレールが剥がされていますが、駅側に貨物ホーム跡が、踏切にはレールを埋めた跡が、そして油槽所出入口には門が、それぞれ残っています。
 
 


駅舎内です。南東方向を望む。
 
駅員配置………無人駅(1994年旅客無人化、1996年貨物無人化)。
自動改札機……なし(無人駅なのでそのまま入場・乗車可能)。
ICカード………利用不可(エリア外。ICエリア内から
            乗り越しの場合は全区間現金精算になります)。
幅広通路………駅舎内は改札ラッチ代わりの柵が残っていますが、
       窓口跡横の左側通路は車いす通行可能で点字ブロック設置。
窓口……………×(無人化のため改札窓口・出札窓口とも閉鎖)。
自動券売機……なし(乗車後に車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は乗車時に整理券をお取り下さい)。
自動精算機……なし(乗車列車の車掌に申し出るか、
          ワンマン列車の場合は下車時に運賃をお支払い下さい)。
その他設備……待合室(右側。ベンチ有。冷暖房無し)。
その他設備……改札跡のホーム側に集札箱あり。
トイレ…………1番線ホームにあります(多機能トイレ無し)。 
売店……………なし(駅前に飲料自動販売機あり)。  
コンビニ………なし(最寄店舗は約900m北の「セブン-イレブン」)。
 
そして駅舎を通り抜けると下り辰野方面1番線ホームで、段差なく移動できます。
1番線に出て右へ進むとトイレと構内踏切があり、渡ると上り豊橋方面2番線ホームです。
構内踏切前後はスロープになっていて、一応バリアフリーに対応していますが、傾斜が急で手すりがありませんので注意が必要です(落下防止柵を手すり代わりに使えますが、不完全です)。
 
 


待合室です。壁面にはベンチが設置されています。
空調はありません。
 
 


ホーム側より駅舎方を望む。
左側のラッチにきっぷ回収箱が設置されています。
 
 

1番線に設置されている建植式駅名標です。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、飯田線において、豊川駅より北(辰野方)の各駅においては駅ナンバリングが導入されていません。
 
 

2番線から1番線の駅名標を撮影すると、バックに中央アルプス(木曽山脈)の山々がそびえていますが、駅西側は建物が多いので、その合間から望む形になります。
 
 




駅構造……地平駅(南西~北東方向)。
配線………単式ホーム・島式ホーム各1面、計2面3線。
 
左(西)の単式ホームが1番線で下り駒ケ根・辰野方面、右(東)の島式ホームは左が2番線で上り飯田・豊橋方面です。島式ホームの右は3番線ですが、現在は予備ホームになっていて発着する定期列車が存在せず、3番線の案内看板もありません。線路は草が生い茂っていました(4枚目の写真)。すなわち、実質相対式ホーム2面2線として運用していると言えます。
  
ホーム有効長……20m車4両分(21m車4両弱分)。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭いです。
上屋(屋根)………1番線は駅舎に面した駅舎の庇のみ。
        2番線・3番線は豊橋方(手前側)の小さな屋根と中ほど約5mの上屋。
        但し2・3番線中ほどの上屋を除き線路際まで届いていません。 
ホーム上設備……トイレ(1番線)。各ホーム上にベンチはありません。
 
1番線中ほどに面して駅舎・出入口があり、その手前(豊橋方)に面してトイレがあります。
そして各ホームの豊橋方の端(手前側)には構内踏切があり、ホームとの段差はスロープで解消しています。
 
1枚目は構内踏切より、2枚目は1番線より、3枚目は2番線より、4枚目は3番線より、いずれも辰野方を望む。
 
 




1枚目は1番線(右)より、2枚目と3枚目は2番線(中)より、4枚目は3番線(左)より、いずれも豊橋方を望む。
 
 


上写真は2番線より、下写真は1番線より、いずれも豊橋方を望む。
両ホーム端に構内踏切があります。
この先、農村風景の中を下り勾配で南西へ走り、緩やかに右へカーブして日向沢川を渡ります。その後は大きく左へカーブして進路を南に変えると高遠原駅へと至ります。
 
 


また、七久保駅の豊橋方では、日本石油伊那油槽所への専用線が右へ分岐していました。
おそらく1番線から分岐していたと思われます。
前述の通り、貨物ホーム跡などの遺構が残っています。
構内踏切より豊橋方を望む。
 
 



1枚目は1番線より、2枚目と3枚目は2番線より、いずれも辰野方を望む。
1番線の延長上には貨物側線跡(辰野方で行き止まり)と貨物ホーム跡が確認できます。
現在も側線とホーム跡が残されており、保線用側線と保線基地として利用しています。
 
この先、農村風景の中を北東へ走りますが、小さな川を渡るとすぐに大きく右へカーブします。その後は左側の田園と右側の森(と先ほどの小さな川の田切地形の谷)の間を東へ走り、今度は左へカーブします。そして下り勾配になり、掘割区間で林の中を北上し、やがて掘割を出ると伊那本郷駅へと至ります。尚、伊那本郷駅発車後に西へ進路を変え、さらに北へと進路を変えて伊那本郷駅を中心にオメガカーブを描いていますが、これは伊那本郷駅の北で田切地形の深い谷を形成している与田切川を渡るためギリギリまで下る必要があり、その距離を稼ぐために七久保駅からそのまま北上せず伊那本郷駅(東方向)へ迂回したオメガカーブの線形になったと思われます(開業した大正時代において高い橋を造る技術がなかった事も要因と思われます)。
  
  
あとがき  
下車(乗車)時・・・2022年          
 
ホーム2面3線で、南の豊橋方に構内踏切があります。西側には古い木造駅舎が健在ですが、無人駅です。駅前は飯島町南部の中心地で、西側に集落が延びていますが、東南北は農村風景が広がっています。駅南西側には日本石油伊那油槽所跡の空地があり、専用線跡を確認できます。
   
鉄路のみで(ルートは一例です)  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       中央東線~岡谷から飯田線系統へ乗継。快速も停車します。
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。
       東海道新幹線(名古屋)中央西線(塩尻)中央東線(岡谷)飯田線系統。 
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし (最寄店舗は約900m北の「セブン-イレブン」)    
飲食チェーン店・・・なし (上記セブンの北隣、道の駅にレストラン有)  
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、飯田線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は七久保駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東海のHP、れとろ駅舎、地理院地図、Google地図、Wikipedia)